『GTA』のTake-Twoが、『DIRT』『F1』シリーズ開発元Codemastersを買収へ。2021年3月31日までに買収手続きが完了する見込み


パブリッシャーのTake-Two Interactive Softwareが、イギリスに拠点を置くデベロッパーCodemastersを、2021年第1四半期にも買収する見込みであることが明らかになった。両社の取締役会において合意に至ったことが投資家向けに説明されたとして、海外メディアGamesIndustry.bizが報じている。

Take-Twoは、『GTA』シリーズなどで知られるRockstar Gamesや、アクションゲームからスポーツゲームまで幅広く手がける2K、またインディゲームの販売をおこなうPrivate Divisionなどを傘下に持つ大手パブリッシャーだ。一方のCodemastersは、『DIRT』『F1』シリーズを中心としたレースゲーム開発に定評のあるデベロッパー。傘下には『Project CARS』シリーズのSlightly Mad Studiosを抱えている。直近のタイトルとしては、『DIRT 5』を今月発売したばかりである。

Take-TwoによるCodemastersの買収については、11月6日に初めて公にされた。Take-Twoは、Codemastersの発行済全株式を1株あたり485ペンス(約680円)にて取得する提案をおこなっていたことを表明。Codemastersの現在の時価総額が6億6298万英ポンド(約926億円)のところ、7億3919英ポンド(約1030億円)での買収を持ちかけたかたちだ。この時点では、買収提案の事実を認めた上で、協議は継続しているとしていた。

GamesIndustry.bizによると、その後両社は7億2600万英ポンド(約1010億円)での買収に合意。今後開催されるCodemastersの株主総会を経て、2021年3月31日までに手続きが完了する見込みだという。また、Take-Twoの傘下に入るにあたっては、CodemastersのCEO Frank Sagnier氏やCFOのRashid Varachia氏を含む経営陣はその職にとどまるとのこと。

Take-Twoは長い歴史の中で多様なゲームを手がけてきたが、レースゲームは意外に少なく、Codemastersを傘下に持つことがポートフォリオの拡大に寄与することは間違いないだろう。また、レースゲーム開発で培った技術は、『GTA』シリーズなど新たな姉妹スタジオのタイトルへの開発協力というかたちでも活かされる可能性がある。Take-TwoのCEO Strauss Zelnick氏は、Codemastersの加入は同社のスポーツゲームラインナップを補完し、ひいては同社の長期的な成長に繋がるだろうとコメントしている。


Codemastersの最新作である『DIRT 5』は、PC/PS4/Xbox One版が11月6日に発売され、本日11月10日にはXbox Series X|S版もリリース。11月12日にはPS5版も発売される。次回作についてはまだ明らかにされていないが、同スタジオはF1公式ゲーム開発の権利を2025年シーズンまで保有している。現時点ではまだ買収が確定したわけではないものの、『F1 2021』はTake-Twoの傘下スタジオとしてリリースされる可能性が高そうだ。