実はこんなに時間溶けてた。AUTOMATONライター陣の「2025年一番長く遊んだゲーム」

今年2025年を振り返るAUTOMATONの年末企画第2弾。弊誌ライター陣が「今年一番長く遊んだゲーム」を理由やエピソードを交えながら紹介していく。

今年2025年を振り返るAUTOMATONの年末企画第2弾。ゲーマーであれば何十時間、あるいは何百時間遊んでも飽きずについついプレイしてしまう作品があるはずだ。本記事では、弊誌ライター陣が「今年一番長く遊んだゲーム」を理由やエピソードを交えながら紹介していく。気になった作品があれば手にとって、まずは年末年始の時間をたんまりと捧げてみてはいかがだろうか。

「逆境からのヤケクソ盛り返し」

Neon Abyss 2
開発元・販売元:Veewo Games
対応機種:PC
プレイ時間:200時間

『Neon Abyss 2』は、ローグライク要素のある2Dアクションゲームだ。ランダム生成ダンジョンに潜り、近接・遠距離武器を駆使して部屋内の敵を殲滅しながら、現代文化をモチーフにした神々であるボスに挑む。道中では、ランダムで新たな武器を発見できるほか、さまざまな効果を持つアイテムを入手できる機会もあり、その効果はいくつでも重ねることが可能。アイテムのシナジーを活かした武器強化要素も存在する。

筆者は、2020年末の同様の企画記事にて前作『Neon Abyss』を挙げており、この続編も迷うことなく購入した。前作と比較すると、基本的なゲームの流れは同じであるが、主に武器強化周りのシステムに変化があり、その辺りで当初ユーザー間で賛否両論となった模様。筆者はそれなりに楽しんでいて、またもこうして紹介するに至っているわけであるが、なぜそうなったか理解はできる。いくつか理由はあるが、特に前作ユーザーの目線で言うと、ステージいっぱいに武器の弾を撒き散らすような“強さのインフレ感・爽快感”がトーンダウンしたことが大きかった。おそらく、本作では新たに最大4人協力プレイが導入され、そのバランスを考慮した調整が背景にあったのではないかと想像する。

で、不評の声を受けて開発元はどうしたかというと、日和るどころかアッパー調整の連続。各武器の強みを伸ばし、アイテム効果を高め、さらに強化につながるアイテムを追加していった。その結果、Steamのユーザーレビューでは好評が続々と投じられることに。回り道をしてもったいなかった気もするが、早期アクセスを上手く活用して切り返したとも言え、ずっと動向を追ってきた身としては興味深い展開である。筆者としてもそうした改善は歓迎であり、スキマ時間についついプレイ。この調子で正式リリースまで突き進んでほしい。
by. Taijiro Yamanaka

「一番の敵は奈落」

R.E.P.O.
開発元・販売元:semiwork
対応機種:PC
プレイ時間:約270時間

『R.E.P.O.』は協力プレイ対応のホラーゲームだ。本作では独特な物理演算が導入されており、プレイヤーは廃墟から貴重品をなるべく多く持ち帰ることを目的とする。持ち帰った貴重品で得た金を使ってアップグレードや武器を購入し、よりアップグレードして次の“ゴミ回収”に挑むこととなる。

発売当初から本作はコミュニティのあいだで、同じくゴミ拾い系として知名度のあった『Lethal Company』と比較されがちだった。しかし筆者は、どちらかというと『R.E.P.O.』のゲームシステムの方が好みだ。というのも、本作はプレイヤーのアップグレードが強力で、出現する化け物に対してなんとか「対応できる」余地を大いに残しているのである。最初はフレンドと武器やギミックについて、あれこれ考察していたのだが、私はかなり凝り性だ。いつのまにか英語版のガイドや有志による仕様解説を読み漁るようになり、気づけばソロでレベル200に到達してしまっていた。

ここまで来ると敵と殴り合うような戦闘はもはやたいしたことではない。唯一恐れるべきは、一撃死となってしまう「奈落」だけである。そのため私は投げ飛ばされたり、スタン判定となったりしてしまう敵を極力避けて移動するために空中を20回連続でジャンプするようにアップグレードを取得した。敵から見れば、その姿はもはやドラゴンボールの「舞空術」を使っているかのように映るだろう。

