『フォートナイト』の競技シーンにて1000件以上の違反行為が報告。プロチーム所属者からも違反行為が確認される

Epic Gamesは4月20日、同社が運営するバトルロイヤルシューティングゲーム『フォートナイト』の競技シーンにおける違法行為についての報告を、公式ホームページにて公開した。

現在『フォートナイト』のゲーム内において「FORTNITE WORLD CUP」という世界大会が開催されており、4月13日から10週間、本戦出場をかけたオンライン予選が行われている状況にある。予選は計6つ存在する地域サーバー毎に1週ずつ2日間かけて行われ、特定の参加資格を持ったプレイヤーのみが出場することが可能だ。2日目に行われる各オンラインオープンの決勝では、予選イベントにもかかわらず、サーバー全体から観た上位スコア獲得者に向けて、総額100万ドルの賞金が割り振られるという内容となっている。そして最終的に10週間優秀な成績を残し続けたプレイヤーが運営より選出され、晴れて本戦へと駒を進めることができるという仕組みだ。

今回公開された違反行為に関する報告記事は、予選期間の第1週、4月13日および14日に行われた予選会において、違反行為を行い、罰則を受けたプレイヤー数をまとめたものとなっている。なお、違反行為の確認ならびに罰則の実施に関しては、ユーザーからの申告を元に完全手作業で行っているようだ。

まず報告書内で話題に上がっていたのは、「アカウント」にまつわる違反報告である。この予選会は週ごとに100万ドル、10週合わせて総額1000万ドルの賞金が発生する大会ということもあり、勝利する確率を上げたり、賞金を少しでも多く獲得するため、「同一人物がリージョンロックを不正回避し複数のサーバーの予選会に参加する」「上位プレイヤーにアカウントを譲渡、共有し、代理でプレイをしてもらう」という規約違反が発生しているようだ。

記事の内容によれば、現時点で1163のアカウントが複数サーバーへの参加により、14日間の競技プレイのアクセス禁止処分となっている。そのうち196アカウントが賞金獲得圏内にあったものの、違反行為によってその権利を失った。また、譲渡、共有が行われたアカウントは48確認され、7日間のアクセス禁止処分を受けている。このうち賞金獲得圏内にあったアカウントは9つあった。

次のトピックとしては「チーミング行為」が上がっている。チーミングとは、最終的に1人もしくは1チームが生き残ることを目指すバトルロイヤルゲームにおいて、本来敵であるはずの他プレイヤーと連携を取り、数的有利を維持しながら試合を進行し続けるという違反行為である。『フォートナイト』に限らずバトルロイヤルゲームというものは、「自分以外全て敵という不安定な状況下でどういった戦略を構築し実践していくか」というゲームコンセプトのもと成り立っており、「複数人対個人」という有利な状況を常に構築できるチーミングは、そのゲームに込められた理念を破壊してしまう悪質な行為として取り締まられている。今のところ8つのアカウントが大会中のチーミングによってアクセス禁止処分を受けている。そのうち1つのアカウントが賞金獲得圏内にあったとされている。

このチーミングの対策としてEpic Gamesは先日、リアルタイムのチーミング検知システムをトーナメントやアリーナゲームなどの競技プレイに導入した。ゆくゆくはプレイヤー間のコミュニケーション機能を維持したまま、全てのモードにこのシステムを実装する予定だという。ちなみに、本システムは既に導入済みであるオフラインゲームにおける検知システムとは別のものとなっている。

最後に上げられていたのは「チートソフトの導入」である。これは読んで字のごとく、外部ソフトウェアを用いてゲーム内容を改ざんし、常に自分の有利な状況を生み出しゲームを進行するという違反行為である。現時点で1人のプレイヤーが「障害物を透過し敵の位置把握を容易にする」チートを利用したとしてプレイ開始5分以内にアクセス禁止処分を受けたようだ。

残念なことに当該プレイヤーはeスポーツのプロチーム「Team Kaliber」に所属するJohnathan Kosmala氏であることが明らかとなっている。そして彼の通報を行ったのは、他でも無い、彼にソフトを販売したメーカーであるのだから皮肉なものだ。メーカー側は今回の通報に際し以下のように語っている。「ただ勝利して金を得るためにチートを利用するのはモラルとしてどうなのか」と。結果としてKosmala氏は、プロチームからの脱退処分と、メーカーから購入費用60ドルの払い戻しを受けている。この他、特定プレイヤーのスコア稼ぎを妨害するため意図的にゲームから離脱したプレイヤーも存在し、運営側は72時間のアクセス禁止処分を下している。

報告記事はプレイヤーからの情報提供を奨励する形で締めくくられている。違反行為の抑制としてコミュニティの団結と相互監視を促す方針は、確かにプレイヤーひとりひとりのスポーツマンシップを育むための手段として有効だろう。しかしこのことは、運営側それ自体の管理体制が今もなお未成熟であるということの裏返しでもある。世界大会はまだ始まったばかり。競技を運営する組織として、不確定な情報源に頼る必要なく、責任のある明晰な判断を下すことのできる体制が整うことを切に願うばかりだ。

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