基本プレイ無料バトロワ『Hyper Scape』サービス終了へ。改善重ねるも人口低迷に苦しんだ約1年半

 

ユービーアイソフトは1月28日、基本プレイ無料のバトルロイヤルFPS『Hyper Scape(ハイパースケープ)』について、今年4月28日をもってサービスを終了すると発表した。本作はリリース以降、プレイヤー人口の減少や評価の低迷に苦しんでいた。
 

 
『Hyper Scape』は、2020年8月に正式リリースされたバトルロイヤルFPSゲームだ。未来都市を舞台に、最大100人のプレイヤーたちが特殊能力を駆使してバトルを繰り広げる。また、動画配信プラットフォームTwitchとゲームプレイの連携要素なども盛り込み、リリース前後には同プラットフォームで多数の視聴者を集める注目作であった。

一方で本作は、リリース後にはプレイヤー評価および人口の面で窮地にあった。まず、レビュー集積サイトMetacriticにおける本作の評価は芳しくない。メタスコアは機種にもよるものの100点満点中60~68点に留まり、ユーザースコアは10点満点中で4.1~4.9点と厳しい評価だ(Metacritic)。また、本作にはマッチング人数に応じてマップ全体が縮小するシステムがある。人口の低下に伴い、最大人数である100人での試合ではなく、10~20人前後でのマッチが頻発するとの報告がユーザーから上がっていた。2020年9月には、同問題の原因について開発側も言及。アップデートなどを通じて改善に動いていくと伝えていた(関連記事)。
 

 
実際に『Hyper Scape』ではしばらくの間、アップデートが重ねられていた。不具合の修正やコンテンツの追加などのほか、少人数によるチームデスマッチの追加やクロスプレイのサポートなど、人口難への対策を打ってきたのだ。しかし懸命な対策も功を奏することなく、アップデートは2021年4月のパッチを最後に打ち止めに。現在でも本作のプレイヤー人口は低迷気味だったようだ。海外掲示板Redditの本作コミュニティ/r/HYPERSCAPEでは、最近でもプレイヤー人口の少なさに触れるスレッドが散見される。

そして今年1月28日、ついに『Hyper Scape』のサービス終了が発表された。発表のなかでは、苦渋の決断ながら4月28日に本作の開発およびサービス提供を終了するとの旨が伝えられた。また、本ゲーム開発から得た学びを今後の作品に活かしていくとのコメントと共に、ファンへの感謝が綴られている。具体的なサービス終了の原因については明かされていないものの、前述のプレイヤー人口不足や評価低迷が、方針になんらかの影響を及ぼしたと考えられる。
 

 
前述の/r/HYPERSCAPEにおける『Hyper Scape』サービス終了を取り上げたスレッドでは、本作ファンたちの悲しみの声も見られる。基本プレイ無料バトロワは人気作品ひしめき新規参入も多い、競争の激しいジャンルだ。同ジャンルの様相そのものが、ある種バトルロイヤルめいている感もある。今後も、新たなバトロワ作品が誕生しては厳しい戦いに身を投じていくだろう。

『Hyper Scape』は基本プレイ無料タイトルとして、PC(Ubisoft Connect/Epic Gamesストア)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに配信中。4月28日、サービス終了予定だ。