レベル200以降は行動がほぼ固定化するため、映画やアニメを流しながら片手間に周回している。次の目標はソロでレベル300到達だが、ひとつのレベルをクリアするのにおよそ20分前後かかるので、先の長い話となりそうだ。
by. Mayo Kawano

「あなたもタイムキーパーにならないか?」

リバース:1999
開発元・運営元:BLUEPOC
対応機種:iOS/Android/PC
プレイ時間:約350時間

筆者は俗に言う「運営型」のゲームをいくつか並行してプレイしているが、今年印象に残ったのは『リバース:1999』だ。実を言うと一度飽きて止めてしまったが、今ではプレイを再開して350時間ほど経っている。というのも、本作は定期的におこなわれるゲームプレイの改善が著しい。ゲームの基礎となる戦闘体験に大きく変更が入ったことをはじめ、ストーリーイベントの付け合せとして用意されているミニゲームたちのクオリティも向上している。

なかでも今年新しく用意されたエンドコンテンツ「雨中の空想」は筆者のお気に入りだ。中身としては特殊なバフ・デバフのギミックが備わったステージをクリアしていくという、言わば問題集になっており、キャラのラインナップと十分な育成はもちろん、ステージごとにゲームシステムの理解が必要となる。これが昔のJRPGにおける裏ボス攻略を思い出して非常に楽しい。「この敵は一定以下のHPになると完全回復するから、HPを減らす量を調整して一撃必殺を狙う」「この敵はこちらの行動内容に応じてバフ・デバフが入るから、なるべく無害な行動をして完封する」。育成によるゴリ押しが半ば通用しない詰将棋こそ、JRPG風コマンド式戦闘における、甘美なデザートなのだと筆者は考えている。

ではメインディッシュは何かと問われれば、それは本作の物語体験に他ならない。文化大革命や雨傘運動を下地に、異能力者と非異能力者の間で「自分らしく生き続ける」ことの難しさが描かれる。本作は時代を超えるSFではあるが、故に語られる内容の普遍性が際立つ。「なぜ自分と他人は違うのか」。「なぜ世界は自分の思い通りにならないのか」。生きていれば必ずといっていいほど直面する問題であり、生涯戦い続けることになる宿命そのものでもある。このメッセージ性を補強するためのディティールにも非常に拘っており、歴史的事件や著名なフィクションをモチーフとして徹底的に引用している。モチーフを通じ、まるで実際にあったかのような出来事として描かれることで、キャラクターに息遣いが生まれ、メッセージに心を焼く熱い炎が宿るのだ。

『リバース:1999』はサービス開始から絶えず進化を続けているゲームであり、年明けには大型アップデートも控えている。作品が歌い上げる人間讃歌がどこまで響き渡っていくのか、来年も楽しみで仕方がない。
by. Takayuki Sawahata

「そこにゾンビがいるからさ…」

World War Z: Aftermath
開発元・販売元:Saber Interactive
対応機種:PC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S
プレイ時間:330時間

2019年4月16日の発売日から、私はずっと『World War Z: Aftermath』を遊び続けている。『Left 4 Dead』系の4人協力型シューターである本作は、15分ほどのステージで数千体のゾンビが雪崩のように押し寄せ、それを殲滅していくいわゆるホードシューター。本作の魅力はその「爽快さ」の一点に尽きる。今年もっとも時間を費やした一本を選ぶなら、やはりこれしかない。

似たタイプの協力型シューターは数あれど、発売から6年を迎えた今でも新マップや新武器システムといった大型アップデートが続いているタイトルは珍しく、『WWZ』だけは現役感が衰えない。特に今年は最高難易度である絶滅モードの改修や新武器システムの導入があり、自分の中で再ブームが発生。結局300時間以上を注ぎ込んだ。公式がTwitchでおこなう参加型配信にも今年は参加でき、さらにモチベーションが加速した。

