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『スター・ウォーズ:ギャラクティック・レーサー』はフォースなし、ジェダイなしの濃厚「スター・ウォーズ」体験。なぜレース?マルチプレイの調整は?実際に遊んで開発者に訊いた
10月7日発売予定の『スター・ウォーズ:ギャラクティック・レーサー』を試遊し、開発者に直接インタビューする機会に恵まれたのでその内容をお届けする。

『スター・ウォーズ:ギャラクティック・レーサー』はFuse Gamesが手掛け、Secret Modeが発売するスペースオペラ「スター・ウォーズ」シリーズの世界を舞台とするレースゲーム。10月7日に発売予定だ。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/XBOX Series X|Sで、日本語表示に対応する。
「スター・ウォーズ」といえばフォースという人も少なくないだろう。しかし『スター・ウォーズ:ギャラクティック・レーサー』にはフォースも予言も登場しない。アウトローたちの過激なレースが描かれる。なのに確実に「スター・ウォーズ」のゲームである不思議な魅力をまとった作品であった。

このたび弊誌は、東京ゲームショウ2026にあわせて本作を試遊プレイする機会に恵まれた。また、試遊の際には開発元Fuse GamesのCEO兼共同創設者であるMatt Webster氏およびクリエイティブディレクターであるKieran Crimmins氏が同席、説明を受けながらの試遊後にはインタビューも実施した。
弊誌からは「スター・ウォーズ」の知識もレースゲーム経験も人並み……といった筆者と、本作開発陣が携わった『バーンアウト』『ニード・フォー・スピード』シリーズのファンである2名で参加。フォースと銀河を股にかける戦いにフォーカスされがちな「スター・ウォーズ」の世界観のなかで、あえてレースシーンに目を向けた本作に触れた感想と、開発者の生の声をお届けする。なお本稿における本作の説明は、それぞれ試遊版における仕様となるため留意してほしい。
いきなり世界観に浸りきれる、贅沢なプロローグ
本作の舞台となるのは、帝国の支配が終わり、スピードへの熱狂が新たな娯楽として広がった銀河系。シングルプレイ向けのキャンペーンでは、大衆のエンターテイメントとして隆盛したレース「ギャラクティック・リーグ」をめぐるオリジナルストーリーが展開される。現在リーグは、悪党ケスター・ブールに牛耳られており、創設者であるダライアス・パックスは支配権を失う危機に立たされている。そこでダライアスは、ブール家に個人的な恨みを抱く一匹狼のレーサーであり、謎多き傭兵でもある「シェード」に協力を依頼。プレイヤーはシェードとしてレースに身を投じることになる。

筆者がまず驚いたのは、冒頭シーケンスの没入感を高める演出だ。プロローグはいきなりレースのカットシーンから始まる。機体の魅力とレースの空気感を伝える映像の途中でなめらかに操作が可能となり、そのまま一通りの操作を学ぶチュートリアルが開始。本作に登場する基本的な機種が切り替わる流れとなっており、ひとつの機種をある程度操作するとふたたびカットシーンから操作練習へと戻る。ランドスピーダー、スピーダーバイク、スキムスピーダーの3種のマシンの操作感を順番に味わうことができるようになっていた。前述のようなストーリーへの導入が、カットシーンと操作シーンがシームレスに切り替わる没入感の高い体験で提供されるかたちだ。
こうして「ギャラクティック・リーグというレースが盛り上がっているんだな」と理解したところで、主人公シェードのカスタマイズへ。好みに合わせて服装、ヘルメット、音声を選ぶことができる。難易度を選択した後、ふたたびストーリーが進んでいく。
プロローグに戻ると、シェードを招集したダライアスより突然エキシビションレースに放り込まれ、本作最大の宿敵・ケスターといきなり直接対決することに。レース中の無線や試合後にはケスターにかなり罵られることになり、筆者も「こいつ嫌なやつだな」と、ケスターに恨みを抱くシェードと心がシンクロ。やがてレースが終わり、ダライアスより改めてリーグに参加しろと誘われるという流れだ。

