秘密保持契約を破り『Anthem』のアルファテストをTwitchで配信した実況者、手痛いペナルティを食らう

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今月12月8日と9日(現地時間)の2日間にわたり、『Anthem』のクローズドアルファテストが実施された。指定期間中にEAのコミュニティプレイテスティングサービスに応募したユーザーを対象に、時間帯やプラットフォームを選び、いち早くElectronic ArtsとBioWareが手がける大作『Anthem』がプレイできる。一方で、参加者とEAは秘密保持契約(NDA)を結ぶ。インターネット上で『Anthem』の情報を他者と共有したりすることが禁止されるわけだ。この契約を真正面から破り、痛い目にあったユーザーが現れた。

配信をおこなったユーザーの名前は、Smokethrone。このユーザーは、ライブ配信プラットフォームTwitchにてPC版『Anthem』のゲーム実況を始めた。氏はいわゆる有名実況者ではないものの、この配信に多くの人々が集まり、さまざまな場所でシェアされた。もちろん、この事態にEAが黙っているはずもなく、たちまちSmokethrone氏の『Anthem』の接続はストップされる。それだけでは収まらなかった。氏がEAのゲームクライアントOriginを立ち上げてみると、ゲームのライブラリは空っぽになっていたのだ。今まで同プラットフォームで購入および入手した、所有ゲームごと失ったことになる。

どうやらこのユーザーは、EAから送られてきたアルファテスター向けのNDAメールを見せびらかしており、“確信犯”であったことがうかがえる。プラットフォームの規約を違反すれば、プラットフォームにおける所有ゲームを失うのは当然の措置だろう。アカウント停止処分になっていてもおかしくないはず。特段特別なことではない。ただし、今回においては、映像としてしっかりその瞬間が残っており、それが話題を呼んでいるようだ。映像では、突如クライアントが停止したSmokethrone氏が、タスクマネージャーから『Anthem』を停止し、Originを起動。ライブラリに何もゲームが存在せず、動揺するという流れが確認できる。

『Anthem』のクローズドアルファの守秘義務を違反していたユーザーは少なくないようで、同作のエグゼクティブプロデューサーであるMark Darrah氏は、接続トラブルについて不満を呈しているプレイヤーに向けて「そもそもアルファテストの主目的はネットワークテストだ」としつつ「公の場で発信することで、秘密保持契約を違反していることに気付いているのか」と半ば怒り気味に警告している。Smokethrone氏以外にも同作を配信している実況者が複数目撃されていた。すでにこうした配信は取り締まられたようだが、契約を守れないユーザーが続出していることが確認できる。

ある意味では、それだけ『Anthem』が注目されていることだろう。『Anthem』は、BioWareが手がけるアクションRPG。舞台となるのは、創造を始めた神々に見捨てられた世界。天変地異により生物たちが邪悪に染められた世界にて、プレイヤーはフリーランサーとしてジャベリン・エグゾスーツを選んで身に着け、大地を探索する。装備品の性能・パークがランダムで決まるランダムロールシステムを採用しており、ハック・アンド・スラッシュ型の作品としても期待されている。これまで数々のトレイラーが公開されているものの、同作に期待を寄せるユーザーは、本作がどのようなゲームになるのか気になっているはずだ。“数字がとれる”ということが、厄介なユーザーを呼び寄せているようだ。EAにとっては災難であるが、クローズドアルファなどの秘密保持契約を破るとどうなるかがわかる、興味深いモデルケースだと言えるかもしれない。

『Anthem』は予約者およびEA AccessおよびOrigin Access加入ユーザー向けにVIP体験版が2019年1月25日に配信予定。そのほかのユーザー向けにも、2019年2月1日に体験版が配信されるので、こちらをお行儀よく楽しもう。『Anthem』はPC/PS4/Xbox One向けに2月22日発売予定だ。

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