私は野良マルチでも遊ぶが、最高難易度ソロ攻略に挑むのも好きだ。何度もルート研究を重ねてクリア動画を撮影し、いつものように開発公式へ送ったところ、今年はまさかの公式Xアカウントに取り上げられるという嬉しいハプニングも。そこからは毎晩のように“ソロ修羅の旅”へ通い詰めていた。

毎年年末には新マップが追加されてきたが、「今年でついに終わるのでは?」という不安と、「いや、今年もきっと来るはず!」という期待がコミュニティで交錯している。累計プレイ時間は気づけばSteamだけで1500時間突破。倒しても減らないゾンビのように、このゲームへの愛着も尽きることがない。なんだかんだで毎年一番時間を溶かしてくれる一本。これからも末長く更新され続けることを、ファンとして願っている。
by. Motoharu Ono

「生命と宇宙の深淵に飲み込まれる」

Cell to Singularity – Evolution Never Ends
開発元・販売元:Computer Lunch
対応機種:PC/iOS/Android
プレイ時間:300時間

本作は、生命の進化をテーマとした基本プレイ無料の放置クリッカーゲームだ。リソースの生産施設やパワーアップが生物や文明になっていることが特徴で、細胞から人類、石器時代から現代まで、数百におよぶ巨大な進化ツリーをアンロックしながらリソースを増やしていく。また、それらすべてに解説が用意されており、生物や文明は3Dグラフィックで閲覧することもできる。

2018年にモバイル向けにリリースされた本作は、今年11月にリブート級の大型アップデートを実施。このタイミングでたまたま筆者の目に留まり、気軽にプレイを始めた。オフライン中もリソースが得られるため、最初は一日に数回、数分間ポチポチする程度で楽しんでいた。

しかし、ある程度進めると、恐竜および宇宙をテーマとしたクリッカーゲームが解放される。また、さまざまな物事をテーマとしたクリッカーゲームがイベントとして常に開催されている。つまり、本作では4つのクリッカーゲームを切り替えながらプレイするわけだ。数分だったプレイ時間は数十分へと伸びていく。

中でも宇宙クリッカーは、太陽から惑星、近隣の恒星や星雲、銀河系から銀河団とアンロックが進んでいき、それらを精緻な宇宙モデルとして拡大縮小しながら見回すことができる。太陽がちっぽけな存在になっていく宇宙モデルを見たことがある人は多いかもしれないが、それを自由に操作できるのだ。しかも自転・公転の早送り機能や最新の解説まで完備され、少しずつアンロックされるので理解度も段違い。幼い頃から宇宙が好きだった筆者はこの宇宙クリッカーに惚れ込み、すべてが4倍速になる月パスに課金した。

その結果、少し待てば次のアンロックができる状態となり、ほぼ常に起動しっぱなしでポチポチし続けることとなってしまった。もちろん今も起動している。本作は今後も新たな生命や宇宙の拡張が予定されているため、数年間はお付き合いすることになりそうだ。
by. Haruki Maeda

「ニンジャなら無料(でも時間が足りない) 」

Warframe
開発元・販売元:Digital Extremes
対応機種:PC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/iOS 
プレイ時間:約700時間

『Warframe』は基本無料のTPSゲーム。未来の太陽系を舞台に、プレイヤーは“宇宙忍者”テンノとして、戦争を巻き起こす勢力と戦う。パルクール的な移動システムによる機動力と、敵をなぎ倒す気持ちよさが同時に味わえる、中毒性抜群の作品だ。

筆者が本作に触れたのは、まだ学生だったころ。以降、波はありつつもプレイを続け、約10年が経過しようとしている。浮気性な筆者としては驚異的な記録だ。そんな『Warframe』だが、今年に入って一気にプレイ時間が延びている。

というのも近年、毎週遊べるコンテンツの増加が目覚ましいのだ。筆者が始めたころの『Warframe』は、コンテンツがやや少なかった。当時は、ソーティーと呼ばれる高難易度ミッションを除くと、普通のゲームモードを周回するしかなかったのだ。だが、現在はその問題も消えた。まず1999年時代のウィークリーを消化し、次に衛星ダイモスに飛び、その後に期間限定イベント…と、正直、社会人には遊びきれないほどの充実っぷり。

