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Steamの新作ゲームが爆発的に増加中、先週は「6分に1本」ペースに。審査は大渋滞、“遊ばれないゲーム”も増え続ける
Steamでは年々登場するゲーム数が増加しているが、ここ数か月ではその傾向がさらに強まっている。

Steamでは年々登場するゲーム数が増加しているが、ここ数か月ではその傾向がさらに強まっている。特に10月にリリースされた新作は、2025年同月の2倍近くとなっている。
Valveが運営するPCゲーム販売プラットフォームSteamでは日々多くのゲームが配信されている。その数は年々増加しており、10年前の2016年は4646本であったリリース本数は2025年には2万1208本へと増加。約2か月を残す2026年は執筆時点ですでに2万4299本がリリースされ、すでに昨年を上回っている状況だ(SteamDB)。
過去2年間の1~10月のリリース本数と2026年の前年比(SteamDBより)
| 月 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2025年比 |
| 1月 | 1,237 | 1,492 | 1,615 | 108.2% |
| 2月 | 1,466 | 1,414 | 1,755 | 124.1% |
| 3月 | 1,417 | 1,864 | 2,419 | 129.8% |
| 4月 | 1,377 | 1,794 | 2,192 | 122.2% |
| 5月 | 1,578 | 1,716 | 1,891 | 110.2% |
| 6月 | 1,446 | 1,680 | 2,063 | 122.8% |
| 7月 | 1,570 | 1,863 | 2,579 | 138.4% |
| 8月 | 1,678 | 1,787 | 2,724 | 152.4% |
| 9月 | 1,443 | 1,628 | 2,878 | 176.8% |
| 10月 | 1,801 | 2,035 | 3,670 | 180.3% |
月ごとのリリース本数を見ていくと今年の増加は7月から特に顕著であることがうかがえる。前年と比較して110~130%程度の数であったリリース本数が7月には138.4%に増加、10月については180.3%と2倍に近い数値となっているのだ。10月については例年リリース本数が多くなる傾向であるが、それを踏まえても3670本という数字は異例だといえるだろう。

また、イギリスのコンサルタント企業ICO PartnersのCEO、Thomas Bidaux氏は毎週のリリース本数をBlueskyにて報告している。11月2日に公開された報告では、前週のリリースは過去最高の1656本であったとのことだ。Bidaux氏の独自の集計である点、11月1日が含まれている可能性がある点には留意したいものの、10月にリリースされたゲームの多くは先週に配信されたようだ。週間リリース本数のグラフを見てもその異常さが伝わるだろう。同氏は8月31日には週間リリース本数が720本を突破し、過去最高を記録したと報告していたが(関連記事)、その2倍以上のゲームが先週リリースされたわけだ。ペースとしてはおよそ6分に1本ゲームがリリースされていることになる。

しかし、多くのゲームが出ているからといって、ユーザーの可処分時間が増えるわけではない。その傾向はレビュー数に表れており、SteamDBを参照すると2025年と比較して100件以上のレビューを獲得したゲーム数はほぼ横ばい。10件以上獲得したゲームは減少傾向にあり、10件未満、またレビューを獲得できていないゲームも増えていることがうかがえる。ゲーム数が増えているといってもその多くはほとんど遊ばれてないと推測できる。
こうした新作の増加の原因の一つとしては生成AIによるゲーム開発の効率化が挙げられる。Steamの非公式データベースサイトPCGame.comを運営するploz氏の調査によるとSteamで2026年10月に発売されたゲームのうち、「AI生成コンテンツの開示」が存在するゲームが49.9%と約半数であったことが伝えられていた(関連記事)。Steamでは開発効率化ツールの使用など、製品内に含まれユーザーが利用するコンテンツに関わらない場合は、生成AI技術使用については報告や開示は不要である(関連記事)。一方でアートや音楽のほか、テキスト・翻訳、宣伝用素材などに使用された場合にはストアページでの開示が必要となる。そうした作品が大幅に増加したわけだろう。
なお、Valveが行う審査プロセスにも新作数の増加の影響が生じている。Steamではゲームのリリース前にValuveによるレビュー(審査)が必要となる。11月4日の公式発表では、通常3~5日以内を目標としている審査が、最大で12営業日ほどかかる状態となっているそうだ。再審査が発生することが背景にあるようで、Valveはレビュープロセスを更新し、ゲームを実際に5分間実行していることなどをチェックリストに追加。原因として新作ゲームが増加したことが明言されたわけではないものの、上述したような状況がValveの審査プロセスに影響していることも垣間見える(関連記事)。
大量の新作がリリースされている点は、プレイヤーにとっては選択肢が増えるともいえるが、先述したような審査プロセスへの影響だけでなく、好みのゲームを探す難易度が上がっているともいえるだろう。Steamではユーザーの好みにあわせて近日配信されるゲームを表示する「パーソナルカレンダー」機能などゲームを探す補助となる仕組みが存在するが、すべての作品が等しく紹介されるわけではなく、開発者にとって“見つけてもらう競争”はより激化しているわけだ。なおValveのスタッフは先日、生成AIによって発売前のゲームのアイデアが模倣され、元になったゲームよりも先に発売されるといった状況について、積極的には介入しない姿勢を示していた(関連記事)。ただ、ゲームの模倣や乱造については今に始まった問題ではないものの、生成AIの飛躍的な進化に応じて深刻化している状況も垣間見える。
他方、ゲームの模倣については、バイブコーディングなどで活用されているAIコーディングツール「Claude Code」にて既存ゲームの模倣を禁止する新ルールが導入されたという(関連記事)。今後もAIツール側での対策強化や、Valveを含むプラットフォーマー側での対応がおこなわれるかどうかは注目されるところだ。
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