この一連の流れで物語の流れが大きく途切れるのは、シェードのカスタマイズと難易度設定程度だ。導入が非常に没入感高い体験となっていることは好感触であった。また、登場人物は非常に個性豊か。ダライアスはベサリスク種族らしい恰幅の良い姿で、メカニックとして相棒のような立場のヒビーは、4本腕を軽快に駆使するエネルギッシュな性格で場を明るくしてくれる。パドックにもさまざまな人々やドロイドがおり、おなじみR2シリーズと見られるドロイドなどもそこらじゅうを歩いている。ライトセーバーもフォースも登場しない本作ではあるが、熱烈なファンではない筆者でも「ここはスター・ウォーズの世界だ」と感じられる世界観が築かれている。
手探りで成長する、やればやるほど力になるレース体験
ストーリーを理解した後には、同行者と交代でキャンペーンモードをプレイした。お恥ずかしながら結果を先に話すと、わずか2レースで機体を破壊してしまいゲームオーバーとなっだが、本作の魅力は十分に感じることができた。なお、操作ボタンについては試遊したPS5版に準拠する。また、製品版では各所に変更がある可能性に留意してほしい。
全体を通しての筆者の感想は「情報は最低限で、自らの力で勝利を掴む体験」というものだ。基本的な操作方法としてはR2でアクセル、L2でブレーキ、○×ボタンではゲージを消費してアフターバーナーというブーストを使用できる。R3スティックでブーストの種類を切り替え、ラムジェットも使用できる。こちらはアフターバーナーよりも強力だが、エンジンに熱がたまるため、使いっぱなしは厳禁だ。そのほかには、□ボタンでドリフト、十字キーでシールドなどのアビリティを選択し、L1ボタンで使用できる。□ボタンについてはマシンごとに挙動が大きく異なるようだ。

スタート時にはQTE操作で機体の起動シーケンスを再現。こちらをこなすことでアフターバーナーやシールドにボーナスが付く様子。その後カウント中にうまくエンジンをふかし、いい感じに調整するとスタートダッシュができる。これらは突然始まるため、最初のレースではまったくうまく操作できなかった。
走り出すとミニマップがないことに気づく。プレイしたのは砂漠の惑星であり、カーブや障害物は思っているよりも突然目の前にやってくる。曲がりきれなかったり障害物を避けきれず多数のクラッシュを体験することとなった。クラッシュについては2回までは復帰可能(難易度により可変)。3回目のクラッシュをするとレース終了となった。リーグトークンというものが残っていればゲームを続けられるが、序盤で1つしか持っておらずゲームオーバーとなってしまった。
失敗ばかり伝えたが、爽快感を感じた点も存在する。ライバルのマシンにうまく突っ込むと相手をクラッシュさせることもできるのだが、その際にはスローモーションとなり破壊の様子をしっかりと見られる。うまく決めるとかなり気持ちよく、カメラが大きく切り替わるにもかかわらず、レース操作にスムーズに復帰できる。この点はレースゲームの名手ならではのノウハウを感じた。また、2周目でなんとなくコースを覚えてきて、ゴール直前の直線でここぞとばかりにラムジェットを使用しギリギリで数人を抜き去ったときには「やってやった感」をかなり味わえた。
製品版ではチュートリアルが入る可能性もあるものの、スタート時の動作は特に説明はなく、レース中も特に注意表示などは出てこない。ほかにも自分で発見していく部分は多く、基本的には己に蓄積された知識と経験で勝利を目指していくことになる。失敗を多く味わうことになるが「次はもっとうまくやれる」という気持ちを強く感じることができた。試遊中にこうした感想を伝えるとKieran氏からはアーケードモードでコースを学び、キャンペーンで実力を試すような遊び方を想定しているという話もうかがうことができた。
ローグライト×レースは緊張と思考の繰り返し
こうした繰り返し遊びたくなる気持ちと相性がいいのが、キャンペーンモードに含まれるローグライト要素だ。ローグライトに明るい方にはおなじみの「枝分かれする経路を選択してイベントをこなす」形式でゲームは進行していく。体験することは叶わなかったが、通常のレースの他には新たなキャラとの出会いとなるようなイベントや、「Eliminator」という一定の順位を保たないとリーグシーズンから脱落してしまう山場となるレースも存在していた。
イベントが終わると、クレジットやアップグレードなどの報酬を獲得することができる。アップグレードはマシンの基本性能を強化することができるがランダムな3つの中から選ぶことになる。ドリフト性能を上げたり、アフターバーナーは無視してラムジェットに集中して強化したりと戦略は自由にとれそうであった。また、どのアップグレードを選んでも最高速度は上がっていくとのこと。クレジットは実際に使うことはできなかったが、パーツやアビリティの購入に利用できるそうだ。Matt氏によるとパーツは200種類程度存在するとのことだ。