先日のアップデート「古の同盟」も、文句なしに面白い。特に、新モード「ペリタの乱」の爽快感が段違いだ。これまでの『Warframe』は、作品名に“War”が入っているものの、通常フィールドは割と小規模。オープンワールドではあるが、そちらでは大軍相手に無双する感覚が薄かった。

だが「ペリタの乱」は文字通りの大戦争だ。広大なフィールドに膨大な敵軍が展開し、育てたWarframeと武器で蹴散らしていく。筆者が求めていた戦いが実装されたのだ。新プレイヤーが「ペリタの乱」を早く遊べる“ミッションプレビュー”機能 も導入されたが、その判断も理解できる出来栄えになっている。

本稿を書いている段階でもプレイ中だが飽きる気配は無く、来年に実装されるという新惑星“Tau”も超楽しみである。筆者の場合、2026年も『Warframe』な1年になりそうだ。
by. Satofumi Inoue

「マルチプレイとの付き合い方」

ELDEN RING NIGHTREIGN
開発元:フロム・ソフトウェア
販売元:フロム・ソフトウェア/バンダイナムコエンターテインメント
対応機種:PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC
プレイ時間:約90時間

今年一番プレイしたゲームを挙げるとすれば、『ELDEN RING NIGHTREIGN』(以下、ナイトレイン)になるだろう。本家の『ELDEN RING』には数百時間を捧げるほどハマったが、それはあくまでストーリー部分を周回していた、いわば一人遊びの延長線上だった。反射神経が鈍い私にとって、侵入や闘技場といったマルチプレイ要素はどこか“怖い”存在で、正直なところ敬遠していたコンテンツでもある。そんな自分が、休止期間を挟みつつも、今なお遊び続けているのが『ナイトレイン』だ。

そもそも『ナイトレイン』は発売日に飛びついたタイトルではない。リリースから一ヶ月ほど経った頃、友人たちと「そろそろやってみるか〜」と示し合わせるようにして購入した。今にして思えば、このタイミングがちょうどよかったのかもしれない。自分たちで試行錯誤しながら効率のよさそうなルートを探りつつ、詰まればネットに溢れている攻略情報を参照する。そんな程よい距離感で、長時間プレイしてきたが、実は一度も野良マッチには参加していない。

だいたい21~22時頃に連絡を取り合って集まり、プレイステーションアプリのパーティー機能で通話をつなぐ。近況報告や他愛ない雑談を挟みながら、3〜4周ほど回して解散。そんな緩やかな向き合い方だったからこそ、『ナイトレイン』はゲームであると同時に、ある種のルーティン的なコミュニケーションツールとして機能し、結果的に90時間も続けられたのだと思う。3人のうち1人はフロム・ソフトウェア作品、いわゆるソウルシリーズ未経験者だったが、それでもナメレスや「常夜の王」形態を乗り越えられたのは、この空気感のおかげだろう。

最近は忙しさに加え、PlayStation Plusの期限切れもあってしばらく離れていたが、DLC「The Forsaken Hollows」の配信をきっかけに再集合。新地変「大空洞」の容赦ない3D迷路構造に翻弄され、何度も落下死を重ねながら感覚を取り戻し、どうにかハルモニアを突破した。現在は「瓦礫の王」撃破を目標に、あーだこーだ言い合いながら挑戦中だ。できれば年末年始のうちに、区切りをつけたいところである。
by. Yuuki Inoue

「今日も今日とて」

gogh: Focus with Your Avatar
開発元・販売元:ambr
対応機種:iOS/Android/PC
プレイ時間:約100時間

少し前まで、人は2種類に分けられると思っていた。「家で黙々と作業したい派」と「人がいる環境で作業したい派」である。筆者は間違いなく前者だろう。オシャレなカフェでグランデ?とかベンティ?を片手に作業する姿に憧れはあるものの、どうしても周囲が気になって集中できない。ただ、一人で作業していると集中力が途切れやすく、なによりちょっとさみしい日もある。

