『CS:GO』ギャンブルの蔓延を受けて米政府がValveへ警告、1週間以内に撲滅策講じなければ法的措置へ

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アメリカのワシントン州ギャンブル委員会は5日、『Counter-Strike: Global Offensive』(以下、CS:GO)のゲーム内アイテムを介したギャンブルサイトの蔓延について、ただちに具体的な対応策を講じるよう、Steam運営元のValve Corporation(以下、Valve)へ警告した。同委員会は今年2月にも、Steamアカウントとゲーム内アイテムを利用したオンライン賭博が州法に抵触する可能性を考慮して、Valveとコンタクトを取っていた。今年7月、大物YouTuberをめぐる一連のスキャンダルを機に、Valve側も賭博ビジネスの運営元に対して停止通知を発行していたが、事態の改善には繋がらなかったようだ。

 

Valveに責任の一端があると政府が判断

『CS:GO』は、Steam運営元のValveが提供するチーム対戦型FPS。シリーズをとおして長い歴史があり、その競技性の高さからe-Sportsシーンでは世界中のファンから根強く支持されている。特に、欧州はメッカと呼ばれるほどの盛況ぶりだ。本作には、武器の見た目を自由にカスタマイズできるスキンというゲーム内アイテムが存在する。武器スキンは1回2.5ドル程度のガチャから入手できるほか、Steamコミュニティ内のマーケットプレイスでも取り引きされている。近年、ユーザーのSteamアカウントを紐付けることで、スキンをチップとして賭けられる外部のオンライン賭博サービスが流行。未成年者に悪影響を及ぼしているとして、一部の国では社会問題にまで発展していた。

Valveが発行した停止通知書
Valveが発行した停止通知書

そんな中、自身のチャンネルでギャンブルサイト「CS:GO Lotto」を大々的にプロモーションした大物YouTuber、“TmarTn”ことTrevor Martin氏が、実は同サイトの運営元を立ち上げた張本人だったことが発覚。同様に、「CS:GO Shuffle」を宣伝していた大物Twitchストリーマー、“PhantomL0rd” ことJames Varga氏も、実際はサイトの胴元であったという事実が、匿名のハッカーによって白日の下に晒された。これら一連のスキャンダルを機に、『CS:GO』を取り巻く賭博ビジネスの実態が大きく取り沙汰されることとなる。今年7月、ValveはSteamのアカウント認証を組み込んだギャンブルの運用が利用規約に違反するとの見解を示した上で、賭博ビジネスの運営元23社に対して商業利用を直ちに停止するよう通知書類を発行。本格的な対応に乗り出していた。

今回、ワシントン州ギャンブル委員会は、今年2月に実態を調査して以降、オンライン賭博の蔓延に収束が見られないことから、自社のプラットフォームが利用されているValveに責任の一端があると判断した形だ。Esports Betting Reportのプレスリリースによると、業界最大手のギャンブルサイト「CS:GO Lounge」では、今年1月1日から8月1日の期間だけで、およそ10億ドルに相当する武器スキンが賭けられてきた。Valveが容認していないとはいえ、それら全ての取り引きにはSteamプラットフォームと同アカウントが用いられているため、違法業者を事実上黙認しているという過失を問われても仕方がないのかもしれない。同委員会はValveに対して、今月14日までに具体的な是正案を提出するよう求めており、これに応じられない場合は刑法に基づいた処置も辞さないと表明している。

委員会のChris Stearnsコミッショナーは、歯止めがかからない『CS:GO』のギャンブルビジネスについて、次のようにコメントしている。「ワシントン州および合衆国全土におけるe-Sportsのスキン賭博は、取り締まりが及ばないギャンブルとして大きな法の抜け穴であり続けており、無秩序な環境で一切の保護下にないプレイヤーは絶大なリスクを伴っています。また、特にe-Sportsシーンで問題視されている未成年による賭博行為のリスクにも着目し、調査する必要があります。Valveが委員会の要求に応じるだけでなく、公共の利益および消費者保護の観点から、将来の取り組みについても委員会と協力しながら事前対策を講じてくれることを切に願います」。

なお、「CS:GO Lounge」に関しては、今年8月に合法的なサービスを提供するための賭博ライセンスを取得すると発表していた。その際「CS:GO Lounge」は、本来の目的はe-Sportsコミュニティにおけるエンターテイメントの提供であり、リアルマネーを使った賭博を意図したことはないと釈明。ゲーム内アイテムには金銭的な価値はないという認識を示しつつも、混乱を避けるために合法的な賭博ライセンスの取得に踏み切ったとの声明を出した。その上で、e-Sportsにおけるオンライン賭博が法律で禁止されている国や地域のユーザーを対象に、8月1日付けで賭け機能へのアクセスを制限すると宣言。該当地域には、アメリカ・イギリス・フランス・スペイン・ベルギーをはじめ、多くの欧米諸国が含まれていた。しかし、問題はギャンブルサイトにおけるSteamアカウントの無断商用が同社の利用規約に違反している点であり、この動きがValveの是正勧告に対する一切の回答になっていないことは言うまでもない。

Valveは停止通知書の中で、「利用規約により、Steamおよびそのサービスは、個人または非営利目的に限りライセンスが付与されています。貴社におけるSteamアカウントの商業利用は認可されておらず、利用規約に抵触しています」と明記しており、それに応じられない場合はアカウントの永久停止処分を含め、あらゆる手段をもって追求する姿勢を明らかにしている。事実、複数のギャンブルサイトがすでに停止勧告を受け入れ、サービスを停止してきた経緯がある。一方、一部サービス内容を変更することで、これまでどおりギャンブルサイトの運営を継続しようとする動きがあることも事実で、ワシントン州政府が強硬手段に出た背景にはValveが取り締まりきれない実情がうかがえる。だからといって、有名なものだけでも700件にのぼるというギャンブルサイトの存在が、一夜にして消え去るとは到底思えない。責任の一端を問われたValveが、委員会の要求に今後どう応えていくのかが注目される。

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