鍵屋「G2A」で販売されているキーには、やはり不正購入されたものが存在していた。G2Aは被害メーカーに補償金を支払う

ゲームのプロダクトキーなどを売買できるマーケットプレイスを運営するG2Aは5月20日、『Factorio』のキーに関する調査結果を発表。その中で、不正購入されたキーがG2A Marketplaceにて販売されていたこと、そしてその補償金を開発元のWube Softwareに支払ったことを明かした。

G2Aは昨年、同社の悪評を払拭すべく、ゲーム会社にオファーを提示していた。そのオファーとは、盗難クレジットカードにて不正購入されたキーがG2A Marketplaceを通じて転売されたと判明した場合、G2Aはクレジットカード会社のチャージバック(支払い取り消し)によってメーカーが被った被害額の10倍をそのメーカーに支払うというもの。G2Aではこうした不正なキーが売買されているとかねてから指摘されており、特にインディーデベロッパーを中心に、G2Aはグレーなマーケットであると批判する向きも多い。そこでG2Aは施策のひとつとして、2019年7月にこの補償案を提示していた。

スポンサーリンク

Wube SoftwareもまたG2Aに不信感を持つスタジオのひとつだったが、G2Aの補償案に対しては応じても良いという考えを当時示していた。同スタジオは『Factorio』をリリースした2016年に、盗難クレジットカードによるSteamキーの不正購入被害にあい、チャージバックにより約6600ドルを支払っていたという(関連記事)。

G2Aの内部調査によると、Wube Softwareから情報提供された321本の不正キーのうち、198本がG2A Marketplaceにて販売されていたことを確認したとのこと。ちなみに、当初は外部の監査会社を入れて調査してもらうという話だったが、今回は適当な会社が見つからなかったため内部調査をおこなったとしている。

そして補償案にて約束したとおり、この198本分のチャージバックにかかった費用の10倍の金額をWube Softwareに支払うことで両社は合意したそうだ。Wube Softwareは、チャージバックにて1本あたり平均20ドルを支払ったとしていたため、G2Aから3万9600ドル(約426万円)程度を受け取る計算になりそうだ。

『Factorio』


今回の件では、メーカーからの申請とG2Aの内部調査によって、少なくとも『Factorio』については、不正購入されたキーがG2A Marketplaceにて実際に流通していたことが明確にされた。一方で、G2Aは被害額の10倍をメーカーに支払うという気前の良いオファーを提示したにも関わらず、申請があったのはこのWube Softwareのみだったとされている点も興味深い。

スポンサーリンク

G2Aをめぐっては、パブリッシャーNo More Robotsの代表Mike Rose氏が自社タイトルについて「G2Aで買うぐらいなら違法ダウンロードして遊んでくれ」と呼びかけたことが大きな話題となった(関連記事)。G2Aでゲームが購入されてもメーカーには一銭も入らず、そればかりか不正購入されたキーや、悪意ある出品者によるSteamギフトが無効化された場合、その購入者へのサポート対応に追われることになるというのが、Rose氏をはじめとしたメーカー側の不満となっている。また、Steamギフトを用いた詐欺的な販売行為への対策も進まないと訴えている(関連記事)。

こうした批判を受けて、G2Aは今回のオファーを含めいくつかの対策を提示してきた。中には効果的であろうと一定の評価を得た仕組みもあったが、基本的にメーカーの協力を必要としており、出所のはっきりしないキーの購入者を守るのはG2Aの仕事だろうと反発を受ける結果に。グレーマーケットに協力する気はないと突き放す意見もあり、関わりを持ちたくないというメーカーがほとんどだったのかもしれない。

G2Aに批判的なデベロッパーRami Ismail氏も、今回の件を受けてあらためてコメント。G2Aがもたらした被害に対し、同社は自らおこなった調査の末に、販売された不正キーから得た利益の中から補償をおこなったと皮肉たっぷりである。なお、内部調査についてはWube Software側の了承を得た上でおこなったとされている。

では、当事者となったWube Softwareはというと、今回の補償対応については満足できる結果だったとのこと。調査は長期間にわたり、何の進展も見られない時期もあったものの、G2Aがどのように約束を履行するのか見守っていたという。そして最終的に、G2Aからは該当するキーの販売情報の詳細を提示されたそうで、偽装はされていないだろうとの感触も持ったとしている。一方で、長期間の調査や事務的な手間を考えると、被害額の10倍を支払ってくれるという前提がなければ、G2Aにコンタクトは取っていなかっただろうとも述べている(GamesIndustry.biz)。

G2Aは今回の報告の最後にて、業界内における詐欺的な販売行為の深刻さについては、デベロッパーコミュニティと想いを共有している旨をコメント。そして今後は、G2A Marketplaceにて販売されたキーにてチャージバック被害を受けた場合、メーカーがそれを証明できれば全額補償するとのこと。ただ、批判的な見方を持つデベロッパーの考えを変えるまでには至っていないようで、同社はさらなる取り組みを模索していくことになりそうだ。

ニュース

Indie Pick

インタビュー

レビュー・インプレ

Devlog