開発停止となった『Friday the 13th: The Game』、法廷闘争に決着がついたとしても開発が再開されることはないと開発陣が説明

 

映画「13日の金曜日」フランチャイズの製作元と脚本家との間で勃発した法廷闘争により、開発停止に追い込まれた『Friday the 13th: The Game』(関連記事)。公式サイトにて開発停止をアナウンスしてからというもの、開発陣のもとには「近いうちに版権争いの決着が付けば開発が再開されるのか」という問い合わせが複数寄せられているとのこと。そこで本作のパブリッシャーGun Mediaの創設者であるWesley Keltner氏が公式フォーラムにコメントを投稿。近い将来に判決が下されたとしても、新しいコンテンツを作り始める可能性は無いと答えた。

Keltner氏「一度無期限停止にしたゲームの開発を、またどこかのタイミングで再開させるというのは簡単なことではありません。そう上手くはいかないのです。再開できる日がいつになるのか全くわからない場合は特にそうです。日の目を見ることがないかもしれないコンテンツを、ひたすら作り続けることはできないのです。それは良いビジネスの仕方ではありません。もうひとつ、IPを使わないコンテンツを追加してはどうか、という問い合わせも寄せられました。”新しいレベルや、映画とは全く関係のないキャラクターをつくれないのですか”と。残念ながらそれもできません。新しいコンテンツは、どんなものであれ一切追加できません。新しい木や岩でさえもダメです。私たちが注力できるのは、コンソール版の専用サーバやバグ修正、メンテナンスだけです」

本作は殺人鬼ジェイソン・ボーヒーズと7人のカウンセラーに分かれて戦う非対称マルチプレイホラーゲーム。ジェイソンとして若きカウンセラーたちを惨殺していくか、カウンセラーの1人として映画さながらジェイソンから逃げ惑う(もしくは果敢にも立ち向かっていく)か、好みの立場で「13日の金曜日」の世界観を体験できる。映画原作のロケーションを再現したマップや、映画ジェイソン役のKane Hodder氏によるモーションキャプチャーの使用など、ファンを喜ばせるコンテンツづくりにより評価され、「2017 Golden Joystick Awards」ではベストインディー作品に選ばれた。

もともとは映画原作に影響を受けたオリジナル作品『Summer Camp』として発表されたが、「13日の金曜日」シリーズの映画監督Sean Cunningham氏の目にとまり、正式にライセンス契約が結ばれた。その後Kickstarterキャンペーンにより資金を募り、開発を本格始動。20175月に無事リリースされた。しかしながら先述した映画1作目の脚本家Victor Miller氏と、版権元Horror Inc.との間で続いている版権争いにより、Gun Mediaおよび開発スタジオIllFonicは開発停止を余儀なくされた。

僅かな望みを託していたファンにとっては悲しい知らせであるが、今後のコンテンツ追加が望めないことをはっきりと伝えてくれたおかげで、覚悟ができた方もいるのではないだろうか。今後「13日の金曜日」のIPを使った新しい取り組みが見られるとしたら、別の作品での話となるのかもしれない。なおゲーム自体が放棄されるわけではなく、メンテナンス、バグ修正、経験値倍増キャンペーン、コンソール版に向けた専用サーバの準備といったサポートは継続される。

また622日に開幕したSteamサマーセール(関連記事)にともない、対象セール期間中はPC版『Friday the 13th: The Game』を50%オフの1990円(通常価格3980円)で購入できる。セクシーな水着パックやジェイソンの特別処刑技といった各種DLC50%オフで販売されているので、これからでも遊んでみたいという方は確認しておこう。なお日本語音声付きの国内PlayStation 4版『フライデー・ザ・13th:ザ・ゲーム』については、予定に変更がなければナツメアタリより713日に配信される。