ノスタルジックADV『梅雨の日』Steam版2020年Q2配信へ。少年として、祖母の家で過ごす優しさと空想の雨の1日

ノスタルジックADV『梅雨の日』Steam版2020年Q2配信へ。『梅雨の日』は個人開発者Inasa Fujio氏の短編作品。少年として、祖母の家で優しさと空想の雨の1日を過ごす。

個人開発者のInasa Fujio氏は5月27日、『梅雨の日(Rainy Season)』Steam版を2020年Q2に配信すると発表した。本情報は、インディーゲームを紹介する情報番組「Wholesome Direct – Indie Game Showcase 5.26.2020」内にて告知されたもの。以前からSteamのストアページは公開されていたが、今回の告知で配信時期が明らかになった。なお、『梅雨の日』は先行してHumble Bundle内のサブスクリプションサービスHumble Choice 5月分のExtraとして配信中だ。

『梅雨の日』は、祖母の家で過ごした素朴で不思議な雨の1日を描いた、ノスタルジックな短編ADVゲームである。舞台となるのは、2000年代の日本。主人公は、母、働いている姉、弟と一緒に祖母の家で過ごしている幼い少年だ。今日は、遊園地に行く約束の日。前日の夜、少年は遊園地に行くことを楽しみに眠ったのだが、朝になってみると外には雨が降っており、天井にはてるてる坊主がむなしく揺れていた。雨の中遊園地で遊ぶわけにもいかないので、当然遊園地行きも白紙に戻り、祖母の家で過ごす梅雨の1日が幕を開ける。

外は少年の心情を表したように絶え間なく雨が降り続いている。家の中には、お化けが住んでいるという開かずの間、日本人形と仏壇が不気味な和室、弟や祖母がくつろいでいるリビングなど、ちょっと不思議で懐かしい気持ちになるようなロケーションがあり、自由に探索可能。家の中にある一部のオブジェクトは調べることもでき、傘を手にとって外へ出てみたり、カメラを手にとってファインダーを覗き込んだり、思い出を手に空想の世界へ旅立ったりもできる。

少年の視点から描かれる世界には、不思議な幻想とちょっとした恐怖、ノスタルジーが溢れており、プレイヤーを祖父母の家で過ごした在りし日へ立ち返らせるだろう。梅雨の日の長さは、ゲーム開始時に20分/40分/60分から選択。時間経過と共にお昼ごはんやおやつに呼ばれたり、日常の中のささいな選択肢も登場して、時間や選択によって少しだけ世界が変化する。また本作の世界は、世界観同様に優しいグラフィックとサウンドによって描かれており、少年として過ごす梅雨の日に没頭できる。

開発者のInasa Fujio氏は、趣味でゲームを作っているイラスト専門大学の3年生。『梅雨の日』以外に、本作よりも以前に発表された、郵便局員として日本の田舎を探検するADVゲーム『Inaka Project』を開発している。また、本作のサウンドは渡邉紘STRINGSが担当しており、オリジナルサウンドトラックが各配信サイトで配信中だ。『梅雨の日』は日本語に対応し、Steamにて2020年Q2に配信予定となっている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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