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生成AI製のゲーム攻略Wikiが乱造、“存在しないキャラのアンロック方法”など載る始末。まともなWikiが埋もれる事態に、ゲーム開発者も頭を抱える
生成AIを利用したゲームの攻略Wikiが増加を見せており、業界関係者からも問題視されている。

先ごろ生成AIによって作られたと見られる『ファイアーエムブレム 万紫千紅』の非公式攻略本が乱造されていることが話題となった(関連記事)。一方で生成AIを利用したゲームの攻略情報のビジネス化の対象は攻略本にとどまらず、攻略Wikiにおいても問題視されている。
たとえば海外メディアEurogamerは、GameDBというサイト名で運営されていた攻略Wikiサイトを問題視する報道をおこなっている。同サイトのトップページには当初、『Mistfall Hunter』『Echoes of Aincrad』『Wardogs』などの25作品の話題作の攻略Wikiが並んでいたという。一方で現在、同サイトはWikiTacticsなる別サイトにリダイレクトされるようになっており、攻略Wikiも『Order of Sinking Star』など5作品に整理されている。

そのすべてが生成AIを利用して作成されたものかは不明だが、今も同サイト上に存在する『Tears of Metal』の攻略Wikiの管理人の説明によると、同作のWikiは生成AIを利用して作成を効率化しつつ、ユーザーのフィードバックを取り入れて内容を調整しているとのこと。ただ同作の公式Discordサーバーでこの攻略Wikiを紹介しようとした管理人は、一時BAN処分を受けたようだ。Reddit上でBAN処分の解除を求めたWikiの管理人に対し、開発元Paper Cult Gamesは、同サイトの情報が最新のゲーム内容を反映しておらず、ゲーム内で実際に確認できないような内部的な変数名に基づいた情報も含まれていると指摘。BAN処分は解除するものの、Wikiの宣伝を控えるように苦言を呈していた。
ちなみに『Tears of Metal』の別の攻略Wikiにおいては、過去に実際にはゲームに登場しないキャラクターをアンロックするための情報が掲載されていることが物議を醸していた。同作の開発元Paper Cult Gamesはこの報告に対し、「AIを使ってゲームファイルを解析し、実際に登場するか否かはお構いなしに情報を掲載しているのだろう」との見解を伝えていた。先述したWikiTacticsの『Tears of Metal』攻略Wikiとは別のサイトであるが、生成AIによって誤った情報が掲載される例があり、開発元がそうしたWikiの存在を警戒していることもうかがえる。
またWikiTactics上に存在しないが、別のゲームである『Ostranauts』でも生成AI製と思われる粗雑なサイトが複数存在していることが報告されている。ここ数か月で同様の事例は増えているのだろう。
そして、主にインディーのストラテジーゲームを多数販売しているパブリッシャーのHooded HorseのCEO、Tim Bender氏は10月8日、LinkedIn上でこのゲームのAI生成Wiki問題について指摘している。少しでも注目を集めたゲームが登場すると、たちまち広告収入を狙ったと思われる、AI生成されたとみられる疑わしい攻略Wikiも次々と出現するようになっているそうだ。そこに掲載されている不正確な情報が原因でユーザーからの問い合わせが相次ぎ、その対応に苦慮しているという。
ゲーム関連、非関連を問わず既存のWikiに対し、AIを利用して生成した情報・記事を掲載しようとする動きは増加しており、サイト管理者が対応に追われるなど、各所で問題が起きていた。それをきっかけとして、AIの活用について明確なポリシーを打ち出したサイトも少なくない。いまや単体の記事ではなく、Wikiそのものを生成AIを使って作成するという段階にまで進展してきているようだ。

生成AI製のWikiの増加により既存のゲーム攻略Wikiはふたつの面で不利益を被っている。まず競合の増加によるページ閲覧数の低下、それによる広告収入の減少だ。多数のサイトを作成され、たとえ内容が不正確であってもそれぞれがSEO技術を駆使していると、既存のゲーム攻略Wikiはある程度の閲覧数が奪われてしまうことが予想される。
もうひとつの不利益は、生成AIを使って攻略Wikiを作成するためにスクレイピング(クローラー等を利用して他のWebサイトから自動的に情報収集すること)の対象となりうることだ。これにより収益にはつながらないアクセス数が増加し、サーバー利用料金の増加を招くという。『Dune: Awakening』のコミュニティWikiの創設者であるFlamingMojo氏によれば、生成AIの影響でサーバー利用料金は3倍~10倍にまで跳ね上がったという。
過去に遡れば、攻略Wikiはこれまでもビジネスの対象として注目を集めてきた。日本においても、当初は熱意ある有志によって作成され、質の高いデータ、情報を網羅した攻略Wikiが複数存在していたが、いつからか“少しでも注目を集めたゲームが登場すると”メニューの項目のみで内容は何もなし、しかし広告だけはしっかりと完備された攻略Wikiが登場するようになった。そしてさらに営利企業によって運営される攻略Wiki、いわゆる企業Wikiも登場。こちらは情報の質や内容については一概には言えないが、他の攻略サイトから丸写ししてきたと思われる情報が掲載されていたり、十分な閲覧数が集められないとたちまち放置されたりという問題が指摘されている。SEO対策の行き届いた企業Wikiは、ゲームのタイトルで検索すると優先的に表示されることも多いが、放置されていた場合には情報が不足していたり、古かったりして全く役に立たないといった不満の声も出ている。すでにさまざまな問題が生じていたところに新たな脅威として、生成AIを活用して作成されたWikiが登場したわけだ。
AIの技術や精度は日々進歩し、活用の幅も拡大している。攻略Wikiに利用されることで、Wikiの作成・更新の効率化や、知名度の低いゲームのWiki作成のハードルが下がることにも期待できるかもしれない。一方で実際のゲーム内に存在しないような不正確な情報が混入したり、そうした情報を含むWikiが乱立し、手作業で情報を蓄積してきたWikiが埋もれてしまったりする状況は問題視されるところ。今後の推移を見守っていく必要がありそうだ。
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