フリーゲームコンテスト「第12回ウディコン」結果発表。個性豊かなゲームがずらり、上位2作品を紹介

 

個人開発者のSmokingWOLF氏は8月29日、「第12回WOLF RPGエディターコンテスト(以下、ウディコン)」の結果を発表した。ウディコンは、SmokingWOLF氏が開発したゲーム制作ツール「 WOLF RPGエディター(以下、ウディター)」で作られた作品を対象とした、毎年行われているフリーゲームコンテストである。第12回目では83作品が参加し、453名の投票者がいくつかの角度から合計5219作品を評価。独自の計算式によるポイントを元に、統合順位が発表された。本稿では、いずれもフリーゲームとして公開されている、統合順位の上位2作品を紹介しよう。


『怪異探偵委員会』は、茸沢しめじ氏が開発した、3人の少年少女がウワサを解き明かす青春怪異ADVである。主人公の片切捌(カタギリサバキ)は、勉強が好きな男子高校生。最近流行りつつあるオカルトのウワサを、存在するわけがないと否定していたのだが、お人好しな親友・頼城観音がウワサを解決しようと言い出し、怪異探偵委員会を2人で設立。脅迫状の届くこっくりさんや、赤と白の2択を迫られる花子さん、死んだ子供のために4つの魂を狙うシクイオニなど、流行りのウワサを調査することに。

白い髪の少女・刹那も加わり、調査内容を元にした論理で、3人は小さな怪異事件を解き明かしていく。怪異探偵委員会の日常は、章立てで進行。夏の終りにぴったりの、怪異を巡る一夏の青春が描かれる。公称プレイ時間は1時間30分。統合2位にくわえて、物語性でも2位を獲得しており、王道のきれいにまとまったシナリオなどが評価されたようだ。本作は、ふりーむ!にて最新版が公開されている。


『DAY:0』は、PANO氏が開発したコアディフェンスゲームだ。ゲームが始まると、コアを狙って敵が押し寄せてくる。コアのHPが尽きるとゲームオーバーなので、最大5体まで召喚できるユニットで敵の攻撃からコアを守りつつ、エンディングまでたどり着くことが本作の目的である。本作には、時間経過や敵の撃破で入手できる2種類のリソースがあり、次第に苛烈になる敵の攻撃に対して、リソースを使って地形の設置やユニットの召喚/アップグレードを実行。敵の攻撃には、近いユニットを狙うものと、方向指定のものなどがあり、配置やユニットの移動によって被害を抑え、敵を撃破していく。

また、12体のユニットには、デュフェンダー/ヒーラーなどのクラス、個別のパッシブ/アクティブスキルが設定されている。設置する地形やスペルも含めて、どういった編成で挑み、どうやって戦っていくのか、戦略も重要になってくるわけだ。複数の難易度や装備品のドロップによるランダム性も組み込まれており、攻略しがいのあるゲームプレイが本作の魅力だろう。プレイ時間の目安は、1プレイ30分程度。統合1位の本作は、熱中度3位、斬新さ2位、画像音声2位、その他で3位を獲得しており、クオリティの高さや戦術/戦略性のあるゲーム内容が評価されているようだ。最新版はふりーむ!にて公開されている。

なお、本稿では統合順位の上位作品を紹介したが、3文字で戦うノンフィールドRPG『ベビーシッター2XXX 』やビジュアルが高い評価を得た『THE CANDLE LIGHT 』など、他にも多数のユニークな作品が第12回ウディコンに登場している。部門別の評価も参考にしつつ作品をプレイしてみると、思わぬ出会いが待っているかもしれない。


なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。