リーグシーズンからあえなく脱落してもすべてを失うわけではない。アップグレードやパーツは集め直しだが、プレイ間には恒久的に残る要素の解放を行うこともできる。ランの結果によって獲得できるポイントでランドスピーダー以外の機体の解放などを行うことが可能。くわえてマシンの見た目もこちらのポイントで解放していじることができる。まるごと変更することもできるし、細かく部位ごとに調整も可能。お好みに合わせて左右の形状が違うマシンなども作れる。個人的にはサビの表現を追加できる点がお気に入りであった。
また、シーズンの開始時には14種ものドライバーの特性を選択可能。これらの組み合わせによってローグライトらしい毎回異なる体験を味わえるビルド幅の広さが実現されていた。かなり集中するレースの隙間に挟まるアップグレードや経路選択は、じっくり考えたくなるので脳は休まらないが、体の緊張をほぐすいい休憩時間となる。
ちなみにリーグシーズンから脱落すると、ストーリー上はまた新たなリーグの開催を待ち、チャレンジするという設定になっている。シェードの戦いは最後に勝てば良しの長期戦なのだ。
ポッドレーサーはとにかくピーキー
最後には、キャンペーンでは終盤に登場するという、ポッドレーサーによるレースを体験できた。優等生なランドスピーダーとは一転、とんだじゃじゃ馬であった。ポッドレーサーは4種のマシンの中で最も高いスピードを誇る。しかしそのかわりに非常に脆いマシンとなっている。舞台となるのはタトゥイーン。一連の「スター・ウォーズ」映画を観ている同行者は、劇中のポッドレースを思い出したのか歓声をあげていた。

ポッドレースでは、スタートと同時に明らかにほかの機体とは違う最高速度を体感。とても爽快感がある走りだが、その直後には脆さも実感した。ランドスピーダーは壁に正面衝突するレベルでなければ耐えてくれる事もあったのだが、ポッドレーサーは少し障害物にあたるだけでクラッシュしてしまうのだ。
また、実際の機能が具体的にどういうものであるかは把握できなかったが、ランドスピーダーにてカーブで多用していた□ボタンのドリフトが利用できず、コーナリングも難しさを感じた。ある程度操作に馴染んでからプレイすれば原作さながらの体験ができそうだが、初心者にはとても扱いきれない機体であった。
レースの熱冷めやらぬまま、開発者に訊く
最後に、Matt氏とKieran氏にインタビューを実施した内容をお届けする。「スター・ウォーズ」のレースという裏の部分を取り扱った意図や、体験できなかったマルチプレイなどについてお話を伺うことができた。


