『ファイアーエムブレム 万紫千紅』の怪しげな非公式攻略本がAmazonで乱立。生成AIっぽい表紙に怪しいサンプル文、「売れたら儲けもの」やったもんがち状態

『ファイアーエムブレム 万紫千紅』が9月17日に発売された。現在Amazonでは「万紫千紅」と検索すると9冊の非公式な攻略本が確認できる。

任天堂より『ファイアーエムブレム 万紫千紅』が9月17日に発売された。非常にコンテンツの大きなゲームであり、人々が攻略情報を求める中で、現在Amazonでは「万紫千紅」と検索すると9冊の非公式な攻略本が確認できる。過去にもさまざまなタイトルで生成AIによって作られたと思われる攻略本の登場が話題となったが、再び注目を集めている。

『ファイアーエムブレム 万紫千紅』は、『ファイアーエムブレム』シリーズの最新作だ。対応プラットフォームはNintendo Switch 2。プレイヤーは魔神の復活により滅びゆく世界に降り立つ救世主。そのままでは厳しい戦いを乗り越えるため、過去へ遡り「ダグシオン大剣闘祭」に参加する4人の戦士の運命を変えていく。『風花雪月』の流れを汲む新作でもある。

本作については公式の攻略本は「電撃Nintendo 2026年12月号」に付属するガイドブックなどが存在するが、単品での攻略本は発売されていない。一方で、Amazonを検索すると9冊ほど攻略本の存在を確認することができる。これらはおそらく、非公式攻略本だろう。そのうち7冊については購入できる状態であった。いずれも表紙は公式イラストですらない生成AIらしいものであり、電子書籍は存在しないようである。

それぞれのタイトルには「完全攻略」「隠し要素」「徹底解説」といった網羅性を思わせる単語が含まれている点も特徴だろう。4冊についてはレビューが確認でき、1冊については「Amazonで購入」表記のレビューが確認でき、実際に購入している人もいる様子。レビューについてはすべてのレビューが星1である。実際にAmazon上ではサンプルページも確認できるが、画像がなく、ひたすらに文章が続き、長ったらしいのが特徴だ。

こうした生成AIによって作られたと見られる攻略本が現れた例は過去にも少なくない。今年だけで見ても『Slay the Spire 2』『ドラゴンクエストVII Reimagined』『ぽこ あ ポケモン』といった大作ゲームで同様に“怪しい”攻略本が登場した事例を確認できる。こうした状況の背景にはAmazonの「Kindle Direct Publishing」(以下、KDP)が大きく寄与しているだろう。

KDPはAmazonが提供する個人出版向けのサービスだ。Kindle向けの電子書籍と紙の書籍販売を個人でも無料ではじめられる。また、紙の書籍については注文時にAmazonの工場で印刷されるオンデマンド形式で発送される。つまり在庫のリスクを負う必要がないわけだ。また、印刷費用については売上から差し引かれる仕組みであり、事前に支払う必要もない。この仕組みと生成AIが組み合わさることで、低リスクでさまざまな書籍を量産することができる。

なお、Amazonでは生成AIを利用した書籍の出版は禁止されていない。一方でKDPのガイドラインによると生成AI利用時には申告が必要である。ただ、消費者向けの生成AI使用の明示については弊誌では記載を確認できず、今回の9冊についても生成AIを利用しているといった旨の記載は確認できていない。

まとめると、生成AIによる低コストでの大量の文章生成とAmazonが提供する低リスクなKDPの仕組みによって、かなり怪しいつくりでも「売れたら利益を得られる」というやったもんがちな状況が出来上がってしまっているわけだ。

こうしたタイトルが狙われる背景としては、「ユーザー側が公式情報を欲している」という傾向もあるだろう。『ファイアーエムブレム 万紫千紅』には膨大なコンテンツがあり、スカウト条件や成長率などを調査する上では、攻略情報を検索しがち。情報の需要があることにより、こうした怪しげなコンテンツが作られ、そうしたコンテンツを売る“エコシステム”があることで、怪しげな攻略本が生まれていると見られる。

「誰も買わないだろう」と思う方も多いだろうが、実際に購入者がいることも事実である。「擬態」の精度は今後上がることが予想され、読者の方は購入の際にはタイトルだけでなく、サンプルページも確認するなど注意してほしい。

『ファイアーエムブレム 万紫千紅』はNintendo Switch 2向けに販売中。攻略本は、実績のある出版社から発売される(であろう)、信頼に足るものを購入することをおすすめする。

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Genki Hashimoto
Genki Hashimoto

インディーメインに一人称酔い意外は全てを愛するゲーマー。趣味は翌週のsteamリリース全チェック。

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