『INSIDE』元開発者によるSFアクションADV『SOMERVILLE』最新映像公開。謎めいた世界観と豊かなキャラクター表現が光る

イギリスのインディースタジオJUMPSHIPは7月19日、現在開発中のSFアクション・アドベンチャーゲーム『SOMERVILLE』のティザートレイラー第2弾を公開した。同スタジオは、『LIMBO』や『INSIDE』の開発元Playdeadの共同設立者Dino Patti氏が新たに立ち上げたスタジオで、本作はデビュー作となる。昨年の発表時に公開されたティザートレイラー第1弾では、西ヨーロッパの田舎町の空に現れたモノリスのような巨大な物体と、何者かが激しい交戦を繰り広げている様子が描かれていた(関連記事)。

今回公開されたトレイラーは、小川が流れる暗い森での1シーン。犬を連れた二人の男女が、川で足を濡らしながら森を進んでいく。犬が元気に先導する一方、女性は疲れた様子。男性が気遣うが、女性は後ろを気にする素振りを見せたかと思うと、先を急ぐように進む。あとに続く男性も、後ろを見上げるように振り返っている。そして二人が去ったしばらくあと、後方から赤い光が迫ってくるところで映像は終わる。

本作は、地球規模の大惨事のなかを生きる、複数の登場人物の物語を追う作品になるという。この男女は、そのメインキャラクターのうちの2人だろうか。何気ないシーンだが、最後の赤い光が謎を深める。また、本作のアートスタイルは写実的というわけではないが、男女と犬の、ふとした仕草を含むアニメーションは非常にリアルで生き生きとしていることが目を引く。

開発元JUMPSHIPの共同設立者で、本作のゲームディレクターを務めるChris Olsen氏はもともと映画業界で活躍していたアニメーターで、「007 スカイフォール」や「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」などの大作に携わった経験を持つ。本作の開発は、JUMPSHIP設立前のその頃に個人的なプロジェクトとしてスタートしたそうで、こうしたキャラクター表現は本職としてこだわりのあるところなのだろう。JUMPSHIPの公式ブログでも、キャラクターのパフォーマンスは本作の柱であると述べている。『Another World(アウターワールド)』や『Flashback』の、ミニマルながら豊かな表現を持つキャラクターを参考に、クローズアップでも耐えられるよう顔や服装などのディテールを加えていったという。

本作のゲーム内容については依然まだ多くが謎に包まれている。ただ、上述した公式ブログでは2014年から本作の開発状況が伝えられており、ヒントになる情報も多いのでいくつかピックアップしたい。まず、本作はUnityで開発される、2.5Dの横スクロールアクションゲームとなるようだ。今回のトレイラーに登場した男女の服装や装備からは、なんらかのサバイバル要素がうかがえるが、公式ブログでは民家や教会を探索したり、武器あるいはツールとなるナイフを入手したり、あるいは怪我をした人に手を差し伸べる様子などが披露されている。銃を手にする場面もあるようだ。

ティザートレイラー第1弾に登場したモノリスのような物体からは、なにか未知なる存在の襲来を感じさせる。ゲームではそうした敵とのバトルもあるようで、機械なのか生命体なのか、光を放つ小型の飛行ドローンと戦う映像が紹介されている。興味深いのは、ドローンは赤・青・黄の3色に色を変えて攻撃してくるが、プレイヤーキャラクターにもこの3色の属性があり、切り替え可能なようだ。襲ってくる敵に対して、同じ色のエネルギーを身にまとうことで、バリアを張り攻撃を弾き返している。本作のメインキャラクターは普通の人間ではないのだろうか。あるいは、探索を通じて特殊な能力を手に入れるのだろうか。いずれにせよ、本作のゲームシステムにおけるカギとなる要素かもしれない。一方、敵の攻撃を受けた場合、最終的には四肢断裂などゴア表現を伴う死が待っているようだ。

公式ブログではこのほかに、ドローンが地面に設置していった地雷を、またエネルギーを身にまとい瞬間移動するようにして避けて通っている様子や、ピンク色に光るスーツを着た人物が超人的な動きでモンスターを倒す映像を公開中。また森の中に巨大な赤い光の柱が立っている、今回公開されたティザートレイラーの最後の場面を連想させる映像もある。トレイラーでは赤い光から逃げている様子であったが、こちらは光の中から男が現れており、一体これは何を意味するのか興味深い。なお、これらの情報は開発初期のものも含まれるため、どこまで製品版に反映されるのかはわからない。

なお今回のティザートレイラーの公開に合わせて、開発元のJUMPSHIPは、中国の大手パブリッシャーNetEaseが同スタジオの株式を取得したことを明らかにしている。海外メディアGamesIndustry.bizの取材に答えた共同設立者のDino Patti氏によると、本作は欧米だけでなく、中国を含むアジア圏でもリリースする計画だそうで、NetEaseはそのための強力なパートナーだとしている。Patti氏はPlaydeadでは主にビジネス面を担当し、同スタジオを離れた後は起業家としてのキャリアを歩んでいた。『SOMERVILLE』については、まだ対応プラットフォームも発売時期も明らかにされていないが、大きな成功を得るためには中国市場は無視できず、そのリリースのためには現地パートナーが必要だという判断なのだろう。なお、NetEaseが取得した株式は過半数未満で、JUMPSHIPは今後も独立したインディースタジオとして運営していくとのことである。現在、プログラマーやエンジニア、アーティストなどの求人をおこなっており、これから本作の開発を加速させていくようだ。

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