『レインボーシックス シージ』ストリームスナイプ対策を拡充へ。Y6S4開幕後に、偽名表示機能などを一部PC版プレイヤーに先行実装


ユービーアイソフトは11月9日、『レインボーシックス シージ』の「配信者モード」の最新情報を公開した。本作の実況配信をおこなうプレイヤーを、いわゆるストリームスナイプ/ゴースティングの被害から守るための施策であり、同社はかねてより対応に取り組んでいることを明らかにしていた。

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ストリームスナイプ/ゴースティングとは、実況配信者と同じ試合に参加し、YouTubeやTwitchなどでその配信を見ながら、配信者のキャラクターの位置を特定するといった、ゲームプレイ上のアドバンテージを不正に得る行為のこと。『レインボーシックス シージ』においては行動規範にて明確に禁じられており、処分対象となる不正行為である。著名配信者がそうした被害を訴えることが多いが、ゲームプレイ配信をおこなうプレイヤーなら誰でも被害を受ける可能性がある。

この不正行為に対してユービーアイソフトは、複数のパートナーやチームと協力し、ゲームレベルだけでなく、アカウントレベルでもすべてのユーザーを保護できる、持続可能な解決策の作成に取り組んできたという。そして、今年3月に配信された本作のY6S1.1にて、「配信者モード」と呼ばれるオプションを実装。この時点では、(妨害行為を目的に)実況配信者と同じ試合に意図的に参加する、キュースナイプへの対策がおこなわれた。具体的には、配信者の地域とPINGを非表示にしたり、配信者のマッチメイキングにランダムかつ非公開の遅延を発生させたりといった設定が用意されている。


そして今回発表された情報によると、配信者モードに「プライバシー」と呼ばれるセクションが用意されるという。ここには上述のキュースナイプ対策の設定が含まれ、さらに新たな設定項目も実装される。ひとつは、ユーザー名ではなく任意の表示名を作成できる「ニックネームを表示」。ニックネームはいつでも変更可能だ。また、表示名を「あなた」とする『「あなた」として表示』という設定も用意される。

さらに、配信者のゲーム画面に表示される、チームメイトおよび対戦相手すべてのプレイヤーのユーザー名を偽名に置き換える、「他のプレイヤーを隠す」という設定も実装予定。偽名はゲーム側で自動で生成される。配信者自身の表示名は、本来のユーザー名か、上述の各設定に準ずるようだ。これらの設定は、ゲーム画面から配信者個人を特定することを難しくするためのものとなっており、結果としてストリームスナイプを防ぐことに繋がるということなのだろう。

このほか、実験的なオプションとして「アカウントアイデンティティプライバシー」が用意される。この設定では、アカウント名をランダム生成のユーザー名に置き換え、さらにユーザーのプロフィールアバターも隠すものとなる。これにより、サードパーティのツールを使って配信者の身元を特定することも防ぐことができるという。ただ、こちらはテストの結果によっては正式採用を見送る場合もあるとしている。


今回発表された配信者モードのプライバシー設定は、次期シーズンであるY6S4の開幕後に、まずソフトローンチというかたちで、PC版の一部のプレイヤーに向けて提供するとのこと。すべてのプレイヤーを保護することが最終的な目標ではあるものの、コンテンツ制作者(実況配信者など)は、ストリームスナイプなどのハラスメントの影響をもっとも受けているとしており、そうしたユーザーグループから導入されるという。そして、各設定の機能をストレステストし調整を重ねながら、PC版のコミュニティ全体へと提供範囲を拡大。将来的にはコンソール版にも提供されるそうだ。

またユービーアイソフトは、アカウントレベルでのプライバシーとデータ共有は重要な事項であるとし、プレイヤーのアカウントデータやゲームテレメトリの保護を、同社外のサードパーティパートナーにも拡大すると表明。また、そうした取り組みを阻害する企業に対しては、法的な措置を検討するとした。

『レインボーシックス シージ』は、PC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに販売中。次期シーズンであるY6S4「High Calibre」は、11月9日にテストサーバーが公開予定となっている。