世界の外側の力を使うADV『ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。』Steam版が10月15日配信開始へ。ウィンドウの外を活用し、謎を解く

 

国内のゲーム開発会社・自転車創業は10月1日、『ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。(Out of Frame)』Steam版を10月15日に配信開始すると発表した。価格は1800円。配信開始からの1週間は10%オフのセールも予定されている。

『ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。』は、2012年にリリースされた変わった仕組みのADV作品である。本作の舞台は、解像度がVGA(640×480)からQVGA(320×240)に下がってしまった世界。この世界の王様は、解像度がVGAのまま世界が続いてくならそれでいいと思っていたのだが、このまま世界が縮小し続けた結果、消滅してしまう事態は避けたいと考えた。そこで、全自動勇者召喚システムを利用し、世界の外側から主人公を召喚。主人公は、解像度が下がってしまった原因を探り、事態の解決を目指して奮闘する。


ゲーム序盤、主人公はある目的から強い磁気を放っているものを探すことになる。城内や城下町など、いくつか訪問できる場所の選択肢が設けられており、それらを選択すると対応した場所へ足を運べるのだが、選択肢を選んでテキストを読んでいるだけでは、本作のストーリーは進行しない。物語を進めていく上で重要になるのが、主人公に備わった“世界の外側にある力”を借り受ける能力。より具体的に言えば、プレイヤーの何らかの操作である。解像度やセーブなど、ゲームらしいメタな用語の飛び出す会話からヒントを読み取り、操作方法を考え、プレイヤーがゲーム内に何らかの形で介入することで、ゲームが進行していく。ストアページには「読み進め、ウィンドウの外に目を向け、そこにある物を活用した時、謎が解け、物語は進みます」とも記されており、ノベルゲームらしからぬ攻略を考えるゲームプレイが用意されている。

密林書庫の司書・夏瀬トコ美や喋るカタツムリ、数万年前から存在するシンシアなど、癖のあるキャラクターたちも登場。キャラクターたちも含め、解像度の低い世界はドットで表現されており、作品の難易度も相まってレトロな雰囲気を持っている。決して万人向けではないものの、エッジの効いたゲームプレイが本作の特徴だろう。なおSteamストアページでは体験版も公開中。本編同様、起動ファイルをWindowsXP(Service Pack3)の互換モードに設定すると、プレイできる。

本作を開発したのは、国内のゲーム開発会社・自転車創業だ。同社は、白黒になってしまった世界に色彩を取り戻すADV『ロストカラーズ』や、くり返しの世界を舞台にしたADV『あの、素晴らしい  をもう一度』など、本作同様に特徴的なシステムを採用した作品を開発してきた会社。近年ではVR作品『 星の欠片の物語、ひとかけら版』をリリースしているほか、Steamでは『ロストカラーズ/再装版』も配信中だ。

『ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。』Steam版は、1800円で10月15日配信開始予定。リリースからの1週間はセールが予定されているほか、サウンドトラックも720円で配信される。