『UNI』新作『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[cl-r]』発表。氷を操る新キャラクター「ロンドレキア」が参戦。大量のバランス調整も

 

アークシステムワークスは8月4日、フランスパンが開発をおこなう『UNDER NIGHT IN-BIRTH』(UNI)シリーズの最新作『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[cl-r]』(アンダーナイトインヴァース エクセレイト クレア)を発表した。2015年に稼動を開始した現行バージョン『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[st]』(UNIst)の待望の続編は、世界最大の格闘ゲームイベントEvolution Championship Series(EVO)2019の『UNI』トーナメント後、その壇上にて初のお披露目となった。新キャラクターとして氷を操って戦う「ロンドレキア」が参戦し、さらに現行バージョンから大幅なバランス調整がなされているという。『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[cl-r]』は2020年初頭に発売予定だ。

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『UNDER NIGHT IN-BIRTH』シリーズは、『MELTY BLOOD』シリーズなどで知られるフランスパンが開発する、完全オリジナルの2D格闘ゲーム。超常能力EXS<イグジス>に目覚めた少年少女をめぐる伝奇ライトノベル風の世界観、HD解像度で描かれた緻密なドットグラフィック、本作独自の「グラインドグリッド」システムを巡る独特な駆け引きが特徴だ。シリーズ全体では稼動から7年近く経つタイトルだが、コミュニティの盛り上がりによって今年のEVOメイン種目に初めて選出され大きな話題を集めた(参考記事)。

EVO2019公式配信のスクリーンショットより

『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[cl-r]』(以下UNIclr)に参戦するロンドレキアは、オリエやワーグナーの所属する「光輪(リヒトクライス)」と因縁を持つ組織「聖盾(リッターシルト)」の優秀な騎士であり、杖を得物に氷を操って戦うキャラクターになるという。すでに『UNIst』家庭用版のストーリーモード「クロニクル」で顔を見せていた人物であり、満を持しての登場となった。相手を凍らせたり、スケートのように画面を動きまわるなど、設定通り氷をフィーチャーした性能になっているそうだ。また、PVを見る限りノーゲージで打てる無敵技も持っており、初心者でも触り易いキャラクターになっているとのこと。あまりストーリーが先に進んでこなかった本シリーズだが、『UNIclr』はストーリーも「クライマックスへ向かう」と告知されており、謎多き顕現(イグジス)をめぐる物語にロンドレキアがどう関わってくるかも気になるところだ。

EVO2019公式配信のスクリーンショットより

また、『UNIclr』は大幅なバランスの「リファイン」がされているそうで、『UNI』のゲームプランナー・デザイナーを務めるフランスパンの芹沢鴨音氏によれば、調整箇所は1000箇所以上になるという。PVでも既存キャラクターにさまざまな新技が追加されているのが確認できる。「Exe:Late」のタイトルこそ変わらなかったが、対戦環境は大きく変化することだろう。

発売は2020年初頭の予定となっており、対応プラットフォームは現在のところ不明。これまでのシリーズは、初出はアーケード、その後コンソール向け家庭用が発売されるという流れだったが、『UNIclr』のPVに使われている動画では家庭用のバーサスモードと同様の表示が確認できる。現行の『UNIst』は、北米版家庭用の発売を期にアーケード版がプレイしづらい海外で人気が爆発したということもあり、家庭用版も同時に発売される可能性もあるだろう。

『UNIclr』の発表はサプライズで、突然の新情報にEVOの会場は大盛り上がり。しかしもちろん、その前に行われたEVO2019『UNI』トーナメントも非常に大きな盛り上がりを見せていた。グランドファイナルで戦うことになったのは、アーケードRIPで圧倒的な全一スコアを持つ関東のセト使い奥州筆頭氏と、海外大会へもしばしば出場し、日本のWell Played社からスポンサー協力を受けている関西のビャクヤプレイヤーらんぽ(clearlamp_o)氏。GRDをめぐる高度すぎる駆け引きと徹底的な対策の応酬の結果、らんぽ氏が優勝を飾ることとなった。

日本勢同士のグランドファイナルとなったが、両者を熱狂的に応援する会場の様子に、海外UNI勢の熱量の高さが表れているようだった。また、リーチが短く決して強キャラとは言えないミカが、ベスト8に2人(ネジ氏、りべきち氏)残るという熱い展開も。会場は大興奮で、「Mika-Chan」コールが何度も沸き起こっていた。『UNIclr』の発表は、『UNI』の勢いをさらに加速させていくことになるだろう。