Steamの週間売り上げ最新ランキング、テンセント関連の新作が上位を独占。存在感見せる

 

Steam上の情報を収集・公開している非公式データベースサイトSteamDBは5月23日、Steamにおける5月22日までの1週間の売り上げランキングを公表した。これについて市場調査会社Niko PartnersのシニアアナリストDaniel Ahmad氏が、中国のIT大手テンセント関連の新作タイトルがランキングを独占していると指摘し、注目を集めているようだ。

SteamDBは、Steamのさまざまな公開情報を収集しデータベース化している非公式サイト。その活動のひとつとして、Steamストアでの売り上げランキングを毎週公開している。最新のランキングによると、Steam Deckと『エルデンリング』が前週よりそれぞれ順位をひとつ落とし、新作である『V Rising』が1位、同じく新作の『Arma Reforger』が3位発進となった。ちなみに、このランキングは売り上げ金額ベースのため、Steam Deckなどの高価ながら人気のハードウェアは、ランキング上位の常連となっている。

Daniel Ahmad氏が指摘したテンセントの関与については、たとえば『V Rising』の開発元Stunlock Studiosは、2021年7月にテンセントからの出資を受け入れ、同社は大株主となった。また『Arma Reforger』の開発元Bohemia Interactiveについても、テンセントは2021年2月に出資し小数株主となっている。なお、『エルデンリング』を手がけたフロム・ソフトウェアはKADOKAWAグループの連結子会社であり、テンセントは同グループにも出資している。

売り上げ1位となった『V Rising』は、今年5月17日に早期アクセス配信を開始したオープンワールド・サバイバルゲーム。プレイヤーはヴァンパイアとなり、陽の光を避けながら、敵と戦ったりクラフト・建築をおこなったりなどのゲームプレイを楽しめる。

本作は、配信開始からわずか4日間で売り上げ50万本を突破し、さらにピーク時の同時接続プレイヤー数は10万を超えるなど非常に好調な滑り出し(関連記事)。納得のランキング1位だろう。また、本作はDLCの「Founder’s Pack: Eldest Bloodline」もよく売れているようで、今回のランキングの5位に食い込んだ。

『Arma Reforger』

『Arma』シリーズを手がけるBohemia Interactiveは言わずもがなであるが、『V Rising』のStunlock Studiosにしても高評価を得た『Battlerite』などで知られ、これらのスタジオへのテンセントの投資は手堅いものだったといえるかもしれない。とはいえ、昨年出資したばかりのふたつのスタジオの新作が、早くも最高の結果を残した格好である。また、資金はゲーム開発の生命線でもある。開発費に苦しみ頓挫したり、完成度がいまひとつなまま世に出たゲーム作品も少なくはない。テンセントの投資によるバックアップが開発元に余裕を与え、好評となる作品開発を助けた可能性は大いにあるだろう。

テンセントは、ほかにも多数の著名スタジオに出資し、あるいは子会社化している。今回のSteamでの売り上げランキングは、ゲーム業界で高まり続けている同社の存在感の一端を垣間見せることとなった。



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