ドット絵シミュレーション『Kingdom Eighties』発表。高評価ミニマルSLGは中世ファンタジーから80’sアメリカへ大転換

 

パブリッシャーのRaw Furyは5月10日、『Kingdom Eighties』を2022年内に発売すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。中世ファンタジー世界が舞台であった、『Kingdom』シリーズの最新作となる。
 

 
『Kingdom』シリーズは、横スクロール型のシミュレーションゲームだ。個人開発者であるNoio氏や、デベロッパーのFury Studiosなどが開発を手がけてきた。プレイヤーは王または女王となり、王国を建設して守りつつ、拡張していく。

夜になると、魔物であるグリードたちが王国に攻め寄せてくる。王国を守るため、プレイヤーはフィールドを動き回り、国民の助けを借りて、防衛資金の調達に奔走しなければならない。そして、国民から集めた資金を、何に投資するか、どのように事態に対応するかを迅速に判断することが求められる。操作自体は非常にシンプルだが、トライ&エラーが求められる難易度と、苦境を乗り越えたときの達成感は本シリーズの持ち味となっている。
 

『Kingdom Two Crowns』

 
シリーズ最新作となる『Kingdom Eighties』は、今までの中世ファンタジー的世界観からガラリと変わって、アメリカ中部の田舎町が舞台となる。近年、海外ドラマなどで流行しつつある80’sの要素を大胆に取り入れたかたちだ。ティザー映像からは、シンセサイザーによる特徴的なBGMも確認できる。
 

 
本作の主人公は統治者ではなく、子供たちのグループとなる。移動手段も、馬から自転車に変わる。一方、彼らの町に迫りくる脅威となるのは、やはり神秘的な魔物であるグリードだ。故郷の町を、そして家族を守るため、子供たちは町の防衛に勤しむこととなる。

ゲームプレイについての詳細は明かされていないものの、シリーズ経験豊富なプレイヤーはもちろん、新規プレイヤーにも驚きをもたらす作品となるそうだ。80年代の思い出とともに、サプライズを届けてくれる作品になるという。
 

 
従来シリーズから、世界観を大きく変えた本作。ティザー動画のコメント欄には、中世ファンタジーを求めていたファンの声もちらほらと見受けられる。その一方で、好意的な意見も多く、特にサウンドトラックを期待する声は数多くみられた。サントラを熱望する新規ユーザーのコメントもあり、今回の路線変更は一部からは好評なようだ。

本作の開発を手がけるのは、クロアチアとスウェーデンを拠点とするFury Studios。同スタジオは、シリーズ前作品である『Kingdom Two Crowns』の開発にも参加している。同作は、Steamユーザーレビューにおいて、本稿執筆時点で1万234件中90%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得。シリーズの持ち味だけでなく、オンラインマルチプレイや、敵拠点に攻勢をかけるオフェンス要素といった、同作からの新要素もユーザーから好評を受けている。Fury Studiosが引き続き手がける『Kingdom Eighties』にも、『Kingdom』シリーズおよび前作の魅力は受け継がれていることだろう。マルチプレイの実装にも期待したい。

『Kingdom Eighties』はPC(Steam)向けに、2022年内に発売予定だ。