壮大な宇宙探索ストラテジー『Crying Suns』開発中。『FTL』とSF古典小説の出会いが、奥深い物語を生み出す

 

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第567回目は『Crying Suns』を紹介する。

本作は緻密に設定された世界観と、それに裏打ちされた重厚な物語を楽しめる宇宙探索ストラテジーだ。Steamで大ヒットした宇宙シミュレーション『FTL: Faster Than Light』と、数々のSF古典小説にインスパイアされたとのこと。自船を強化しながら脅威に満ちた宇宙を探索する楽しさと、物語の断片を集めることで物語の全貌が明らかになっていくという小説型の体験を同居させた作品となっている。

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舞台となるのは、700年もの長きにわたり栄華と繁栄を極めてきた銀河帝国。そんな帝国のクローン管理施設「ゲヘナ」で、プレイヤーの分身たる提督が冷凍睡眠から目覚めさせられたところから物語は幕を開ける。目覚めさせたのは、施設の管理を任されてきたオムニと呼ばれるロボットだ。そして提督はロボットに誘われるがまま、突如として連絡が途絶えた帝国本星の状況を探るため旅に出る……というのが大筋のストーリーとなる。

周辺宙域の星間通信リレー施設や、長距離ワープ施設はその機能を停止しており、管理を任されていたはずのオムニたちも姿を消すか破壊されていて復旧は困難だ。ゲヘナが置かれた場所は帝国が支配する宙域の中でも辺境に位置するため、帝国本星への旅は長く険しいものとなるだろう。旅を少しでも楽なものとするならば、準備も慎重に行う必要がある。

まずは搭乗する宇宙空母と、艦載機の部隊編成、兵装、同行するヒーロー2名の選択を行おう。特にヒーローの選択は重要で、彼(彼女)らはソルジャー、スパイ、サイエンティストなどそれぞれ異なるクラスに就き、所持スキルも違っている。ヒーローは艦隊戦でさまざまなボーナスをもたらしてくれる上に、クラスに応じて探索中に発生するイベントでの選択肢が増えるため、それぞれの能力を良く吟味して誰を連れていくか考えよう。なお、空母の種類などは、プレイを重ねるごとに増えていくアンロック方式が採用されているようだ。選択肢が増えれば、より自分のプレイスタイルに合った内容を選択できるようになるだろう。

探索は、宙域間をワープしながら、目的地として示された場所を目指し進んでいくことになる。ただし、当然ながらワープには燃料が必要で、船の強化に必要となるスクラップ集めも重要だ。宙域内には複数の惑星や機能停止した施設などが存在するため、資源を求めてこれらの探索を行うのも良いだろう。時には物語に関わるイベントが発生することもあり、探索は重要なパートを占めている。用意されたイベントの種類は豊富で、さらにマップも自動生成されるため、プレイ毎に新しい展開が楽しめるはずだ。

探索中に宇宙海賊などの敵対勢力と遭遇すると戦闘が始まる。戦闘はリアルタイム方式だが、一時停止して指示を出すこともできるため、RTSなどが苦手な方でも安心だ。艦載機に移動指示を出して敵戦闘機部隊などに対処しながら、空母の主砲で敵艦を攻撃。相手艦を沈めることができれば勝利となる。戦闘に勝利すると新たな砲台などを入手することもあるため、空母強化のためにあえて戦闘を重ねるのも良いだろう。

こうして探索と戦闘を繰り返しながら、帝国本星を目指す旅は続く。果たして帝国に何が起きたのか。姿を消したオムニたちの行方は。時を同じくして出没するようになった海賊たちは、この異常事態に関係しているのか。全ての謎を解き明かし、この壮大な物語の終幕を見届けよう。

本作はKickstarterのサイトからデモ版をダウンロードすることができるため、気になった方はそちらからプレイしてみると良いだろう。『Crying Suns』の対象プラットフォームはPC(Steam),Macで、2018年後半のリリースを予定している。