任天堂は10月8日、Nintendo Switch(有機ELモデル)の発売にあわせて、任天堂のものづくりに対する考えやこだわりを開発者自ら伝える「開発者に訊きました」の第2回を公開した。このなかでは、Joy-Conの改良についても語っている。
今回の「開発者に訊きました」では、任天堂のハードウェア開発を担当する技術開発本部長の塩田興氏と、同じく技術開発部の山下透氏が、Nintendo Switch(有機ELモデル)の外から見える変化・見えない変化などについて回答。そして、Nintendo Switchが2017年に発売されてからおこなってきた改良面についても語っている。ひとつは、2019年に発売された「バッテリー持続時間が長くなった新モデル」でのバッテリーの改善について。そしてもうひとつは、Joy-Conの改良である。
Joy-Conについて山下氏は、さまざまな機能があり、目に見えないものも含めてそれぞれ改良しているとしたうえで、「中でもアナログスティックは発売以降、部品を継続的に改良していって、現在も改良に取り組み続けています」とコメント。Joy-Conのアナログスティックパーツは既製品ではなく専用設計品だそうで、なるべく摩耗しにくい材料の組み合わせを研究しながら、改良を続けているという。さらに信頼性試験自体も改良し、耐久性を向上させるための改良を加え続けているとした。
そうして改良の効果が確かめられた段階で、その時に製造している本体同梱や単品販売のJoy-Con、Nintendo Switch Liteに導入しているとのこと。Proコントローラーにおいても同様だそうだ。また修理においても、新しいバージョンの部品に順次置き換えているという。
Joy-Conというと、Nintendo Switchの発売以来多くのユーザーが“Joy-Conドリフト”に悩まされている。上の映像のように、アナログスティックに触れていないにもかかわらず、勝手に入力操作がおこなわれる不具合のことだ。これは必ずしもJoy-Con特有の問題ではないが、海外では集団訴訟にも発展。Joy-Conドリフトに関して任天堂は、一部の国では保証期間内かどうかにかかわらず無償で修理するといった対応をとっている。
Nintendo Switch(有機ELモデル)のホワイトモデルには、単品販売されていないホワイトのJoy-Conが同梱されている。そのため発表当時には、改良された新モデルではないかと注目されたが、任天堂は従来モデルと同じ仕様であると回答していた。
ただ山下氏によると、新たなボタンなど新機能が追加されたわけではないという意味で、そうした回答をおこなっていたそうだ。そして、Nintendo Switch(有機ELモデル)に同梱されているJoy-Conを含め、現在出荷している各製品には、改良が進んだ最新のものが使用されているとした。
ユーザーの実感はともかく、任天堂としてはJoy-Conのアナログスティックについては継続的に改善を続けていることが今回語られた。従来の製品については製造時期を選んで購入することは難しいかもしれないが、Nintendo Switch(有機ELモデル)であれば、最新の改良が施されたJoy-Conが同梱されているとのこと。本日ローンチを迎え、Joy-Conドリフトの改善は進んだのか、ユーザーによる検証が今後おこなわれることだろう。
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