須田剛一氏とSWERY氏が新作ゲーム制作にむけて企画会議。Devolver Digitalを巻き込み、なにやらおかしな方向に

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グラスホッパー・マニファクチュアの代表・須田剛一氏は10月23日、PS4/Steam向け『Travis Strikes Again: No More Heroes Complete Edition』の発売を記念したイベント「トラヴィス・マンデー・ナイトロ2」を渋谷ロフト9にて開催した。イベントではもちろん同作の紹介がおこなわれたのだが、二部構成の前半にはゲストとしてSWERYこと末弘秀孝氏が登場。須田氏とSWERY氏による極秘プロジェクトがここから始動すると予告されていたため、国内外から注目を集めていた。

須田剛一氏(画像左)とSWERY氏(画像右) Image Credit: IGN Japan

須田氏は『NO MORE HEROES』シリーズのほか、『killer7』や『LET IT DIE』などの作品を手がけたことで知られ、今年6月には『ノーモア☆ヒーローズ3』を発表した。一方のSWERY氏は、『レッドシーズプロファイル(Deadly Premonition)』や『D4: Dark Dreams Don’t Die』などのほか、White Owls設立後に『The MISSING – J.J.マクフィールドと追憶島 -』をリリース。現在は『The Good Life』や『Deadly Premonition 2: A Blessing in Disguise』を開発中だ。両氏共にカルト的人気作を手がけた個性的なクリエイターとして、国内だけでなく海外からの人気も高い。

須田氏とSWERY氏には、かつてPS VR向けの企画として「食」をテーマにコラボ作品を開発するという話が持ち上がったものの、“先方の都合でポシャって”しまったという。しかし、せっかくなので一緒に何かをやろうという話を昨年からしていたとのこと。とはいうものの、両氏共に企画書を書くと言いながら忙しくて書けないという状態が続いたため、今回のイベントにて企画を考えることにしたそうだ。

*IGN Japanがイベントの模様を生配信した。

まだ何も決まっていない状態の両氏の極秘プロジェクトだが、「ホラーゲーム」にするということは固まっているという、須田氏の力強くもふわっとした言葉から“企画会議”は進んでいった。一言にホラーゲームといってもさまざまな方向性が考えられるが、その前に須田氏は『ホテル・バルセロナ』というタイトル案を提示。またSWERY氏からは、インディーゲームっぽい規模感を目指していることも述べられた。

予算の上限は1億円とのこと。なぜ1億円かというと、パブリッシャーのDevolver Digitalからそう提示されたとしている。ただ、同社はこのプロジェクトについて「ハハッ、初耳なんだけど」とツイートしており、同社と懇意にしている須田氏が強引に巻き込もうとした可能性がありそうだ。ちなみに、1億円の予算をかけたゲームを販売した経験があるのかファンに問われた同社は、『Minit』の開発費が8億円だったことを明かしている。ただし真偽は不明。

ホラーゲームとしての方向性についてSWERY氏は、デヴィッド・リンチ監督の映画作品や「ツイン・ピークス」を例に、(典型的な)ホラーというより、プレイヤーに不安感を与え続けるようなものを作りたいとコメント。須田氏はこれに同意した上で、後半になって突然スプラッター系になるのもアリだなと述べる。

映画「来る」に感化された須田氏、ホテル・バルセロナの最上階のスイートルームには、同映画で最強の霊媒師を演じた松たか子さん泊まっているとコメント。シールを集めるとお皿をくれるらしい。

タイトルに『ホテル・バルセロナ』と付けたことから、ゲームの舞台はホテル内に限定する方向に。ただし、必ずしもバルセロナに存在するホテルではないとのこと。また、須田氏はホラーゲーム『SIREN』のファンだそうで、主人公以外の時間軸も表現されている同作の仕組みを、ホテルの各客室のキャラクターに取り入れることを本気で考えていると述べる。

登場人物であるホテルの住人については、人種がバラバラであることを前提に、一般からデザインを公募するというアイデアが須田氏から出された。一方SWERY氏は、かねてから「死ぬほど悪いヤツ」を作りたいと考えていたという。損得も悪になった理由もなく、生まれながらにただただ悪いキャラクターである。また須田氏は、ホテルには客と従業員に加え、次々と殺人を犯すキャラクターもおり、誰が犯人であるのか分からないようなサスペンスホラーの要素や畏怖なる存在を取り入れたいとのこと。

*須田氏の新作『Travis Strikes Again: No More Heroes Complete Edition』はPS4/Steamにて販売中。

ゲームの骨格が見えてきたところで、SWERY氏から一番大事なゲームシステムは「横スクロール」であると発表。これに須田氏は「なんか楽しそう。あとインディーっぽい」と述べる。UIについては、これまでさまざまなこだわりを見せてきた須田氏から、ゲーム画面の外にさまざまなの情報を出す、テレビのdボタンのようなアイデアが出た。ここには事件に関わる情報が表示される場合もあり、時間軸のシステムに適しているとも。

須田氏は本作ではゲストクリエイターを呼びたいとし、『SIREN』を手がけたSIEの外山圭一郎氏を提案。SWERY氏も面識があり、会場からメッセージを送ると「全然大丈夫です」との返信があり、早速コラボが決定した(?)。またSWERY氏によると、『Celeste』や『Minit』など数々のインディーゲームの楽曲を手がけるJukio Kallio氏も、このプロジェクトに関心を持っているという。

最後に、本作の対応プラットフォームについてSWERY氏は、新たにハードを買わずとも手軽に入手できるゲームにしたいという理由からスマートフォンを提案し、またApple ArcadeやStadiaなどの可能性にも言及していた。

今回のイベントは、冗談や脱線を交えながら終始笑いの絶えない様子だったが、『ホテル・バルセロナ』プロジェクトについてSWERY氏は「真面目に考えております」と述べて会場を去った。両氏は、10月30日からカナダで開催される業界関係者向けイベントReboot Develop Red 2019を訪れる予定で、同じく出席するDevolver Digitalのアポを取っているとのこと。そこで本作のロゴとコンセプトアートと共に、今回の企画会議の内容を伝えて交渉するという。同社も話を聞く用意があるようで、時間と場所を指定してくれとツイートしている。須田氏とSWERY氏のコラボ作品が、いつか実現することを期待したい。

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