インフレの極み系クリッカー『Antimatter Dimensions』Steam版が配信され、好調な滑り出し。大型アプデでまた無限に無限を増やせる

 

個人開発者のHevipelle氏は12月18日、『Antimatter Dimensions』をPC(Steam)向けに基本プレイ無料で配信開始した。また、配信に伴い約4年半ぶりとなる大型アップデートが配信。既存ファンによる後押しもあってか、Steamにて好調な滑り出しを見せているようだ。

『Antimatter Dimensions』は、Antimatter(反物質)をひたすら大量に生み出す放置ゲーム。いわゆるクリッカーやIncremental Games(インクリメンタルゲーム)と呼ばれるジャンルの作品だ。まずプレイヤーはAntimatterを自動で生み出すDimension(次元)を購入。Dimensionが生み出すAntimatterを消費してさらなるDimensionを購入していく。

ある程度の生産と購入を繰り返すと、すべてをリセットしてボーナスを得る要素が解禁される。そうしたボーナス要素は、レイヤーのように重層的に重なり、絡み合い、爆発的に生産量を上げていくのだ。生産・購入・リセットのループを繰り返すうちにプレイヤーは、無限を越え、永遠を打ち破り、想像を絶するインフレの世界へと突入していく。


本作は2017年にブラウザ向けゲームとしてリリースされた。以降、約1年間にわたりアップデートが配信され、さらなるリセット要素やスキルツリーなど、新たなコンテンツが追加されていった。そうしたインフレ要素の追加実装が、放置ゲームファンたちの間で好評を博していたのだ。しかし、2018年6月を最後に、本作のアップデートは途絶えることになる。その後にはAndroid版リリースといった展開もあったものの、ファンたちは更新の止まった宇宙のなかで、ただ無限に反物質を作り続けるだけとなっていた。


それから約4年半を経た今年12月18日、沈黙を破るようにして、『Antimatter Dimensions』Steam版および、多数要素を追加する大型アップデート「The Reality Update」が配信開始されたのだ。本作はさっそくSteamにて4864人のピーク時同時接続プレイヤー数を記録(SteamDB)。本稿執筆現在で175件のレビューを集め、うち94%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。レビューの内容としては、既存ファンからのSteam版登場を祝う声や、新アップデート配信を歓迎するコメントが目立つようだ。

なお、今回のアップデートの内容としては、新たなプレステージ層となる「The Reality」が追加。Glyph、Perk、Black Holeなど、既存のアップグレード層にも新たな要素が追加されている。また、UIはVue.jsフレームワークで実装し直しされ、大幅に安定性やパフォーマンスが向上したという。UIデザインも刷新されているものの、旧デザインへもメニューから切替可能だ。また、クラウドセーブ機能のほか、少額課金要素となるショップ機能が追加。ただし、ショップ機能はあくまで開発者サポートの窓口であり、利用しなくても問題ないようゲームバランスが取られていると強調されている。また、Web版・Android版・Steam版の購入アイテムは法的な問題により各プラットフォーム間で共有されないとのこと。

『Antimatter Dimensions』は、PC(Steam)/Androidそしてブラウザ(Kongregate/GitHub)向けに基本プレイ無料で配信中。Steamユーザーへ裾野が広がったことで、「高評価クリッカーゲームのSteamリリース」という経緯が類似している『Cookie Clicker』のように、今後さらに注目を集めていくかもしれない。