Tesla社の電気自動車に『Cuphead』を移植中。ダッシュボードのタッチスクリーンにてプレイできるよう開発元が協力


今年4月にNintendo Switch版も発売され、さらなる人気の高まりを見せている2Dアクションゲーム『Cuphead』が、アメリカTesla社の電気自動車向けに移植されることが明らかになった。Tesla車オーナーでもある海外メディアIGNのエグゼクティブ・エディターRyan McCaffrey氏の個人ポッドキャストにゲスト出演した、同社CEOのElon Musk氏が認めた。

Teslaの話題を伝える同ポッドキャストでMcCaffrey氏は、Tesla車のソフトウェア面について、ダッシュボードの大型タッチスクリーンにてAtariのクラシックゲームがプレイできるようになるなど興味深い取り組みを見せているとし、またMusk氏が「『Portal』シリーズもプレイできるようになれば素晴らしい」とTwitter上でコメントしていたことに言及。するとMusk氏が突然、『Cuphead』について取り組んでいるところだと発言した。Musk氏は、同作がカートゥーンアニメ風のビジュアルであることや、非常に高難易度のゲームプレイであることについてもコメントし、開発元Studio MDHRがTesla車への移植に協力しているとした。

Studio MDHRのMaja Moldenhauer氏も、このTeslaとの取り組みについて事実であると認めており、今年の夏に実装する方向でプロジェクトを進めているという。Musk氏は今年5月、Tesla車向けにさらに多くのゲームを届けるようUnityの移植をおこなっていると発言しており、同じくUnityにて開発された『Cuphead』との互換性については目処が立っているものと思われる。またStudio MDHR側は、フレームレート面において同作が極めてスムーズに動作することが移植の条件だとしていたそうだが、すでに良好に動作しているとのこと。

ただし、ストレージ容量の問題からゲーム全体を収録することはできず、「インクウェル島1」のみになるという。また、ゲームプレイはUSB接続のゲームパッドを使用する形。これはAtariゲームにおいてもすでに実現している。ギアをパーキングに入れている際にしかプレイできない点も同じである。Moldenhauer氏は、今回のTesla社からの依頼について興奮を隠さないが、あくまで『Cuphead』のゲームプレイ体験が損なわれないことを前提に受け入れたようだ。

Elon Musk氏は昨年8月、Tesla車のタッチスクリーンにてプレイできるゲームを作りたいとし、ゲーム開発者に参加を呼びかけていた。ゲームをプレイできることが車としての魅力に繋がるのかどうかは微妙ではあるが、オーナーにとっては、『Cuphead』のような良質な作品は嬉しいボーナスかもしれない。一方で、自動運転が当たり前になる将来を見越して、メルセデスベンツも車内システムで楽しめるゲームのアイデアを公募している。いずれは車もゲームプラットフォームのひとつになっていく可能性はありそうだ。