『レインボーシックス シージ』チャット欄への記号スパムによる意図的なラグ発生を繰り返したアカウントを大量BAN


Ubisoftは7月10日、『レインボーシックス シージ』において一部プレイヤーに悪用されていた、チャットシンボル・エクスプロイトを修正したと報告した。マッチ中、テキストチャット欄に「>」「$」といった記号を連投することで、相手チームのプレイヤーにラグを生じさせる悪用行為だ。ゲームのクラッシュに至ることもあった。そして7月11日より、同行為を繰り返したプレイヤーを対象に、同作のCode of Conduct(行動規範)に則ったアカウントBAN対応を開始するとアナウンスした。

同作では行動規範により、ゲームクライアントやフォーラム、そのほかUbisoftの媒体において、ゲームプレイの一般的な流れを妨害するあらゆる行為が禁止されている。そして行動規範に反する行動を取ったプレイヤーには、軽いものでは警告、重くは永久BANなど、違反行為の内容を加味した処罰が与えられる。

今回処罰対象となるのは、テキストチャットに記号を連投することで、相手プレイヤーにラグを生じさせる行為を意図的に繰り返したプレイヤーである。ラグの影響は著しく、ランクマッチなどで悪用されるとストレスは大きい。アカウントBANの期間は悪質行為を行った頻度や重度を加味して決められるという。今回の対応は、ゲーム体験を損なう悪質行為に手を染めるプレイヤーへの、制裁措置の一環であると説明されている。

そしてUbisoftの予告どおり、7月11日にはアカウントBANが実行に移されていった。プロリーグ開催中にBAN対象者の名前がログに流れ始めた様子が投稿されたり、1分足らずで200アカウントほどのBAN報告を目撃したといったユーザー報告がredditにて確認でき、そうしたスレッドにはUbisoftのコミュニティマネージャーがときおり現れ補足説明を行っている(reddit)。「BAN期間は短くて2日ですが、永久BANを食らったプレイヤーも複数含まれています。この情報がお役に立てば幸いです:)」。

なお悪用する意図はなく、事故的に同現象を発生させてしまったケースを考慮し、実行回数が10回未満であれば処罰対象にはならないと、『レインボーシックス シージ』のシニア・コミュニティーデベロッパーのCraig Robinson氏より説明されている(該当ツイート)。それでもUbisoftの対応に満足していない者もいるようで、Team Liquidに所属しているプロプレイヤーのNESKWGAことAndre Oliveira氏は「ハッカー相手に10回以上やったらBANされた。チートしているプレイヤーはお咎め無しなのに。良い仕事してますね!」とRobinson氏にリプライ。それに対しRobinson氏は「チーターもBANしています。相手がチーターだからといって悪用行為に手を出していいわけではありません。あなたの主張は、チーター相手にチートしただけだから悪くないと言っているようなものですよ」と、笑い泣きの絵文字付きで反論している。

https://twitter.com/ItsEpi/status/1148920605732982784

『レインボーシックス シージ』における最近のグリッチ悪用例としては、クラッシュのシールドグリッチ、クラッシュがシールド装備時に近接攻撃を受けた際のスタンを無効化するグリッチ、展開型シールドやクレイモアのグリッチ。IQの壁すり抜け移動グリッチなどが挙げられる。こうしたグリッチの悪用防止のため、特定オペレーターやガジェットが一時的に無効化されることもあった。

なお『レインボーシックス シージ』における悪質行為対策としては、グリッチ悪用防止のためのオペレーター/ガジェット一時無効化のほか、意図的なフレンドリーファイア/チームキル対策として、チームメイトへのダメージが跳ね返ってくる「リバースフレンドリーファイア」を今年5月に本実装。昨年12月にはテキストチャットでの誹謗中傷・差別的発言を取り締まる自動検出およびフィルター機能を取り入れた。チーターを対象とした集中的なアカウントBANも度々行っている。

とはいえ、チートを含む悪質行為を完全に無くすことはできず、コミュニティでは毎週のように新しい不満の種が芽生えている。今後もチート検出やグリッチの拡散察知を早めたり、今回のような集中的なアカウントBANによる抑止効果を狙ったりと、地道な活動によりプレイ体験の改善が図られることに期待したい。