Nintendo Switch対応をうたうモバイル液晶モニタ開発中。任天堂非公認ながら、USBケーブル1本で接続できる手軽さが特徴


周辺機器メーカーのC-FORCEが、15.6インチのモバイル液晶モニタ「CF011」を開発中だ。このカテゴリではさまざまな製品発売されているが、本機はNintendo Switchと組み合わせて使用することを念頭に置いており、モニタへの映像/音声入力にUSB Type-Cを採用することで、Nintendo Switchとの接続はUSBケーブル1本で済むという手軽さが大きな特徴となっている。

CF011には、シャープ製の15.6インチ液晶パネル(LQ156Z1JW02)が採用されており、解像度は3200×1800、リフレッシュレートは60Hz。モニタは低反射タイプで、製品重量は750gとなる。入出力端子には、映像/音声入力用のUSB Type-C(DRP)が1つ、電源用のUSB Type-C(UFP)が1つ。そしてデータ送受信用のUSB Type-Aが2つとなっている。こちらはUSB Type-C(DRP)にPCを繋いだ際に、USBハブとして機能するのだろう。そのほか、3.5mmヘッドフォンジャックも用意されている。ステレオスピーカーが内蔵されているので、音声はこちらから鳴らすことも可能だ。

本機は、冒頭で述べたようにNintendo Switchに非公式ながら対応する。こうしたモバイルモニタは、たいていはHDMI入力を採用しているため、Nintendo Switchと接続するためにはドックに接続したり、本体のUSB Type-CをHDMIに変換する機器が必要である。しかし本機なら、Nintendo Switch本体とUSB Type-Cケーブル1本で接続完了だ。実は本機を手がけるC-FORCEも、Nintendo Switch用の変換ケーブルを販売しており、本機はその技術を活かした製品だという(関連記事)。モニタには電源を供給する必要があるが、5V/2Aのモバイルバッテリーでも動作するため、外出先などコンセントのない場所でも大画面プレイが可能である。

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こうした製品の利用にあたっては、任天堂の正式ライセンス商品ではないという点が懸念材料になるだろう。過去には、HDMI出力を備えた非公認のNintendo Switch用ドックが原因で、Nintendo Switchのシステムアップデート後にNintendo Switch本体が動作不能になってしまう例が相次ぎ、裁判沙汰にもなった(関連記事)。

本機の開発元C-FORCEはこうした事例について、当該製品がNintendo Switchを“クラック”して映像信号などを取り出していたことが原因だと主張。一方のC-FORCEは、USB標準化団体USB Implementers Forumに加盟しており、製品では標準的なUSB PDプロトコルに則る形でNintendo Switchに最適化させているとのこと。前述した変換ケーブルも、発売から現在までに何回かあったNintendo Switchのシステムアップデートを経ても問題なく動作しているとし、今回発表したCF011についても問題ないという立場を示している。もし将来のNintendo Switchのシステムアップデートによって、逆にCF011側が正しく動作しなくなった場合は、ファームウェアのアップデートにて対応するとしている。とはいえ、任天堂が互換性を保証する正式ライセンス商品ではないことには違いないため、リスクを理解したうえで購入する必要があるだろう。

なお、本機はNintendo Switchだけでなく、USB Type-Cでの映像出力に対応するPCや、スマートフォンでも使用可能。スマートフォンは、サムスンのGalaxy S8やS9、ファーウェイのP20などに対応するとのこと。また、PCや一部のスマートフォンとの接続では、デバイス側からモニタへの電源供給が可能で、モニタに電源を繋いだ場合は、デバイス側への充電も同時におこなうことができる。

このCF011については、現在Kickstarterにて開発資金を募っており、すでに初期目標金額を突破し製品化が決定している。199ドル(約2万2151円)以上の出資でNintendo Switchに“対応しない”バージョンを入手でき、209ドル(約2万3262円、アーリーバード枠)以上の出資でNintendo Switch対応バージョンを入手できる(別途送料が必要)。製品の出荷は2018年9月の予定だ。