日本語の「原っぱ」とは無関係なゲーム『Harappa』、日本人からの謎の注目に開発者困惑。不意打ち空耳マーケティング

『Harappa』というタイトルをきっかけに日本ユーザーから風変わりな注目を集めることになったようだ。

デベロッパーのGuild Gamesは10月26日に『Harappa』のSteamストアページを公開した。まだ宣伝をおこなっていないにもかかわらず、『Harappa』というタイトルをきっかけに日本ユーザーから風変わりな注目を集めることになったようだ。このことを受けて、冗談か本気か分からないものの、日本語対応を検討していることも示唆している。

『Harappa』は古代インダス文明を舞台とした都市建設シミュレーションゲームだ。質素なアシの小屋を建てるところからはじまり、水や穀物などの物資を管理しながら徐々に都市を拡大していく。発展させていけば家は石造りの2階建てへと豪華にできる。本作では川の近くで生まれた文明らしく、毎年発生する川の氾濫への対応が必要である。また、技術や日常生活については実際のインダス文明の調査に基づく点も特徴だ。

そんな本作の開発者が、“誤解”を受けて日本からのウィッシュリストを獲得したという一風変わった報告をRedditにておこなっている。というのも、本作についてはインディーゲームメディアIndie Freaksのテヌキボーズ氏がXにて紹介。不思議なネーミングといった風に『Harappa』に注目しており、日本語の「原っぱ」をローマ字で表記したように考えたのかもしれない。開発者はReddit投稿にて英訳した同氏のXポストを引用している。

ところが、『Harappa』というタイトルは日本語の「原っぱ」由来ではなく、パキスタンに存在するインダス文明の遺跡「ハラッパー遺跡」にちなんでいるという。ハラッパー遺跡は1921年に考古学者たちが本格的に発掘したことでインダス文明が広く知られることになった遺跡であり、その出来事にちなんで本作を名付けたそうだ。ちなみに編集部内で軽く聞き取り調査したところ、学生時代に世界史選択だったスタッフは「ハラッパー」という言葉を覚えていた一方、多くのスタッフは知らないようであった。世界史選択のスタッフも意味は忘れ去って不思議な響きだけ覚えていたようである。

近年では英語話者にとっての日本語の響きの面白さもあってか、ローマ字表記の日本語がタイトルになる作品も珍しくない。本作についてもそうした由来かと勘違いされた結果、「原っぱ?何故?」といった反応が寄せられたわけだろう。ちなみに、海外ツアーを企画する企業西遊旅行によるとハラッパー遺跡は保存状態がよいとは言えず、現地ガイドに「本当に原っぱです」と紹介されることもあるという。ハラッパーは近くの村の名前が語源とされるため意味はまったく異なるものの、ダジャレとしては成立しているのかもしれない。

いずれにせよ、この出来事によって本作はまだ宣伝をおこなっていないにもかかわらず、日本から多くのウィッシュリストを獲得したそうだ。投稿には「日本語翻訳の費用を調べなければ」といった記載もあり、開発者も日本からの反響に前向きな様子だ。

ちなみに今回の報告は、Redditユーザーからも面白い出来事だとして注目が寄せられている。なかには、音楽ゲーム『パラッパラッパー』にも似た響きだという指摘も。これに対して開発者は「Harappa」と「PaRappa」であり一文字違うとしつつも、もっとシンプルでわかりやすい名前のほうがよいのかと頭を悩ませている。

なお、インディーゲームの宣伝においては、過去にX上で日本向けにゲームを紹介する「日本の皆さん、こんにちは」構文が流行したこともある(関連記事)。また日本でイメージされやすいように邦題を大幅に変えた『キニーと名状しがたいおでん屋』のような事例もあり(弊誌インタビュー)、日本に向けて独自の戦略をとる海外のインディーゲーム開発者・販売者は少なくない。一方で今回のケースはまったく意図せずに日本で広まったという点が興味深い。日本語対応されるのかどうか、またタイトルは『Harappa』のままとなるのか、引き続き注目していきたい。

『Harappa』はPC(Steam)向けに開発中。また、itch.ioではプレイテスト版が無料公開中だ。

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