中世MMORPG『Life is Feudal: MMO』サービス終了。スタジオが「自分たちの手に負えない理由により」開発を断念

 

インディースタジオのBitboxは12月18日、中世MMORPG『Life is Feudal: MMO』のサービスを終了することを発表した。資金面で提携していた企業から一方的に支払いがストップされ、開発中断を余儀なくされた状態だという。現地時間で2021年1月18日にサーバーがダウンする予定だ。
 

 
『Life is Feudal: MMO』は、2018年よりSteamにて早期アクセス配信されているMMORPGだ。プレイヤーは中世ヨーロッパの海に浮かぶ島「アベラ」へと辿りつき、過酷なサバイバルを生き抜くことになる。PvPやギルド同士の大規模な戦争のほか、農業・鍛冶といったクラフト要素も豊富。さらに城塞や村を作ることで、自身の領地を富み栄えさせることもできる。ほかのプレイヤーと関わりながら侵略・外交・諜報などの政治的な駆け引きをおこなうことも重要で、シビアな中世領主ライフをロールプレイすることが可能だ。早期アクセスタイトルだけあって、バグ発生やバランス調整不足が報告されレビューは賛否両論。シビアなゲーム性も客層を絞る一因となってきたが、逐次アップデートを続け3周年を迎えようとしていた。

開発者の報せによれば、今回資金提供を停止した企業は2016年より関係を結んでいる相手。当初同企業は、本作を取り扱うことではじめてゲームへの投資とパブリッシング事業に乗り出すはずだった。しかしこの企業によるPRやマーケティングは結果が奮わず、最終的にはBitboxがみずから広告代理店との提携などをおこなう羽目に陥っていたという。相手企業をどうにもできないと判断したBitboxは、パートナーの機能不全を放置したまま独自にマーケティング部門を設立し、運営を続けていた。

そのまま状況は停滞が続いていたが、最近になって相手企業から交渉が持ちかけられた。久々に先方からの提案があったものの、スタジオにとってリスクが大きい上に関心のもてる内容ではなかったため、出された提案を拒否。結果として関係が悪化し、ビジネス・法律・財政面でプレッシャーを受けることになったという。最終的にスタジオは『Life is Feudal: MMO』のサーバー代・GM給与・オンラインサポート・アップデートに必要な費用を賄えなくなり、開発中止へと追いやられた。法的措置に講じるための費用も確保できないため、ゲームの終了というかたちで幕引きを図ることとなったようだ。
 

 
2021年1月18日のサーバーダウンを前に、Bitboxはすでに準備を進めていたパッチを配信する予定だ。またGMチームは各プレイヤーの村・街・城・拠点にて空撮スクリーンショットの撮影を受け付ける。写真は、サイトギャラリーにて展示・保管される予定。初心者用の島「Illa-Newydd」や非PvPエリア「Godenland」は1月18日にアクセス不能となる。プレミアム通貨は、すでに所持している分については引き続きスキンやブースター購入に利用可能。ただし、新たに通貨を購入することはできなくなる。

プレミアムサブスクリプションに登録している人に関しては、Bitbox側ですべてキャンセル手続を進行しており、今週末までに全ユーザーが解約される予定。同時に、ゲーム閉鎖まですべてのプレイヤーが無料でプレミアム機能を使えるようになるという。返金については、決済サービスを代行しているXsollaより、過去45日間に行われたプレミアム通貨とサブスクリプション(11月1日以降に購入)の払い戻しがある予定だ。

サーバー停止までワールドを一掃する予定はないため、終了まで自身の作った城や村を楽しめる。アップデートについては、PvPに関する何らかの変更について後日告知があるようだ。PvPワールドルール違反に基づく禁止や警告は発行されなくなり、 可動オブジェクトを使用して敵の領土に入ることも可能となる。Judgement HourやHoly Judgement Hourについては、現在活動中のギルドのランクを1に設定予定。残り日数で活発な襲撃活動を楽しめるはずだとしている。
 

 
なおスタジオのシリーズ過去作である『Life is Feudal: Your Own』や『Life is Feudal: Forest Village』については本件の影響を受ける心配はないという。同時に、『Life is Feudal: MMO』が終了してからといってただちに『Life is Feudal: Your Own』のアップデートが追加されるとも限らないことが念押しされた。さらに、中国市場における『Life is Feudal: MMO』については、スタジオがパートナーシップを結んだTiancityよりリリースされるため、影響は受けないだろうとされている。未発売ではあるが、もしかしたら今後も本作を遊ぶ手段のひとつとなりうるかもしれない。また前回のユーザーからの質疑応答で上がっていた新しいエンジンについても開発は進んでおり、来年には何らかの報せがあるはずとのこと。

『Life is Feudal: MMO』は現地時間で2021年1月18日にサーバーダウン予定だ。