「ゼルダライク」ブームの密やかなおとずれ


Surgeon Simulator 2013』に始まり『Goat Simulator』で栄華を極めた"Simulator"ブームについては、かつて石元がお伝えした通りです。このブームは、現在ではほぼ鎮火したといってよいでしょう。

"Simulator"ブームにかぎらず,、ことインディーゲーム界隈に「特定のジャンルがヒットすると、似たようなゲームが雨後のタケノコのように大量生産される現象」が存在することは、みなさまもなんとなく勘づかれているのではないでしょうか(インディーにかぎったことではないかもしれませんが)。

n+』、『I Wanna Be The Guy』、『Super Meat Boy』に代表される2D Platformer(2D横スクロールアクション)、『DayZ』に始まるゾンビアポカリプスものなど、この現象には枚挙にいとまがありません。

今回は、こういうなんだか急に増えだしたゲームジャンルの1つとして、GBの『ゼルダの伝説 夢をみる島』、SFCの『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』に似た"ゼルダライクゲーム"(とくに決まった名称がないようなのでこう呼ぶことにします)を数点ご紹介します。ちなみに筆者は、ゼルダライクゲームの開発が増えるきっかけとなったゲームは、『The Binding of Isaac』や『Anodyne』あたりじゃないかなと考えています。

 


  1. Shipwreck』 
    • 最初に紹介するのはBrushfire Gamesの『Shipwreck』。『夢を見る島』タイプの、画面にマップが固定されているアドベンチャーゲームです。公式ページおよびDesuraから購入可能。

       
  2. Dungeon Buster
    • Light-Up Warrior Games (公式サイトがありません)が開発中の『Dungeon Buster』。プロモーション動画では「往年の偉大なアドベンチャーゲームをインスパイアして……」と"わかりやすい"説明のあとに『夢を見る島』の映像がチラッと出ますが、どちらかといえば本作は『神々のトライフォース』風アドベンチャーゲームです。

      Steam Greenlightのページによると、2014年の終わり、または2015年のはじめ頃に無料でリリース予定とのこと。

       

  3. Elysis
    • 『Elysis』は『夢を見る島』と『神々のトライフォース』の中間くらいのグラフィックのアクションアドベンチャーゲーム。下掲の動画からわかるように、ハックアンドスラッシュ的な要素が強く出ています。2014年Q4リリース予定(価格不明)。

       
  4. Lenna's Inception
    • 外見的にはもはや『夢を見る島』そのものですが、マップは全てランダム自動生成されるところが特徴です。公式ページからダウンロードできるアルファ版では、ダンジョン攻略の時間とスコアを競うチャレンジモードと、シードを元にワールドを生成する(『Minecraft』のそれに似ています)ストーリーモードで遊べます。

      プレスキットによれば、2014年終わり頃にDesuraitch.ioにて5ドルでbeta版を発売予定。

       


序文に「雨後のタケノコ」という表現を使いましたが、これらゲームは"Simulator"ブームのようにカネのにおいがプンプンするわけではありません。そもそもゼルダライクなゲームは画面構成上どうしてもミニマルな作りになるわけで、ModDBやTIGSourceをのぞいてみても、開発者たちはわりとのんびりと開発をしているように見うけられます。

といっても筆者は"Simulator"ブームに乗じてKickstarterで一儲けを狙うような輩を全て否定するわけではありません。そこは念のため強調しておきます。商魂たくましいことはよろしきこと。独立と金銭確保は当然切りはなせない問題でしょうし、しかるにやはりお金は大事です。牧歌的なインディー、つねに抜け目ない商人の目を持つインディー。どちらも面白ければすべてよしとしましょう。