欧州委員会が、Steamにおいてユーザーに購入制限を課す「地域ブロック」が欧州にて独占禁止法違反であるとの見解示す

欧州連合の執行機関である欧州委員会は4月5日、プラットフォームSteamにおいてValveおよび5社が展開する、地域間における購入制限施策が、欧州で独占禁止法違反にあたるという見解を示した。5社というのは、バンダイナムコ、カプコン、Focus Home、Koch Media、そしてZeniMaxである。

同委員会の最高責任者であるMargrethe Vestager氏は、デジタルマーケットにおいて欧州在住の消費者は、欧州のどの地域に住んでいたとしても、自由にゲームを買い遊ぶ権利を持つべきだと主張。消費者が(欧州加盟国間で)ベストな買い物をすることを妨げる行為を憂慮していると声明を出した。

委員会が調査をした上で出した見解としては、これらの会社はValveと「居住国」以外で購入および使用できるキーを防ぐ契約を結んでいたという。対象となる国は、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、スロバキア(時にルーマニア含む)。この地域ブロックとも形容できる施策は、欧州の独占禁止法に違反しているそうだ。地域ブロックがなければ、居住国以外のEU加盟国でより安くゲームを買うことができたのではないかと指摘している。またカプコンを除く4社は、Valve以外の流通業者と契約上の輸出制限を含めたことで、こちらも独占禁止法を破ったとされている。

欧州委員会は2017年2月から、Valveおよび前出の5社を対象に独占禁止法にまつわる契約違反を調査していることを公表していた。今回の声明もあくまで「見解表明」である。委員会は今回見解を表明し、各社の反論を待つそうだ。最終的にこれらの違反が確定されれば、最大で年間売上高の10%の罰金がなされるとPC Gamerは伝えている。

そしてValveはプレスリリースを通じて、この声明に早速反論した(SteamDB)。Valveはあくまで無料でキーを提供しているだけの立場であるといい、キーの売買についてはなんら利益を受け取っていないとコメント。あくまでキーの売買は業者がおこなっているものであるとしている。Valveとしてはパブリッシャーに要求されて、無料でキーを提供しているだけであるという姿勢をとっている。

ただし、地域ブロックについては実際にしていたことを認めている。Valveがすべてのゲームのおよそ3%のみが地域ブロックの対象になっていた。そして、プラットフォーム側がそこまでする責任はないものの、当時の方欧州委員会の要請に応じ、2015年から各地の地域ブロックを解除するように務めたとコメント。一方で地域ブロック(リージョンロック)を解除してしまえば、パブリッシャーは裕福でない地域での価格の引き上げをすることになるだろうとの見解を示した。

Rock Paper Shotgunはこの反論を「地域ブロックはしていた。しかし法律は自分たちに適用されない。そして地域ブロックをしていたことは、それほど大事ではない(Yes, we did that, no, that law doesn’t apply to us and it wasn’t a big deal anyway)」と要約している。海外メディアもValveの主張をどう解釈すればいいか把握しきれず、戸惑っているようだ。欧州委員会の主張について真っ向に反論するのではなく、キーによる利益は得ていないことや地域ブロックについて対策を講じてきたこと、そして地域ブロックのビジネス上の必要性を説いたと解釈できそうだ。

あくまで見解の段階であり、欧州のみを限定した議論である。ただし、“おま国”や“おま値“と呼ばれるリージョンロックおよびリージョンプライスアップがグローバルに問題提起され、議論にあがることが重要だろう。Valveが、オフィシャルにこうした訴えについて反応した点も見逃せない。ただ欧州委員会は、今回の問題を慎重に議論していることから、今すぐ何か変更が起こるということはないだろう。Valveおよび5社が地域ブロックの問題について、今後どのように対応していくかに注目が集まりそうだ。

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