北米版『Fate/Grand Order』で、エイプリルフールゲーム『FGO PINBALL』が公開。アメリカ向けにはオリジナルのピンボールゲームで攻める独自路線


北米版『Fate/Grand Order』にて4月1日、『FGO PINBALL』が公開された。公開期間は、4月5日20時59分(PDT)まで。ブラウザゲームとして公開されており、日本からでもプレイできる。国内向けのエイプリルフール企画としては、異聞帯をクラフトするターン制戦術バトル『Fate/Grand Order MyCraft Lostbelt』がリリースされているが、北米向けには全く異なる単独で遊べる作品がリリースされたことになる。

『FGO PINBALL』は、スコアを稼いでサーヴァントを集める『Fate/Grand Order』のスピンオフピンボール。1プレイの持ち玉は3つ。右側に配置されたプランジャーからボールを射出し、プレイフィールド下部にある左右のフリッパーを動かしてボールを弾く。ボールを弾き損ねたり、左右のフリッパーから少し上にある穴にボールが吸い込まれ、ボールがフリッパーより下に落ちてしまい、3球のボールを使い切ったら1プレイ終了となる。

聖晶石を模した仕掛け、盤上にたくさんのボールが出現するギミックなどが搭載。スコアに応じてリヨ氏によりデフォルメされたサーヴァントが入手できるシステムになっており、プレイが途切れても取得したサーヴァントは継続され、根気よくプレイすれば198種類のセイントグラフがコンプリートできるようになっている。

今回北米向けのエイプリルフール企画として公開された『FGO PINBALL』は、北米版独自のものである。『Fate/Grand Order』は、日本国内向けとしては2015年7月31日にAndroid版、2015年8月12日にiOS版が配信されてサービス開始。国内向けエイプリルフールでは、サーヴァントのセイントグラフに意図しないデータが混入し、実装済みのサーヴァントがリヨ氏によるイラストへ置き換わる不具合が2016年に発生。2017年にはマップ上に出現したサーヴァントをタッチし、聖晶石をぶつけて捕獲する『Pokémon GO』風の『Fate/Grand Order Gutentag Omen』。2018年には、ARカメラ機能を使ってサーヴァントを探し、聖晶石をぶつけて特異点を攻略していく『Fate/Grand Order Gutentag Omen Adios』が配信されるなど、2017年以降には毎年エイプリルフール用のアプリが用意されてきた。

北米版『Fate/Grand Order』は、日本版から2年遅れとなる2017年6月25日に配信開始。エイプリルフールイベントでは、初の2018年こそ日本版の内容を2年遅れでなぞったものだったが、2019年は国内では行われていない神経衰弱風のイベントが実施されており、今年も独自路線が継続されたことになる。

北米版でピンボールを題材にした『FGO PINBALL』がエイプリルフールイベントに選ばれた背景には、ピンボールがアメリカ文化に根付いていることがあるのかもしれない。ピンボールは元々1930年代にアーケードゲームとしてアメリカで成立。弊誌に掲載されている国内最大級のピンボールスポット「THE SILVER BALL PLANET」の関係者へ行ったインタビュー記事によると、ピンボールには「デザインやアートワークも含めアメリカのその時代の文化がぎっしり詰まっている」そうで、アメリカが体感できるものなのだという。

各地域向けに配信されているゲームでは、その地域に合わせたローカライズが大小問わず行われているが、今回北米版『Fate/Grand Order』のエイプリルフールでピンボールが題材に、『FGO PINBALL』が作られたことは、興味深い事例と言えそうだ。