ゴルフ登山ゲーム『Time to GOLF』配信開始。カジュアルにマゾ体験ができる山登りゲーム入門編

 

国内のインディーゲーム開発者nattuhan氏は2月19日、ゴルフ登山ゲーム『Time to GOLF』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は520円となっている。 

『Time to GOLF』は、簡単な操作で楽しめる“ゴルフ”ゲームだ。しかし本作には、ホールの概念が存在しない。スコアも示されないし、グリーンやバンカーといった要素も出てこない。あるのはただ、「山」である。『Time to GOLF』は、「ゴルフを一度もやったことない作者が考えるゴルフ登山ゲーム」だ。そのキャッチコピーどおり、本作でプレイヤーはゴルフボールを使った山登りを課せられることになる。 

ボールが地面や壁などに触れている間、マウスをクリックしながらドラッグすると、その反対方向に矢印が表示される。そしてマウスから指を離すと、パチンコ玉を撃ちだすようにゴルフボールが勢いよく飛んでいくのだ。思いっきり引っ張ればその分ボールの飛距離は長くなる。カーソル操作のため、角度も自由自在だ。道中には巨大な岩や切り立った崖、巨大ヒマワリ、グランドピアノなどさまざまなオブジェクトが存在。しかし、どこかに必ず取っかかりとなる部分があるはずだ。うまく障害物の上に乗り上げ、どんどん山を登っていこう。中には風に乗って宙を滑空したり、火山口に入って勢いよく飛び出したりといったギミックも用意されている。 
 

 
ここまででお気づきかと思うが、本作はかの有名な罰ゲーム、もとい高難度アクションゲーム“壺男”こと『Getting Over It with Bennett Foddy』のフォロワー作品だ。ストーリー性を排したストイックなゲーム内容、ひたすら目の前の障害物と向き合わされる修行めいた体験は、まさに“登山ゲー”の血流をしっかり継承した作品といえるだろう。可愛らしい外見はむしろ『Pogostuck: Rage With Your Friends』の遺伝子を受け継いでいるといえるかもしれない。ローポリで描かれるポップな背景や明るく牧歌的なステージは、山登りゲームの入門編として最適だ。 

ただし、どれほど楽しげであろうと本作が“登山ゲー”一門の末裔であることには変わりない。インディーゲームにおける山登り、それは忍耐と辛苦の道のりを意味する。ゴルフボールはあくまで小さな無機の塊に過ぎない。坂道があれば転がり落ちるし、崖を踏み外せば踏ん張ることなく垂直落下する。凶悪な先達ゲームの数々と同じく、マウスを放り投げたくなるような理不尽な場面がいくつも存在するのだ。作者のnattuhan氏は本作が初のリリース作品とのことだが、歴代の不条理高難度ゲームの定石を踏まえたマゾヒスティックな仕上がりといえるだろう。 
  

 
今後は第2のマップ配信なども予定しているという。『Time to GOLF』はSteamにて、520円で配信中だ。