話題のAI「Claude Opus 5.5」に、「既存ゲームの模倣を禁止」する新ルール導入。AI産クローンが大量出現するなか、“そもそも生成させない”根本対策

対話型AI「Claude」を展開するAnthropicは、同社のAIモデル「Claude Opus 5.5」に、既存のゲームの模倣を防ぐための制限をくわえたことを明らかにした。

対話型AI「Claude」を展開するAnthropicは、同社のAIモデル「Claude Opus 5.5」に、既存のゲームの模倣を防ぐための制限をくわえたことを明らかにした。背景には生成AIを用いたクローンゲームの横行があるとみられる。

Anthropicは対話型AI「Claude」を展開するスタートアップ企業だ。特に現在注目を集めているのが、同社から今年9月にリリースされた新モデル「Opus 5.5」だ。先発の上位モデル「Claude Fable 5.1」に対して、トークン単価は安いにもかかわらず、数々のベンチマークでより優れた結果を示している。

Xユーザーのchasm氏は10月30日、Anthropicが10月27日頃に「Claude Code」に新たなルールを追加したとして、その内容を公開した。同氏によれば、このルールは「tengu_heron_brook」というフラグ名で配信されており、ユーザー側で無効化することはできないという。追加されたルールでは、オリジナルのゲーム、ジャンル内のゲーム、ユーザー自身が所有しているデザインとアセットからゲームを作成することは引き続き認められている一方で、既存の特定ゲームを再現して作成することは禁止されており、タイトルを変更したり、オリジナル作品を名乗ったりしていても認められないとのことだ。

この投稿に対して、AnthropicでClaude Codeの開発に携わるAddy Osmani氏が返信し、「Opus 5.5」に対してゲームの模倣を防止するための2つのプロンプトを追加したことを認めた。その理由として、Claudeを利用して他者の知的財産権を侵害する行為は、同社の使用ポリシーに違反すると説明している。オリジナルのゲームやジャンル内のゲーム、ユーザーが所持するデザインやアセットから作成されたゲームは引き続き作成可能と伝えつつ、適切なバランスを取るために引き続き改善を続けていくと方針を示した。また、自身が権利を所有する作品であるにもかかわらずClaudeに制作を拒否された場合には、直接連絡してほしいと呼びかけている。

昨今、生成AIを利用したと思われるクローンゲームの大量生産が問題視されている。たとえば、Studio Bitdotが手がける『Needle In A Haystack Simulator: 干し草の中の針』は、開発中の動画がSNS上で拡散され話題になったところ、発売前にも関わらず類似作品が大量に出現する事態となっていた(関連記事)。さらには、そうした状況を悪用し、クローンゲームを発売されたくなければ金銭を支払うよう要求する恐喝事件まで報告されている(関連記事)。

なお解析によってソフトウェアを再現する「リバースエンジニアリング」にもAIが活用されているが、こうした行為は各種AIサービスの規約で直接禁じられているわけではないものの、権利侵害や不正アクセスなどに該当するケースでは法律や規約への違反となりうる。悪用が広まるなかで、先日にはAnthropicが「Opus 5.5」などのモデルに、リバースエンジニアリング能力への制限を設けたのではないかとの報告も上がっていた(関連記事)。

今回の模倣に対する制限の追加も、AIの不正な利用をめぐる問題の深刻化を受けた対応である可能性がありそうだ。ちなみにゲーム販売プラットフォームSteamを運営するValveは、生成AIによるクローンに対して積極的な介入をおこなわない姿勢を示しており(関連記事)、業界内では企業によって方針も異なるのだろう。

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