『オーバーウォッチ 2』はチームサイズが5対5に変更へ。1タンク2ダメージ2サポート構成となり、ゲームプレイが大きく変化

 

Blizzard Entertainmentは5月21日、公式YouTubeチャンネルにて『オーバーウォッチ 2』のPvPモードを紹介するライブ配信をおこなった。チームサイズが5対5へ変更になることが発表されたほか、新モード「プッシュ(Push)」の実際のプレイ映像もお披露目された。


『オーバーウォッチ 2』はチーム対戦型FPS『オーバーウォッチ』の続編。ゲームエンジンをアップグレードしビジュアルを強化するほか、PvEモードを導入。PvPモード「プッシュ(Push)」、新マップ、複数の新たなヒーローを搭載し、既存のヒーローにも大きな調整をおこなうなど、パワーアップして登場する新作。『オーバーウォッチ』とのクロスプレイも可能になる予定だ。

5月21日のライブ配信は、『オーバーウォッチ 2』のPvPに焦点を当てて解説する放送となっていた。PvPにおけるもっとも大きな変化は、『オーバーウォッチ』が6対6であるのにたいして、『オーバーウォッチ 2』は5対5になったことだ。ロールの構成は1タンク、2ダメージ、2サポートとなる。『オーバーウォッチ』では過去5年間、ロールの構成やピックの方式が変わっても、6対6のままだった。新作は6対6から5対5へ変更されたことで、ゲームプレイが大きく変わることになりそうだ。


ゲームディレクターのAaron Keller氏は、6対6から5対5へ変更した理由について説明している。同氏は、現在のタンクは対処しづらい場合があると語る。ダメージはシンプルに敵を撃つだけなのにたいして、タンクはそのアビリティも含め存在感が非常に大きいからだ。タンクを減らすことで、チームのひとりひとりがより大きな影響力を持つことができるという(18分30秒あたりの発言より)。『オーバーウォッチ』では、これまでもヒーロープールやロールロックなどでチーム構成が変化してきた。5対5はゲームの次なるステップになるとのことだ。

開発チームは、プレイヤーが戦況を簡単に理解し、把握できるようにしようと努力してきたという。しかし6対6の環境下で、自分のほかの11人のプレイヤーが戦場で何をしているのか追跡することは難しい時もある。そこで12人のうちから2人削除することで単純化を図る。それによってプレイヤーは自分の周りで起きていることをより理解し、より良い選択をおこなえるようになるねらいだという。チームサイズはほかにも検討されたそうで、4対4や7対7、1タンク3ダメージ2サポートもテストがおこなわれたという。


またチームサイズの変更は、タンクのアビリティにも影響している。ディフェンス重視からより攻撃的なロールへ変わっている。BlizzConline 2021でも明らかにされたように、ラインハルトはファイア・ストライクを2回撃てるようになる。またチャージは途中でキャンセルができ、軌道の修正も容易になる。ウィンストンはサブ射撃が可能になり、遠方の敵への攻撃手段を獲得。ザリアはバリアショットとパーティクル・バリアを各種1回ずつではなく、両アビリティ共有のチャージ回数(2回)制になった。なおこれらの変更はあくまでも開発段階のものであり、製品版にて反映されると確定したわけではない。

マップの設計方針についても、タンクが減って5対5になったチームサイズに合わせて変更されている。新マップ「ニューヨーク(New York)」については、いなくなったタンクを補完するように、カバーオブジェクトが多く設置されている。ほかのマップについても、フランクが可能なポイントが多く作られているという。ルシオの故郷「リオ(RIO DE JANEIRO)」もお披露目され、カラフルな家々やルシオのクラブが確認できる。「モンテカルロ(MONTE CARLO)」では、高級ホテルやカジノが立ち並ぶ街並みを楽しめる。

ゲストのプロゲーマーsuper氏によると、チョークポイントが多い『オーバーウォッチ』にたいして、『オーバーウォッチ 2』ではフランクできるルートが増えたと指摘(1時間25分あたり)。ただしチームサイズが小さくなったことで、奇襲する場合は4人のメンバーをおいていくことになる。6対5より5対4のほうが人数差のもたらす影響が大きいため、奇襲のリスクも増えたようだ。


かねてから告知されていた新ルール「プッシュ(Push)」の実際のプレイ映像も公開された。ルールとしては、マップの中心にロボットがおり、このロボットを奪い合うことになる。チームの制御下にあるロボットは敵陣へ向けてバリケードをプッシュしていく。バリケードがチェックポイントへ到達すると、新たなリスポーンポイントが設定される。そしてより敵陣深くまでバリケードをプッシュできたチームが勝利するのだ。

「プッシュ(Push)」は目標が移動するコントロールのようなプレイ感覚で、マッチの時間もコントロールと同じくらいになるという。ロボットは制御を奪われるたび、ルートをいったり来たりすることになる。戦線が前後に動くため、速いペースの試合展開になるようだ。試合時間が長引きがちな、アサルトのかわりとなるルールであることがほのめかされていた。


『オーバーウォッチ 2』ではRole Passives(ロールパッシブ)と呼ばれる、パッシブアビリティが各ロールに設定されている。タンクであれば、ノックバック効果が軽減される。たとえばルシオのサウンドウェーブで飛ばされる距離が短くなるようだ。またダメージを与えられた際に敵に与えるアルティメット・チャージも少なくなる。ダメージロールであれば、移動速度にボーナスが付与される。サポートであれば、ダメージを受けても戦闘から短時間離れた際に自動で回復できるという。

ほかのヒーローの変更点では、メイの凍結ブラスターは敵を凍結させず、ダメージを与え動きを遅くするだけとなった。ルシオのサウンドバリアは、HPバーで緑色に表示されるようになる。さらにサポートロール全般で、ヒール中は対象のヒーローのアイコンが画面に大きく表示され、ヒール対象が一目でわかるUIが追加されていた。

『オーバーウォッチ 2』の発売時期は未定。ただし、2021年内に発売される予定はないという(関連記事)。