Nintendo Directの実施を自信たっぷりにリークした海外メディア、予告を外し厳しい批判に晒される

ゲームメディアGaming INTELは4月10日、Nintendo Directが現地時間11日に実施されるとのリークを外したことを弁明するツイートを投稿した。同メディアは11日にNintendo Directが実施されると独自情報をもとに大々的に報道した。Nintendo Directは前々日に任天堂が予告するパターンがほとんどであったが、結果的に10日になっても公式発表はなかったことから、11日に任天堂のイベントが実施されないことが濃厚となった。

海外メディアGaming INTELは、リークやデータマインなどを専門的に扱う情報サイト。同メディアはまず3月31日、独自情報を得たとしてNintendo Directが4月に実施されるという記事を投稿。1週間後となる4月7日に、Nintendo Directが11日に放映されると明かした。強調したいのは、このメディアが高らかに同日に放映があると宣言していたこと。「多くの人は懐疑的に思うだろうが、自信のあるリークだ」とし、信頼できる情報を信頼できる関係者にクロスチェックさせ、導き出したリーク情報であるとコメントしていた。

Gaming INTEL記事内の殊勝な記述

何度もTwitterなどで注目を集め高らかに宣言していながら、それが外れたことで赤っ恥をかいている。批判に対し反応するツイートでは、発表されないことを受けて情報元に問い合わせているとし、これまでのことを考えると外れたことは特に珍しいと釈明。何か情報が入り次第、報告するとしている。盛大に外した同メディアの投稿に対しては、それを嘲笑するようなリプライが400件以上届いている。たとえば、デデデ大王の嘲笑アニメや任天堂のロゴに「Bruh Momet」のミームをコラージュした画像。Nintendo Directの画面をコラージュし「面白くもないからやめろ」と痛烈に批判するリプライなどが並び、かつそれらが多くのいいねを獲得している。

Gaming INTELは、しきりに過去のリーク実績を誇っている。たとえば2019年1月にNintendo Directがあると宣言し、1月に放映されたNindies Showcaseを指し言い当てたと公表。昨年9月のNintendo Directや11月の大乱闘スマッシュブラザーズ Directについても実績のひとつとしてカウントしている。では同メディアのリークは本当に信頼に値するのか。ここ1年の、真偽がはっきりしている任天堂に関連する「独自ソース」リーク予告と結果を見ていこう。

×2018年4月21日に『Call of Duty ‘Battle Royale’』なるタイトルがNintendo Switchで発売されると報道。同年10月12日に『Call of Duty Black Ops 4』にあわせてリリース予定とリーク。結果は発売されず。

○2018年4月26日に『フォートナイト』がE3でNintendo Switch向けに発表されると報道。結果は発表&配信される。

×2018年5月18日に「ポケモン Direct」が放映されると報道。結果は放映されず。

○2018年9月4日、Nintendo Directが14営業日以内に実施されると報道。結果は9月13日に放映される。

△2018年10月21日、「大乱闘スマッシュブラザーズ Direct」が11月5日から12日にかけて放映されると報道、本命は8日。結果は11月1日に放映される。

×2018年10月21日、Nintendo Directが11月頭に放映されると報道。結果は放映されず。

×2018年11月1日、「NINTENDO 64 mini」が近日中に発表されると報道。結果は発表されず。

△2019年1月2日、1月中にNintendo Directが放映されると報道。結果は23日にNindies Showcaseが放映される。

×2018年4月7日、4月11日にNintendo Directが放映されると報道。結果は放映されないことが濃厚。

これまでの実績として、『フォートナイト』Nintendo Switch版のE3の発表と、9月のNintendo Directは、その難易度は置いておき、言い当てているといっていいだろう。「大乱闘スマッシュブラザーズ Direct」は8月に1度放映されており予想しやすく、かつ日付を絶妙に外している。1月のDirectのリークについても、外れてはいないがNintendo Directを予告しNindies Showcaseになったという点は、あたったといえるものではないだろう。結果的には、あたったと認定できるものは、9個中大目に見て4つ。厳しく見て2つである。

結果的には、今回のリークを外してしまったことで、多くのユーザーからブーイングをかっている。原因はいくつか考えられるが、前述したように「煽りすぎた」代償がひとつあげられる。11日に放映されると発表した際には「公式発表があるまで話半分で聞いてほしいが、これまでのDirectを正確に言い当てた情報源から考えると、この件については自信を持っていいだろう」とまで言い切っている。過去の実績とはいうものの、11月のNintendo Directと「NINTENDO 64 mini」の発表を外しているにもかかわらず、それを半ば隠しながら「2回の記事」にわけ、SNSなどを介して4月のNintendo Direct実施を予告。それを外したメディアに大量の嘲笑の声が飛ばされている。Redditの該当スレッドなどを見ても、とてもではないが好かれているとは言えない評価が確認できる。

『フォートナイト』のNintendo Switch版についても各所で噂となっており、独占のスッパ抜きではないことを強調しておく。

すでにGaming INTELは、前述した2つの盛大な外しと誤りを認めない姿勢により、信頼できないメディアとしての烙印が押されつつある。しかしながら、任天堂は情報統制がとれており情報漏えいが少なく、それでいて人気企業であるということで、こうした不確かなリークであっても情報価値が高い。それゆえに、Gaming INTELのリーク予告はSNSなどでは信頼度が高くなくとも、メディアやユーザーからシェアされがち。打率がそれほど高くないリーク・ライターであるEmily Rogers氏や、King Zell氏の発信が重宝されるのも、このあたりが理由だろう。誤った情報をたびたび発信するにもかかわらず、色々なところで取り上げられ目に入るメディアは結果として反感を買い、後ろ指をさされてしまっているのだ。

こうした単純な情報リークとは異なり、欧米では、業界に蔓延る問題を暴くためのリーク情報は、ジャーナリズムのひとつとして見られる傾向にある。『Anthem』の開発や労働環境の実態を指摘したほか、これまで数多くの内部告発系レポートを公開した実績を持つKotakuのJason Schreier氏は、ゲームジャーナリストとして業界内で高く評価されている。またRiot Gamesの性差別問題を報道したCecilia D’Anastasio氏も、New York Game AwardsのBest Games Journalism部門でアワードを獲得している。リークをステータスのひとつとして評価する側面があるからこそ、問題提議としての価値がなく、かつ精度の低いリークを発信し続けるメディアやライターには、厳しい評価が下るのかもしれない。

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