発売予定の「RTX 3060」には、一部仮想通貨のマイニング時に性能が半減するゲーマー向けの仕様が。採掘用の「NVIDIA CMP」も発表

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NVIDIAは2月18日、「RTX 3060」のソフトウェアドライバには、Ethereumの仮想通貨のマイニングアルゴリズムを検知した場合にハッシュレートを制限する機能が含まれていると公式ブログ内で明かした。あわせて、マイニング用の「NVIDIA CMP」シリーズも発表しており、ゲーマー向けのグラフィックボードを保ちながら、採掘用の効率的なデータセンター構築も支援するそうだ。
 

 
ブログ記事内で、NVIDIAはGeforceシリーズについて改めて説明している。彼らはゲーマーであり、新しいゲームの機能、アーキテクチャ、新しいゲームや技術についてこだわりをもっており、ゲーマーのためにGeForce GPUをデザインした。しかしGPUは、ディープラーニングや暗号通貨のマイニングなどにも利用されている。そこでNVIDIAは、2月25日のRTX 3060の発売にあわせて、GeForce GPUがゲーマーの手に渡るための重要な一歩を踏み出すという。具体的には、RTX 3060のソフトウェアドライバへ、Ethereumの仮想通貨のマイニングアルゴリズムを検出した場合に、ハッシュレートや仮想通貨の採掘効率を約50%に制限する仕組みが盛り込まれているそうだ。

国内では、グラフィックボードの品薄が続いている。ネット通販においては、最新のGeForce RTX 3000シリーズやRadeon RX 6000シリーズを搭載した製品は在庫切れが多い状態になっている。秋葉原では、GeForce RTX 3000系の在庫不足は深刻化しており、GeForce RTX 3090しか在庫のないショップや、全モデルの在庫がないショップも。グラフィックボードを買い求める中には、マイニングや転売目的の人もいるそうだ(AKIBA PC Hotline!)。Covid-19の影響もありつつも、ビットコインの価格は現在5万ドルを超えており、仮想通貨のマイニング需要もグラフィックボードの品薄の一因と考えられる。こうした現状を踏まえて、NVIDIAはRTX 3060のソフトウェアドライバへゲーマー向けの仕様を盛り込んだのだろう。
 

 
RTX 3060をゲーマー向けとする一方で、NVIDIAはEthereumマイニング用のGPUとして「NVIDIA CMP」シリーズを発表している。NVIDIAのブログによると「NVIDIA CMP」シリーズは、グラフィック処理を行わず、マイニング性能および効率に最適化された新製品。ディスプレイ出力がないためにエアフローが改善されているほか、ピーク電圧と周波数が低くマイニングの電力効率も向上しているという。また「NVIDIA CMP」により、NVIDIAはゲーマー向けのGeForce RTX GPUを保ちつつ、マイナーが効率的なデータセンターを構築することも支援するそうだ。

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