オープンワールドMMOFPS『PIONER』発表。ロシア発の野心あふれる殺伐ソ連サバイバルシューター


ロシアのデベロッパーGFA Gamesは5月20日、MMOサバイバルFPS『PIONER』のトレイラーを公開した。YouTube上の発表によれば、本作はQ4 2021からQ1 2022の間でのリリースを目指しているとのことだ。本作公式SNSアカウントがロシア語圏コミュニティ向けにおこなったQ&Aによれば、配信は独自ランチャーおよびSteam向けに、基本プレイ無料でおこなわれる予定とのことだ。 

なお、本記事で紹介するゲーム内容の多くは、約3年ほど前におこなわれた上記Q&Aにもとづいている。開発段階で変更がなされている可能性もあるため、注意されたい。 
 

 
『PIONER』は殺伐とした世界観の中で展開される、MMOサバイバル一人称視点シューターだ。開発元はロシアを拠点とするGFA Games。同スタジオは、2017年から本作の開発に取り組んでいる。「ロシア」そして「東欧発の一人称視点シューター」といえば、『S.T.A.L.K.E.R.』や『METRO』シリーズを思い浮かべる方も多いのではないだろうか。 
 

 
前述した2作には、「寂れた過酷な世界で戦い抜くシューター」という共通点がある。本作『PIONER』も、それらのタイトルと趣を同じくしているようだ。トレイラーでは、大災害に見舞われたかのような廃墟や、カスタム感溢れる銃器による銃撃戦などが確認できる。こういった世界観を好むシューターファンにとっては興味をそそる内容だ。 

また、ゲーム内の映像からは独特の要素も感じ取れる。廃墟と並んで見慣れない植物が立ち並んでおり、まるで異星のような印象だ。エイリアンのような生物、不可解なアノマリー(異常現象)といった存在も示されている。これらの要素がゲーム内でどういった役割を果たすのか、気になるところだ。 
 

 
ほかにもトレイラーの中では、戦場での銃器のカスタムやインベントリシステムの存在が示されている。武器やそのアタッチメントは自作できるとのことだ。その中にはアーティファクトやアノマリーの力を利用したものも存在するという。また、キャラクターの成長要素として通常のレベルシステムではなく、「Influence Levels」という概念が導入されているそうだ。キャラクターの攻撃力やスピードには直接影響を与えないものの、利用できる武器やクエストの幅などを拡張する要素の模様。 Influence Levelsはクエスト達成やアイテムトレード、密輸などによって上昇していくとのこと。 

また開発元は、本作には敵対勢力や怪物と戦うPvEのほかにも、ファクション(派閥)システムと関連するPvP要素もあると述べている。プレイヤー同士の戦闘については、「空白地帯(Empty Lands)」と呼ばれるPvP可能エリアのほか、専用の特別なアリーナでおこなえるそうだ。またプレイヤーが所属できる派閥は全4種類のうち2つとなっており、敵対する派閥やエンディングに関係するとのこと。 
 

 
くわえてユニークなのは、本作がMMOであるという点だ。公式SNSアカウント上のQ&Aでは、「クラシックなMMOや『Escape from Tarkov』のようなタイトルとは異なったものになる」と述べられている。実際にどういったシステムになるのか詳細は未知数だ。しかし、レイドやクラン拠点の構築、防衛といった要素は示唆されており、興味をそそる。 

記事冒頭のとおり、開発元のGFA Gamesはロシアを拠点としており、本作の情報発信もロシア語を中心におこなわれている。そのため、記事執筆現在において、本作に関するWeb上の日本語/英語の情報は極めて限られている。しかし本作Q&A上では、英語についてはサポートしていく予定だと述べられている。 

多国語展開の有無や、実際のサービス形態など、まだ不明瞭な点が多い『PIONER』。しかしながら、魅力的な要素を多く盛り込んだ本作は、同ジャンルのファンにとって気になる存在だろう。本作の今後の展開に期待したい。