特許権侵害で任天堂を訴え“連敗中”の周辺機器メーカー、別の特許でふたたび権利侵害の申し立てチャレンジ


アメリカのゲーム周辺機器メーカーGameviceが、任天堂に対してふたたび特許権の侵害を訴えているようだ。海外メディアBloomberg Lawが報じている。

Gameviceは、スマートフォン/タブレット用のゲームコントローラーを手がけているメーカーで、左右に分割されたコントローラーでスマホを挟み込むスタイルが製品の共通した特徴となっている。同社は、そうしたコントローラーのアイデアについて特許を取得。Nintendo SwitchのJoy-Conはこれを侵害しているとして、2017年に任天堂および米国任天堂を相手取り米国連邦地方裁判所にて提訴していた。しかし、その後自ら訴えを取り下げ、2018年になって米国際貿易委員会(ITC)に場所を移して申し立てをおこなうも、調査がおこなわれた結果棄却。さらに特許公判審判部(PTAB)に上訴したが、2020年3月にこちらも棄却されている(関連記事)。

*Gameviceの新製品はRazerとのコラボレーション。

Bloomberg Lawによると、GameviceはPTABにて訴えを退けられた直後の3月27日に、ふたたびITCに特許権侵害を申し立てたという。ただし、根拠となる特許はまた別のもので、昨年8月に登録されたものだとしている。詳細は不明だが、Gameviceはコントローラーのアイデアについて複数の特許を申請・登録しており、その内のひとつを指しているのだろう。そして同社は、任天堂に対して限定排除命令および停止命令を発行し、Nintendo Switchの米国内への輸入を差し止めるようITCに求めている。

現時点では、こうした申し立てを受け取ったとITCが公表したという段階。これから調査がおこなわれ何らかの結果を見るまでには、またしばらく時間がかかるものと思われる。これまでの経緯を振り返ると、Gameviceの任天堂に対する一連の訴えは連戦連敗。それでも執念深く食い下がるのは、今回根拠として示したという新たな特許に自信があるのか、あるいは何か別の思惑があるのかもしれない。なおGameviceと任天堂は、本件および過去のケースについては、どちらも公には一切反応を示していない。


国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。