キッチンカーでの移動販売を体験できる『Food Truck Simulator』開発中。車のリノベから設備導入、調理までをすべてこなす

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発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第642回は『Food Truck Simulator』を紹介する。

ポーランドのデベロッパーDRAGO entertainmentが、『Food Truck Simulator』をPC(Steam)向けに開発中だ。フードトラック(キッチンカー・移動販売車)を使った商売を体験できるシミュレーションゲームである。

『Food Truck Simulator』にてプレイヤーは、会社での退屈な会議の最中に古いフードトラックが売りに出されているという広告を見て脱サラを決意する。そして中古のフードトラックを購入し、まずすべきことは車を綺麗にすることだ。食事を提供するための装備を導入する前の下準備である。車はジャンク同然のため、スポンジを使って汚れを落とし、車内に散乱したガラクタを掃除。不要な内装はすべて取り外し、頑固な錆を落とすことも必要だろう。まだビジネスとして何も始まっていないが、これはこれでタフな作業になるという。

車の掃除を終えたところで、ようやくフードトラックのリノベーションを開始。コンロやオーブン、フライヤー、コーヒーメーカーなど、さまざま販売されている調理設備から選択して購入。同じ調理設備でも複数の種類が用意されているようで、おそらく性能が異なるのだろう。そして購入したものを車内に配置していく。また、そうした設備だけでなく車としてちゃんと動くようにもしなければならない。以下の映像ではタイヤを交換する様子が見られる。

フードトラックの準備ができたら、次はメニューを考えよう。当然ながら、導入した調理設備によって作れる料理は変わってくる。プレイヤーは、ビーチや繁華街、大学、工事現場など複数のエリアに赴いて商売をおこなう。それぞれの客が求めるメニューは異なってくるため、導入する設備やメニュー作りは、そうした要素も考慮しなければならない。料理の値段設定も、エリアごとの客層を考える必要があるとのこと。

現地にて店を開けたら、いよいよ商売の開始だ。訪れた客の注文に従い料理をおこなう。ハンバーガーであれば、パティを焼き、トッピングのトマトやチーズをスライスして、レタスと共にバンズに乗せていく。そうした車内でおこなう調理のひとつひとつには、実際に料理をしているような没入感を表現するため、リアルな物理演算を導入しているという。食材によってはあらかじめ仕込みをおこない、冷蔵庫などに保存しておく。

客によって好みが異なることは先述したが、そのほかにも料理の出来上がりをどれだけの時間待ってくれるかや、気前よくチップをくれるかも人それぞれ。注文どおりの食事を提供することは言わずもがなだが、手早く作ったり、食材を切らさないよう目を配る必要もある。足りなくなった食材は、その場で注文できるようだ。とはいえ、公開された映像によると、足りない食材の代わりに何か適当なものを入れて提供することも可能。客はどのような反応をするのか気になるところである。

フードトラックや導入した調理設備は消耗品となっており、定期的にガレージに戻ってメンテナンスや修理をする必要がある。また、フードトラックは新たなものを購入してアップグレード可能。最初はボロボロの車しか買えなかったが、商売がうまく回り稼げるようになると、より多くの設備を配置できる、すなわちより多くのメニューを用意できるサイズの大きいタイプや、凝った装飾の付いたものなどが買えるようになる。そのほか、路上で商売をしていると近くに同業のフードトラックがやってくることもあり、そうした競合相手への対処も求められるという(映像では火炎瓶で放火している)。

『Food Truck Simulator』は、2020年第2四半期発売予定だ。ちなみに、本作を手がけるDRAGO entertainmentは、ほかにもガソリンスタンド経営シミュレーションゲーム『Gas Station Simulator』を開発中で、また空港警備員シミュレーションゲーム『Airport Contraband』を9月30日に発表。何かの仕事を体験できるゲームの開発に、並々ならぬ情熱を持ったデベロッパーのようだ。

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