ローグライクRPG『不思議の幻想郷-ロータスラビリンスR-』、無印版を開発し直しリリース予定。老舗の東方ファンゲームがゼロからの再出発を目指す


同人ソフトサークルAQUASTYLEは9月28日、ダンジョン探索RPG『不思議の幻想郷 -ロータスラビリンス-』を再開発し新規作品『不思議の幻想郷-ロータスラビリンスR-』としてリリースすることを発表した。まずは今冬Steamにてリリースしたのち、2021年初春PlayStation 4/Nintendo Switchにて無印版の無料DLCとして配信することを目指すという。なお両ソフトにおけるセーブデータの引き継ぎは不可能となっている。

*無印版『不思議の幻想郷 -ロータスラビリンス-』ティザー映像


『不思議の幻想郷』シリーズは「東方Project」を題材としたファンゲームで、遊ぶたびにダンジョン構造やアイテムが変化するダンジョン探索RPG。ローグライク要素をベースとしつつ、自分・味方・敵が3フェイズごとに行動するスライスターンシステムや弾幕による遠距離攻撃・複数体同時攻撃など独自要素を採用。過去作『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』はPlayStation®Awards2017で「インディーズ&デベロッパー賞」を受賞するなど、高い評価を得てきた。

『不思議の幻想郷 -ロータスラビリンス-』はシリーズ10周年を記念する作品として2019年に発売。同人作品『みらくる超パーティー -早苗と天子の幻想迷宮-』をベースとしており、電脳世界を舞台に東風谷早苗・比那名居天子のダブル主人公で展開している。最大の特徴は大勢の仲間を率いる「超人数パーティー制システム」で、数十人のキャラクターを連れてダンジョンに挑むことができるダイナミックな仕様。また「超パーティー編成システム」でプレイヤーが率いるパーティーとは別の小隊をつくり、探索特化や戦闘特化の別働隊を稼働させることも可能だ。総じて大人数での攻略に主眼をおいた「わちゃわちゃ感」をフィーチャーした作品となっていた。


しかし発売当初から作品のクオリティには疑問の声が上がっていた。本編にはバグが散見され、「仲間が動かなくなる」「主人公の多段攻撃時の攻撃力デバフが味方にも適用される」といった不具合が報告されている。またストーリーのボリューム不足や、味方HUDが場所を取るがゆえのマップ視認性の悪さなども不満を招いていた。最大の特色である大人数パーティーについても、数の暴力ですべてが解決するためローグライク的魅力を削ぐ結果に。味方AIの精度の低さや各ユニットの無個性さなどもマイナスポイントとなったようだ。大きく変更が加えられた装備品システムの大味さも目立っている。

AQUASTYLEは発売前の生放送にて、バグや調整不足を認識していることを認めていた。その上でアップデートを重ねながら完成版を目指す旨を説明している。こうした公式からの告知はあったものの、「プロモーション映像で観られた要素が実装されていない」「クオリティ不足を認識していながら発売日当日に有料DLCをリリースする」といった対応が不誠実であるとして、ユーザーからの批判を集めていた。

*23:50〜上述の説明。


AQUASTYLEは一連の反応を受け、春ごろから『不思議の幻想郷 -ロータスラビリンス-』の次バージョンを制作開始。半年間開発を続けたものの、既存作品の延長ではファンの満足を得られる出来栄えには至らないと判断し、プロジェクトのリブートを決定したという。『不思議の幻想郷-ロータスラビリンスR-』はルール・操作性・ビジュアル・東方Project要素などほぼすべてに手を入れて作り直しになるという。その際、開発チームは『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』と同じ体制になるとのこと。また新規要素として、2019年リリースの『東方鬼形獣 〜 Wily Beast and Weakest Creature.』キャラクターも参戦が予定されている。

バランス調整の甘さが指摘された大人数パーティー制にも見直しが入り、「4チーム6人24名と変更され、敵チームとメンバーをぶつけ合って削り合う戦い」に変更されるとのこと。また視認性の悪さが指摘されたUIや画面も刷新し、まったく別のゲームになるという。AQUASTYLEは旧作へ不満を抱いていたユーザーに対し謝罪を述べており、「東方ゲームとして触れてワクワクすること」「自分たちが欲しい遊びを自分たちで作る」という開発理念を見直し、新たな作品として再始動する。


『不思議の幻想郷-ロータスラビリンスR-』は2020〜2021年冬にSteamにて配信予定。追ってPlayStation 4/Nintendo Switch版『不思議の幻想郷 -ロータスラビリンス-』の無料DLCとしてリリースされる。