「犬用のゲーム機」が真剣開発中。タッチパネルや「自動おやつ機能」を搭載し、愛犬の健康をサポート

 
Image Credit: Joipaw

イギリスのスタートアップ企業が、「犬専用のビデオゲーム」を開発中だ。タッチパネルを搭載し、専用のコンソールで遊べるゲームになるという。しかしこの製品は、ただ愛犬にゲームをプレイする楽しさを提供することが目的ではない。ペットが抱える問題を、ゲームというアプローチで解決する試みだ。米ニュースメディアAxiosなどが報じている。

犬用のビデオゲーム機「Joipaw」は、一連の製品から成り立つプラットフォームだ。メインとなるコンソールには、犬仕様のタッチパネルを搭載。プレイヤー(犬)は、鼻でタッチパネルを操作するかたちだ。記事執筆時点では、画面に出てきた動物をたたく「もぐらたたきゲーム」や、数をかぞえるゲームが遊べるとのこと。犬の大きさにあわせて、タッチパネルの高さを調節することも可能だ。さらに「自動おやつディスペンサー」を搭載。ゲームに成功すると、プレイヤーにおやつが供給される仕組みになっている。


Joipawはコンソールのほかにも、首輪に装着できるトラッカーを提供する。こちらはアクティビティセンサーを搭載し、装着した犬の各種データを収集するとのこと。データはあわせて提供される情報管理アプリから確認できるようだ。収集したデータをAIが解析し、数値の異常を検知すると飼い主に通知する機能をあわせ持つ。一連の製品プラットフォームを通じて、愛犬の健康情報を見守る仕組みだ。

一連の製品開発を手がけるのは、イギリスのスタートアップ企業Joipaw だ。共同創業者のDersim Avdar氏いわく、開発のきっかけは自身の愛犬Kawetだという。飼い主の留守中に部屋を荒らすKawetを見て、Avdar氏は留守番をしている彼にも十分な娯楽が必要だと考えたのだ。あわせてAvdar氏は、犬が抱える分離不安症についても触れている。分離不安症とは、飼い主が不在の間、ペットの犬がストレスから部屋を荒らしたり、体調を崩したりする状態を指す。Joipawは、飼い主を待つ犬の不安を和らげることを目的に開発されたのだ。


またAvdar氏は複数の研究をふまえ、ビデオゲームのような継続的な刺激が犬の認知症の発症を遅らせる可能性があるとしている。犬にもヒト同様に認知症があり、予防や対策には新しい刺激が効果的とされている。Joipawは愛犬を楽しませるだけではなく、愛犬がより健康に暮らせる環境づくりを目的としているのだ。

Joipawは現在、一般発売に向けて開発の最終段階にあるとのこと。正式な製品価格、および販売時期は未定だ。現在は公式サイトで予約を受け付けている。