Nintendo Switch向けに販売予定の、NINTENDO 64コントローラーの“持ち方”について議論が勃発。左右のグリップを握るのは是か非か

 

今、注目を集めるあのコントローラーについて、議論が盛んになっているようだ。任天堂は9月24日の「Nintendo Direct」にて、Nintendo Switch Onlineの新料金プラン「Nintendo Switch Online + 追加パック」を発表。追加パックに加入すれば、NINTENDO 64およびメガドライブのタイトルがプレイできると伝えた。さらに加入者向けに、「NINTENDO 64 コントローラー」と「セガ メガドライブ ファイティングパッド 6B」も発売予定。それぞれ税込5478円にて、当時のNINTENDO 64およびメガドライブのコントローラーを再現した、Nintendo Switch向けコントローラーを販売するという。 

そして28日には、NINTENDO 64 コントローラーについて詳細が判明。海外向けに発表されている画像から、HOME/キャプチャーボタンやZRボタンなどNintendo Switch向けの独自ボタン構成がなされていることが明らかになった。このニュースは弊誌でも報じている(関連記事)。 

ところが同記事のニュースを伝える弊誌ツイートでは、ある“別のポイント”に注目が集まることとなった。それは、ヘッダー画像に使用した「コントローラーを持つ手」である。同画像では、左右のグリップを両手で握る持ち方となっている。ところがこの持ち方は、当時NINTENDO 64を遊んでいた多くのユーザーにとっては違和感のある持ち方だというのだ。同ツイートは約1000RTほど獲得しているが、そのうち250が引用RT。引用RTの多くが、コントローラーの持ち方について言及する投稿だ。そのほか、引用RT以外でもこちらの持ち方について指摘する投稿が数多く見られる。 

※ The English version of this article is available here
 

 
多くのユーザーが主張する“自然な”持ち方とは、「右手を右側のグリップに、左手を真ん中のグリップに」添える持ち方である。この場合、左手の親指がちょうど中央の3Dスティックにかかる位置となり、スティックでの操作がしやすいかたちとなる。その代わり、コントローラーの左側にある十字キーはほとんど使用しない状態となるわけだ。当時のNINTENDO 64ソフトは3Dスティックによる操作をメインとするタイトルが多かったため、この持ち方をするユーザーが多数派だったと見られる。 

では、上述の画像のように左右のグリップを握る持ち方は間違いなのかというと、実はそんなことはない。任天堂公式のNINTENDO 64紹介ページでは、3つのコントローラーの持ち方が紹介されている。先に挙げた右・中央グリップを握る持ち方は「ライトポジション」と呼ばれるのに対し、左右のグリップを握る持ち方は「ファミコンポジション」と呼ばれる。たしかにファミリーコンピュータのコントローラーのように、左右の手が対称となる持ち方だ。こうした持ち方は、十字キー操作が重要となる作品でよく用いられた。『星のカービィ 64』などが代表作として挙げられるだろう。このほか、ゲームキューブで育った世代のユーザーや、PlayStationのように左右対称の持ち方をするコントローラーに親しんでいるユーザーは、自然とファミコンポジションの持ち方をする傾向があるようだ。 
 

*2020年1月には、コスプレイヤーの桐間彩氏がファミコンポジションでNINTENDO 64コントローラーを持っている写真を投稿し、議論が噴出した。 

 
なお比較的マイナーとされるのが「レフトポジション」で、左手を左グリップに、右手を中央のグリップに添えるスタイル。十字キーと3Dスティックを同時に操作することが可能で、独特の操作感覚を味わうことができる。こちらの操作を利用するソフトとしては、『罪と罰 地球の継承者』が挙げられるだろう。本件については、「社長が訊く『罪と罰 宇宙の後継者(そらのこうけいしゃ)』」にて詳細が語られている。 

当時NINTENDO 64ソフトは、ローンチタイトル『スーパーマリオ64』がライトポジションの作品だったことから、ほとんどレフトポジションが使用されていない状況だった。そこで「レフトポジションをオレたちで使いこなしてやる」というコンセプトのもと、『罪と罰 地球の継承者』を開発。3Dスティックで銃攻撃の照準を動かし、十字キー、またはCボタンでキャラクターの移動をする操作方法が生み出されたようだ。ちなみに『罪と罰 地球の継承者』は、Nintendo Switch Online + 追加パックでも配信予定。レフトポジションによる独特の操作感覚をふたたび味わうことができるだろう。ほか、セタが開発したヘリコプターシューター『ワイルドチョッパーズ』もレフトポジションにて遊ぶタイトルである。 

ライトポジション、ファミコンポジション、そしてレフトポジション。いずれの持ち方も任天堂公認のものであり、作品によって最適な持ち方が推奨されていたのである。とはいえ、NINTENDO 64を愛好していたユーザーが、あまり馴染み深くないファミコンポジションの画像が標準かのように見える画像について、ついツッコミを入れたくなる気持ちは理解できるだろう。 
 

Image Credit : 任天堂

 
ちなみにことの発端となった、弊誌記事でヘッダーとして利用した画像。こちらの出典は、Nintendo of Americaが発行したプレスリリースに添付された画像だ。こちらのリリースは海外ゲームプレスサイトGamespressにも掲載されており、同サイトから現在も確認できる(ただし閲覧にはプレス向けの会員登録が必要)。Nintendo of Americaが何気なしに公開した画像は、海を超えて、多くのゲーマーたちのツッコミを得ることとなった。 

「NINTENDO 64 コントローラー」は税込5478円で発売予定だ。