――ストーリー部分は『ニード・フォー・スピード』を、クラッシュ感などは『バーンアウト』を感じ、2作を同時に遊んでいるような感覚でした。『Star Wars バトルフロント II』のビークル戦闘モードにも関わっていらっしゃったと思います。やはり過去の経験から影響を受けていますか。
Matt氏:
はい、3作とも私たちは関わってきており、その3つに共通する私たちにとって、とても大切なものがあります。それは「ゲームフィール」です。心にどう響くかという手触りを重要視しています。
――その手触りをつくりあげているものは具体的に何になるのでしょうか。
Matt氏:
まず頭の中にあるファンタジーや理想を思い浮かべます。その一方で本物であることも重視します。なぜなら我々は現実世界の物理的な挙動を感覚として知っているからです。その両方がどちらも必要だと思っています。たとえばジェットエンジンを作る際には、実際にそれを製造することを想像して、プレイヤーがリアリティを持って見て感じられるように制作します。このこだわりはビジュアル・オーディオ、すべてに共通しています。これらを私たちの才能あるチームがつくりあげてくれました。
――「スター・ウォーズ」の世界観ではフォースや予言などが存在します。そのような世界を取り扱う中で、なぜフォースも持たない、ならず者たちのレースを描こうとしたのでしょうか。
Matt氏:
前提として私たちは荒っぽいレースやギャンブルのようなものが大好きです。なので「スター・ウォーズ」の世界には「ギャラクティック・リーグ」というスポーツのストーリーも存在するということを伝えたかったのです。他のゲームではフォースや予言のような「スター・ウォーズ」らしい世界を伝えるものも存在します。私たちのゲームでは「スター・ウォーズ」の世界のそれぞれの人にストーリーがあることを伝えたいと思っています。
――シームレスでとても没入感がありました。『Hades』が大好きでまさにそのレースゲーム版というイメージでした。海外メディアの取材では影響を受けているような言及もありましたが、他にどのような作品に影響を受けているのでしょうか。
Matt氏:
レースの部分についてですが、日本はまさにアーケードレースの本場だと思います。SEGAや任天堂の作品は即時にプレイできる一方で、深みがあるゲームプレイです。ローグライトな要素については『Hades』だけでなく、『Returnal』『Slay the Spire』などに影響を受けています。この2つの要素をまとめると、レーシングの体験を完璧なものに近づけてくれました。本作で重要視しているのは「意思決定とその結果」です。選択することによって、その先にさまざまな影響があるというゲームプレイにしています。
Kieran氏:
失敗無しに喜びはない、ということです。
――ローグライトの面白さを構成する大きな要素には、「ビルドがうまくいった時の気持ちよさ」があると思います。一方で本作にはマルチプレイもあり、「誰かがうまくいきすぎると他のプレイヤーが“萎えて”しまう」といったようなことがないか気になりました。マルチプレイのバランスはどのようにしましたか。
Matt氏:
それについては、私たちは完璧な解決策を持っています。私の意見ですが(笑)
Matt氏:
まず第一に、マルチプレイはキャンペーンよりも圧縮した体験になります。ビルドを作り上げる段階のレースが5回、そして最後に決着をつけるレースの計6回です。第二に、最初の5回のレースの報酬は順位によって決まるものではありません。事前に自分の順位予想に賭け、その結果をもとに報酬が獲得できる仕組みとなっています。例えばトップ9と予想したうえで実際にレースで9位以内に入れればそれなりによい報酬を獲得できます。ビルド段階では自分の能力によらず、賭けに勝つことができれば、ビルド構築を進めることができます。
Kieran氏:
勝負がつくのは最後のレースだけなので、それまでは自分なりのビルドを作り上げることに集中することができます。もし実力のみのレースがしたいのであればクイックレースモードが用意されています。
――奇妙な質問ですが、レーサーや観客が死んでしまったり、怪我をしたときにこの世界ではどうなるのでしょうか。保険のようなものはあったりしますか。
Matt氏:
そうですね、べらぼうに高額な保険商品があります、運営しているのはもちろんハット族です(笑)。でっかいバクタ・タンク(回復装置)で荒稼ぎしてますよ。
――ありがとうございました。
『スター・ウォーズ:ギャラクティック・レーサー』は、PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Epic Gamesストア)向けに10月6日配信予定だ。
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