伝染病で世界を滅ぼすゲーム『Plague Inc.』に「ワクチン反対派」が登場するシナリオ導入へ。感染を強化する要素として登場

 

ゲームスタジオNdemic Creationsは、配信中のシミュレーションゲーム『Plague Inc.』に、「ワクチン反対派(anti-vaxxers)」が登場するシナリオを導入すると発表した。これをTheGamerなどが取り上げており、海外で話題となっている。

同作をめぐっては、「ワクチン反対派を、バフ(buff)要素として導入してくれ」というキャンペーンが署名サイトChange.orgに登場していた。開発元であるNdemic Creationsはこの署名の反応し、署名が1万まで到達すればワクチン反対派が登場するシナリオを追加すると告知。それから署名は伸び続け、2日かからずして1万人を突破。28日10時現在は2万人を突破している。開発元はこれを受け、ワクチン反対派シナリオを追加する意向を正式に表明した。

『Plague Inc.』は2012年に発売されたシミュレーションゲーム。iOS/Android向けに配信されているほか、PC向けには『Plague Inc: Evolved』として販売されている。プレイヤーは危険な病原体を作り出し、世界を滅亡させることを目指す。伝染病のタイプや感染国を選び、惨事を引き起こす。こっそりと感染を進めたり、病原体を進化させたり特性を変化させたりと、頭をひねらせながら全人類の感染を果たすのだ。

『Plague Inc.』をプレイする上で、立ちはだかるのはCure(ワクチンもしくは特効薬)。人々に病原体が認識されると、ワクチンの開発が始まる。研究が完了されてしまうと、病原体は死滅を余儀なくされる。ゲーム内には、さまざまなシチュエーションのシナリオが存在しており、異なる状況でプレイ可能。今回の新要素導入においては、ゲームにおける天敵とも言えるワクチンに反対する存在が現れるという、少々変わった展開が用意されることになる。ワクチンに反対する存在は、伝染病の感染を助ける要素になるようだ。はたして、このシナリオではどのような展開が用意されているのだろうか。

『Plague Inc.』はテーマこそ少々過激な作品であるが、その根底には安全や衛生管理への注意喚起のメッセージを含んでいる。実際に、開発元は肺線維症の支援機関と手を結んだりと社会活動もおこなっている(Game Informer)。ワクチン反対派のシナリオを導入すると決断したことは、署名活動の影響が大きいとは思われるが、昨今のワクチン議論に対するスタジオなりのメッセージなのかもしれない。なおNdemic Creationsは新作である『Rebel Inc.』を昨年iOS向けにリリース。こちらは、民間と軍事の優先事項のバランスをとりつつ国を安定させ、反乱を防ぐというシミュレーションゲームとなっている。テーマは異なるものの、引き続きユニークなテーマとゲームプレイが展開されているので、気になる方はチェックしておこう。