最前線のインディーゲームをピックアップしてゆく週刊連載Indie of the Week。今週は『Children of Morta』を紹介する。今年10月にデビュートレイラーと共に正式発表されたばかりの作品であり、ストーリーを紹介する最新映像も先週登場している。
開発を担当するDead Mageは、『Epic of Kings』や『Shadow Blade』といったスマートフォンのタイトルを手がけてきたスタジオだ。今作『Children of Morta』は、3Dグラフィックの前2作と異なり2Dのドットグラフィックとなった。対応プラットフォームはPC、Mac、Linux。ドットグラフィックはインディーでよく見られるビジュアルだが、『Children of Morta』のアニメーションと演出は他の作品と一線を画す特徴的なものとなっている。
怒れる山の神 vs. 戦う家族
ゲームの舞台となるのは、頂上に偉大なる神が住むと伝えられてきた山「Morta」だ。Mortaとその周辺は平和な時を刻んできたが、突如怒り狂った山の神により、災厄が降りそそぐ事態となった。周囲の木々と河川は汚染され、病気が蔓延し、モンスターは怒り狂っている。プレイヤーはMortaの山を代々守護してきたBergsons一家を操作して、神の暴走を止めるため山の頂上を目指さなければならない。
ローグライクやハック&スラッシュといったジャンルでみられるようなフィールド自動生成の作品でありながら、それらのジャンルで描かれづらいストーリーも重視しているのが『Children of Morta』の特徴だ。神の災厄を止めるために旅するBergsons一家の過酷な旅路を描いている。
まだ各キャラクターの詳細は語られていないが、盾で敵の攻撃を防ぐ剣士、弓矢を使うアーチャー、ナイフを使用して戦うローグと3種類のクラス……いや、家族が確認できる。前線に出ない叔母や母親なども、武器を鍛えたり、薬品を調合している。家族一丸となってこの災厄を乗り越えるのだ。
細部までなめらかに動くアニメーションも魅力的だ。上掲のストーリートレイラーでは、祭壇でみずから腹部を突き刺しす男と、その死体から湧き出る邪悪なオーラのアニメーションが見事に描かれている。デビュートレイラーで確認できる家族たちの暖かな一幕も注目だ。『Children of Morta』の美しいビジュアルは、同作の物語を色濃く彩ってくれるだろう。
このほか、ダンジョンを自動生成する「Oracle」と呼ばれるシステムが開発ブログでは紹介されている。開発初期から製作が進められている「Oracle」では、レベルの生成自体に問題はなかったものの、デザインやアーキテクチャの面で課題があった。レベルの生成とビジュアル的な美しさ、をいかに両立するかが問題となっていたのだ。この問題に対しDead Mageは、『The Binding of Isaac』などの先輩に学び、プリメイドのコンセプトパターンを多数用意するという手法を取った。しかしこれではパターンに限りがあるため、プレイヤーが無限に感じるような数を用意することは不可能だ。Dead Mageは、次回の更新でこの件についてさらに記したいと締めくくっている。
『Children of Morta』は、2015年1月20日にKickstarterへと登場予定だ。Kickstarter登場前にさらなるディテールやビジュアルが登場するかもしれない。
この1週間で登場したインディーゲームたち
- 北朝鮮の金正恩とアメリカ軍が戦う16bitゲーム『Glorious Leader!』がKickstarterに登場
- 80年代アーケードレーシング崇拝『Drift Stage』3Dモデルビジュアルを黄金期の2D作品風に