英労働組合の責任者を務めるゲーム開発者、所属する『モニュメントバレー』のスタジオを解雇される。組合は怒りの法的措置へ

英国独立労組IWGBとグループ組織の英ゲーム労働組合Game Workers Uniteは10月3日、『モニュメントバレー』などを手がけたゲームスタジオUstwoに対し法的手段をとることを検討していると発表した。Ustwoは、同スタジオに所属していたGame Workers Uniteの委員長であるシニアプログラマーAustin Kelmore氏を、2019年10月をもって解雇する。後述するように、労働組合との問題に関連付いた解雇は、労働組合法など英国の法律に違反しているとし、IWGBは現地時間10月4日までに氏の解雇を取り消すよう求めている。

Austin Kelmore氏は、アメリカ出身のゲームクリエイター。PopCapなどにかつて在籍し、『Plants vs Zombies』といった作品に関わってきた。その後渡英し、Ustwoに加入したベテランプログラマーである。氏は9月前半にUstwoのシニアマネージャーより労働組合の活動について質問され、同月には従業員らを労働における権利の議論会に招待した。その後、9月後半には休暇(Gardening Leave)および退職通告を受けたとのこと。

Ustwoは、イギリスのロンドンに拠点を構えるスタジオ。『モニュメントバレー』『モニュメントバレー2』などを手がけたスタジオで、ゲームスタジオではなくデザイナースタジオと称されることもある。Apple Arcade向けには新作『Assemble With Care』をリリース。Kelmore氏は同作にはコアプログラマーとして携わっていた。

IWGBが入手した内部情報によると、Ustwoの幹部はKelmore氏が多様性についてのプログラムの考案や環境改善、社内のフィードバックなどに時間を費やしてきたことを、問題視していたという。また氏が過去の経験を活かし、社内の労働者の代表者として振る舞っていたことに幹部が嫌悪感を抱いていたという旨が、内部入手したメールには記されているという。

IWGBは、Ustwoは自社をファミリー的な会社と自称しながら、氏を孤立させたことを厳しく批判。実績ある氏への扱いは、明らかに組合に関連した不当なものであると言及。またKelmore氏にとって、今回の解雇通告は本人だけの問題ではなく、UKビザにも関わるということで、氏の家族の英国での滞在もリスクに晒されるものであるとし、その姿勢に強く疑問を呈している。

一方UstwoはTwitterにて団体の糾弾に対し反論。Kelmore氏が会社を離れることは事実だが、それは労働組合の問題とは無関係だと断定。社内にはほかにも労働組合に加入しているスタッフがおり、彼らを尊重しているとも。IWGBの糾弾は不正確かつ内容が省略されており、ミスリードであるとコメントしている。

またこのUstwoの反論について、IWGBはKotakuを通じて声明を出している。スタジオの反論は明らかに馬鹿げており、自分たちの主張は真実である、そうでなければ糾弾していないとコメント。Ustwoが“不正確”“かつ“省略されている”箇所を具体的に指摘してないことを疑問に想っているようだ。現地時間10月4日までに解雇通告を取り消さなければ法的措置をとると通告しているIWGBであるが、この様相を見ると、戦いの舞台が法廷に移ることになりそうだ。

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