格闘系デッキビルディングゲーム『Fights in Tight Spaces』発表。完璧な戦略とアクション美学で魅せるエージェントとなれ

 

パブリッシャーのMode 7は3月16日、『Fights in Tight Spaces』を発表した。黒と赤のコントラストが目をひく本作は、手持ちのカードを組み合わせて華麗に敵を制圧するターン制ストラテジーだ。手がけるのはイギリス・ブリストルに拠点を置くインディースタジオGround Shatterで、リリース予定は2020年夏ごろ(2020年第3四半期)。対応プラットフォームはPC(Steam)だ。

舞台となるのは、通信解析によりスパイ活動の大部分が制御される時代。不幸にも通信の外側でアナリストたちの手に負えない犯罪組織が現れたとき、「セクション・イレブン」と呼ばれる組織が立ち上がる。エージェントである主人公は脅威に対するもっとも直接的な解決——すなわち、犯罪者どもの顔面を叩きのめすために現場へ向かう。

本作の特徴は、ターン制ストラテジーとデッキビルディングを組み合わせたシステムだ。ステージとなるのはごく少ないマス数のグリッドで区切られた小部屋。この中でプレイヤーは、狭い空間を最大限に活用しながら敵を仕留めなくてはならない。このとき武器となるのが手元にある数枚のカードだ。それぞれに「ダッシュ」「投げナイフ」「ジャンプキック」などの行動が記されており、手札を1枚使うことでそれに応じたアクションをとることが可能。ただしカードごとに必要な消費エネルギーが決まっているため、残り体力とのバランスをとりながら出方を決めることが重要だ。

また、いかにエネミーと自分の配置をうまく操るかもポイント。強力なアクションにはマスの移動が伴うこともある。攻めにかまけて位置取りを見誤ると、敵と接近しすぎたり囲まれたりするおそれがあるのだ。逆にうまくポジショニングを読んで立ち回れば事は有利に運ぶ。たとえば敵を机のそばに誘い出して「テイクダウン」を使えば、相手の顔面をカドに叩きつけてより多くのダメージを与えることができる。さらに、銃を放とうとしている敵の前に他の仲間を「突き飛ばす」アクションをとれば、自らの手を汚さずに仕留めることも可能だ。自らの手札・体力・敵の配置と行動など、与えられたすべての情報を計算したうえで最善の一手を導き出すことが肝要となる。

エージェントの仕事は敵を打ち倒すだけではない。ときには要人のボディガード任務にあたることもある。こうしたステージでは主人公と敵のほか、VIPと呼ばれるキャラクターが登場。彼らは無力で、周囲の危害に対して反撃することはおろか自ら移動することもできない。プレイヤーは「ブロック」「押しのける」などのアクションをうまく使いながらターゲットを守りぬくことが要求される。計算すべき因数が増えることで、まったく異なる試合運びを味わえるだろう。

ステージをクリアすると新たなカードを入手して手持ちに加えることが可能。用意されたアクションは150種類におよび、プレイスタイルに応じたデッキを構築することができる。カードはゲーム内の資本を使って購入することもでき、戦略の可能性が広がりそうだ。ほかランダムイベントによってエージェントに恒久的な強化が付与されたり、逆にけがを負って一時的なデバフをかけられたりする要素もあるとのこと。

リードゲームデザイナーのJames Palmer氏はYouTubeのGameSpot Gameplayチャンネルに解説プレイ動画をアップし、今後の予定について「新たな敵・場所・能力や、ハイリスク・ハイリターンなイベントなど、向こう数か月でさらに多くの要素を明かす予定です」と述べた。多くの映画を下敷きとし、ミニマルかつ暴力的なアクション美学を究めた『Fights in Tight Spaces』。考えぬいた作戦の果てに美しいキルムーブで相手を打ち倒す快感は、映画ファンにもストラテジーファンにも替えがたい報酬となるはずだ。