『SCUM』3か月間の短期ロードマップ公開。チュートリアルやミッションの実装、メタボリズムシステムの見直しなどを予定

 

Devolver Digitalは2月19日、Steamにて早期アクセス販売中のハードコア・サバイバルゲーム『SCUM』の短期ロードマップを公開した。同作のSteamコミュニティページには、実装済みのコンテンツと実装予定のコンテンツを列挙した早期アクセス・ロードマップが以前から公開されているが、具体的なスケジュールが記載されたものではない。一方で今回の短期ロードマップは、今後3か月の間に実装予定のコンテンツが紹介されている。

本作は架空のリアリティショー「SCUM」に出演しているという設定のもと、終身刑の囚人として監獄島にてサバイバル生活をおこなうハードコア・サバイバルゲーム。シングルプレイのほか、最大64人でのマルチプレイにも対応。ただ空腹を管理するだけでなく各種ビタミンやミネラルの摂取バランスまでモニタリング可能であったり、体重の増減、体温、心拍数、排泄行為など細かい身体管理ができたりと、リアリズムをとことん追及していることで注目を集めた。同時接続プレイヤー数はピーク時で5万人超え。2018年8月の早期アクセス配信開始から約3週間で100万セールスを達成し、Steamの2018年ベストセラーリストではシルバーメダルを獲得している。その後もパフォーマンス改善、バグ修正、新武器・ロケーション・楽器の追加、ゲームシステムの改良、キャラクターカスタマイズ機能への全裸オプションや陰茎スライダーの追加などによりリアリズムの追及が継続されてきた。

※2018年8月に公開されたローンチ・トレイラー

ロードマップに目を通してみよう。まず車両については新モデルが開発されているだけでなく、リアリズムを追及した『SCUM』らしく、よりリアルな挙動を目指しているとのことだ。乗車人数によって車両の重心が変化したり、タイヤやエンジンなどダメージを受ける箇所によって違った反応を見せたりと、細部までこだわり抜く姿勢を貫いている。また車両の修理、ガソリンの補給、カギによる解錠・施錠、点火装置をショートさせての発進といった、車両に関連した新メカニックが続々と追加されていく。

続いてインベントリーの改善も予定されている。現在のインベントリーシステムおよびUIはとても使いやすいと言えるものではなく、開発陣は「わかってますよ、私たちにも目はついてます」と茶化しつつ、UIを改修する時が来たと意気込んでいる。現時点ではまだ詳細は明かされていないが、アイテムのスタッキングおよびアイテムの回転が可能になるという。また車両や保管箱にちゃんとしたインベントリースペースを設けるとも語っている。

ベースビルディング機能も3か月以内での実装が予定されているが、最初のうちはBlueprintを使って一軒家を建設するという初歩的な機能にとどまる。ただロケーションのアセットとして採石場、鉱山、塩鉱、精神病院、古城、展望台、そして新しい町が制作中とのこと。四季の導入も近いうちに実現される予定だ。

キャラクターのスキルとしては、運転技術という項目が追加されるほか、弓矢・解体・調理スキルの仕組みも変更される。それに付随して本作の肝ともいえるメタボリズムシステムにも手が加えられていくという。弓矢については複数種の弓と矢のほか、弓用の消音器が追加されるという、新アイテムのチョイスからも、細かいところへのこだわりが垣間見られる。

NPCのコンセプトアート

ゲームのチュートリアルと、本作最初のミッションおよびミッション目標、実績の実装も計画されている。今回のロードマップでは言及されていないが、将来的にはNPCの登場も予定されているということで、正式リリースに向けて『SCUM』の世界はより生き生きとしたものになっていきそうだ。

操作キャラクターのアニメーションや挑発モーション、毛髪、髭、体毛を追加していく一方で、操作キャラクターの性別選択オプション追加は延期となることが発表されている。実装予定時期をアナウンスしていたわけではないので厳密には延期ではないが、当初はバレンタインデーにあわせて女性キャラクターを追加しようと考えていたという。実装が遅れている理由については、リアリズムを追及する本作において、メタボリズムシステムを含め、男性と同じメカニックを適用するわけにはいかないことに途中で気づき、思った以上に時間がかかっているとのこと。妥協しない姿勢が貫かれた『SCUM』。正式リリース時期は未定ということで、本作のリアリズムの進化をゆっくりと見守ろう。