『サイレン』クリエイター外山圭一郎氏、新作は「ホラー寄りアクションADV」に。3年後のリリース目指す

 

『サイレントヒル』『サイレン』シリーズの生みの親として知られる外山圭一郎氏は現在、「ホラー系寄り」のアクションアドベンチャーを開発しているという。日本版IGNにおけるインタビューで明かされた。対応プラットフォームはPCおよび、コンソール版も可能な限り手を広げたいとしている。リリース時期としては3年後を目標しているとのことで、おおむね2023年から2024年ごろのお目見えとなりそうだ。

外山氏は、ホラー作品をはじめさまざまなジャンルを手がけてきたゲームクリエイターだ。コナミに在籍していた際はディレクターとして『サイレントヒル』を制作。その後、SIEの前身となるSCEに入社し『サイレン』シリーズの制作を指揮した。一方、アクションゲームの『GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において彼女の内宇宙に生じた摂動(以下、GRAVITY DAZE)』シリーズでもディレクションを担当。陰鬱とした世界観からファンタジックなアドベンチャーまで、広い守備範囲でファンを獲得している。

今月3日、外山氏は自身のスタジオBokeh Game Studioを設立していたことを発表(関連記事)。8月にはすでにSIEを離れており、長らくゲーム開発をともにしてきたベテランクリエイター仲間とスタジオを立ち上げたという。設立メンバーには、『サイレン』シリーズや『人喰いの大鷲トリコ』に携わった佐藤一信氏や、『サイレン』シリーズ・『GRAVITY DAZE』シリーズに参加した大倉純也氏が参加。ベテランゲーム開発者が揃う豪華な顔ぶれとなった。
 

 
スタジオ初回作については「外山作品の系譜を出していく」と語られており、外山氏はまずクリエイティブディレクターとして制作に携わるようだ。ゲームメカニクスについては大倉氏が担当。エンターテイメント性を入れつつ、コアのアイデアや世界観でひと味違うタイトルとして勝負したいという。将来的にはスタジオで複数タイトルを進める形態を目指しつつ、まずは1本目に注力して軌道に乗せていきたい考えだ。このほかインタビューでは、ファーストパーティー時代とは異なる運営形態やコミュニケーションのあり方について語られた。

まずは「ユーザーの皆さんが期待するようなもの」を手がけたいという外山氏ら。新作はホラー系統になるということで、ファンとしてはどうしても『サイレントヒル』の血を継ぐ作品を期待してしまうのではないだろうか。2020年は、「『サイレントヒル』新作が開発されている」という大きな噂が散発する奇妙な年でもあった。今年3月には、コナミとSIEが同シリーズ新作を手がけているという噂が話題に(関連記事)。外山氏のほか、コンポーザーの山岡晃氏やデザイナーを務めた伊藤暢達氏の名前が引き合いに出され、信憑性の高い説としてインターネットを席巻した。ただしその後、Konami Corporation of Americaの広報担当者が否定したことにより可能性が消滅している。

その5か月後に発生した噂はさらに突発的なもの。コナミの海外向け公式Twitterアカウントが突然『サイレントヒル』に絡めた意味深なツイートを発信し、シリーズに関する何らかの重大発表があるのではないかとインターネットが急速に湧きたった(関連記事)。ところが当該ツイートからわずか5分後、熱狂を察知した同アカウントがネット上の議論を即否定。特に何らかの報せがあったわけではないとして謝罪した。現在は『サイレントヒル』シリーズの公式Twitterアカウントが設立されているが、今のところは『デッド バイ デイライト』やファンアートのリツイートをおこなうにとどまり、特に新情報は発信されていない。
 

https://twitter.com/SilentHill/status/1289329143792861185

*イラストはFangamerアーティストの作品

 
説得力のある噂が形づくられたり、ものの数分で噂がコミュニティを席巻したり、『サイレントヒル』ファンの期待はさまざまなかたちで表れている。Bokeh Game Studioの処女作は新規IPとはなるものの、外山氏のエッセンスが詰まった世界観となることが示唆されており、同氏の作品を愛するゲーマーとしては期待が高まらざるをえないところ。スタジオはSNSで積極的にユーザーと接点をもちたいともしており、今後の情報発信に注目したい。