『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』新アプデで不思議屈強素材“エレベーターの柵”が普通に壊れるようになる。ただし超軽い特性は健在

 

任天堂は8月23日、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の更新データVer.1.2.1を配信開始した。不具合修正が中心となっており、パッチノートでは言及されてない修正も実施。中でも、さまざまな特性を備え、もの作りに活用されていた「エレベーターの柵」の一部の仕様が変更されている。


『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、Nintendo Switch向けに発売中のアクションアドベンチャーゲームだ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編にあたる。新作においては、ハイラルの地が突如として天変地異に見舞われる。城は宙へと浮かび上がり、空からは謎の遺跡群が降り注ぐ。大地と大空が広がった世界にて、“右手”に力を宿したリンクがハイラルの異変に立ち向かう。

更新データVer.1.2.1の内容は不具合修正が中心となっている。パッチノートの記載によると、マップに大量にスタンプを置いたとき、画面が激しくちらつくことがある不具合が修正。ブロックゴーレムに付いている宝箱が、ブロックゴーレムの攻撃によって消滅してしまった場合に、宝箱の中身が入手不可能になってしまう現象も不具合として修正された。また「マヨイの落とし物」をすべて集めたにもかかわらず、コルテンに話しかけても特定のイベントが発生しない状態に陥った場合に、今回の更新データをダウンロードすることでイベントが発生するようになっている。

またパッチノートには「そのほか、ゲームを快適に遊んでいただけるよう、いくつかの問題を修正しました」とも記載されている。言及されていない不具合修正もおこなわれたと見られ、中でも“エレベーターの柵”の一部特性がなくなっていることが一部ユーザーから報告されている。エレベーターの柵とは、ゴーレム製造房・右脚の蔵にあるオブジェクトだ。ゾナウギアなどを用いてエレベーターを破壊することで、柵の部分を無理やりもぎ取ることが可能。普通の物体と違って、基本的に何が起こっても破壊されず、軽量かつ不思議な物理演算上の性質を有する特性が注目されていた(関連記事)。


しかし、更新データVer.1.2.1適用後には、その特性の一部がなくなっていることが報告されている。X(旧Twitter)ユーザー/YouTube投稿者のゆきのさんもその一人。同氏は前作から仕様の限界に挑むなどさまざまな検証をしてきたユーザーだ。同氏はアップデート後のエレベーターの柵の挙動を検証して報告している。

ゆきのさんによると、アップデート後でもゴーレム製造房・右脚の蔵にてエレベーターを壊すことが可能で、エレベーターの柵自体は取り外せるそうだ。ただし、エレベーターの柵をブループリントした場合に、単独では存在できなくなっているという。本作では通常、ブループリントした物体は切り離されて単独になると消滅してしまう。しかしアップデート以前のエレベーターの柵はブループリントしたうえで単独で切り離されても消滅しない特性をもっていた。これにより一度何かと組み合わせてブループリントに登録してしまえば、柵を自由に切り離して組み替えることが可能であった。アップデート後はそうした特性が失われているそうで、柵単独で用いたい場合にはあらかじめ通常アイテムをくっ付けるといったひと手間が必要になりそうだ。


またゆきのさんは、ライネルの咆哮によってエレベーターの柵が壊されるようになっていることも報告している。アップデート以前のエレベーターの柵はライネルの咆哮など、ブループリントした物体を消滅させる攻撃の影響を受けなかった。このため、物体を消滅させようとする一部の敵に、開発元が意図していないと見られる挙動を引き起こすことが可能であった。たとえばライネルであれば、リンクに攻撃せず咆哮し続けるといった具合だ。アップデート後には敵の一部攻撃で壊れない特性も消失。敵への“ハメ技”に用いることができなくなっている。

一方でゆきのさんは、エレベーターの柵の“非常に軽い特性”が健在であることも伝えている。柵はほかの物体と比べて極めて軽く、またフワフワとした不思議な挙動を見せるため、さまざまなかたちで乗り物に利用されていた。先述の通り、アップデート後は柵を単独で外して組み換えることができなくなったので制作の手間は増えているものの、アップデート以前と同じく乗り物の素材としての利用も可能と見られる。


ちなみにゆきのさんはアップデート以前に、本作の最終ボス戦にて大量のエレベーターの柵をブループリントで複製するといった検証も実施(関連記事)。膨大な数の柵を召喚した場合に最終ボスが地面に吸い込まれて姿を消したり、検証中のセーブデータのロード時に謎の空間“懲罰房”に閉じ込められたりといった不具合が発生したことを報告していた。先述の敵の挙動への影響も含めて、エレベーターの柵の不思議な性質の一部は不具合を引き起こす危険性をはらんでいたと見られる。そのため今回の更新データVer.1.2.1にて修正された可能性はありそうだ。

特性の一部が消失したことが報告されているエレベーターの柵。ただし非常に軽量といった性質は健在であり、今後も乗り物の素材としては活用されていくかもしれない。なお本作では過去の更新データVer.1.2.0にて“U字ブロック”の仕様変更がおこなわれていた(関連記事)。そちらも今回の柵と同じく、ブループリント状態で単独でも消滅せず、敵の一部攻撃でも消えないといった性質を備えていたものの、同アップデートにてそうした性質は修正。今後もし同様の性質の素材が発見された場合も、アップデートで修正される可能性はありそうだ。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はNintendo Switch向けに発売中だ。




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