そんな矛盾した状態に、思いのほかぴたりと収まったのが『gogh: Focus with Your Avatar』(以下gogh)である。購入から2か月弱、作業中はほぼ毎日起動するようになり、結果としてプレイ時間は100時間を超えていた。

goghはいわゆる作業用ゲームだ。アバターの作成や部屋のカスタマイズに加え、ポモドーロタイマーやToDoリストといった便利な作業補助機能が用意されている。だが、筆者が本作を購入した直接のきっかけは、9月末のアップデートで追加されたマルチプレイヤー機能にあった。

マルチプレイヤー機能では、自分の部屋を公開したり、ほかのプレイヤーが公開している部屋を訪れたりすることで、同じ空間に集まりながら作業ができる。チャットで会話を交わす必要もなく、基本的なコミュニケーションは数種類のエモートのみ。これが「誰かと作業したいけど外には出たくないし…過度なコミュニケーションもとりたくない…」という、かなり都合のいい筆者にちょうどハマった。

特に気に入っているのが、各プレイヤーが「やること」を短いテキストで宣言できる仕組みである。アバターの頭上に「宿題をする」「ベタ塗り」「がんばるぞ(´・ω・`)」といった簡単な言葉が並ぶだけなのだが、これがすごくいいのだ。どうやら筆者は「家で黙々と作業したい派」でも「人がいる環境で作業したい派」でもなく、「goghで作業したい派」のようだ。
by. Junya Shimizu

「11年(+30余年)ぶんのサクセスの煮こごり」

実況パワフルプロ野球(パワプロアプリ)
開発元・販売元:コナミデジタルエンタテインメント
対応機種:iOS/Android
プレイ時間:約300時間

今年5月、某YouTubeチャンネルで『パワプロ6』の動画を見かけた。家族と『パワプロ』を遊んでいた日々を思い出し、懐かしさから『パワプロアプリ』をダウンロードしたのだが、まさかここまでハマってしまうとは……。

『パワプロ』シリーズといえばサクセス。それぞれシステムの異なるシナリオから1つを選び、オリジナル選手を育成する人気モードだ。もちろんアプリ版にも実装されている。だが、本作の配信開始は約11年前の2014年12月18日。『パワプロ』シリーズ全体で見れば、実に30年以上の時が経っている。正直に言えば、筆者は当初「もうサクセスはネタ切れしてるんじゃないの?」と懐疑的な気持ちを抱えていた。

しかし、強化高校(期間限定で取得経験点が増加するシナリオ)に当時なっていたアスレテース高校を遊んだところ、私の疑いは一瞬で晴れた。二十種の競技のメダルを集めつつ、メダルの並び順が鍵となるスライドストリームシステム。オリンピックをモチーフにした、王道のアツいストーリー。そしてなにより、臨機応変に立ち回りつつ、運と戦略が噛み合った時の大量経験点獲得の脳汁。システムの理解度が深まるにつれ、育成した選手が強力になっていくゲームループは30年経った今も健在だ。

一方で、アスレテース高校は実装済みだったシナリオのアレンジ版でもあったため、既存ユーザーからは不満が出ていた模様。幾多のサクセスを乗り越えた『パワプロ』ファンたちは、目が肥えに肥えている。そのため、サクセスはクオリティのみならず新鮮さも重要となるのだろう。もちろん、ガチャを引いてもらうためにも。

なお、本稿執筆現在は長命高校/赤壁高校環境で、いずれも新シナリオ。奥深さと運要素のバランスが良く、1日1人を育成するぐらいハマっている。猪狩くんと松井秀喜さんには、いつもお世話になっております。
by. Rikuya Melichar

「システム理解がもっとも効率を上げる放置ゲーム」

IdleOn – 放置MMO
開発元・販売元:Lavaflame2
対応機種:PC/iOS/Android
プレイ時間:8000時間

総プレイ時間が23000時間に迫ろうとしている『IdleOn』。今年は海がテーマの第7ワールドが追加実装されるとともに、4年の長きにわたる早期アクセスが終了し、ついに正式版となった。

本作においてワールド追加のような大型のアップデートがおこなわれる際、その後数週間にわたってウィークリーアップデートによる小規模のコンテンツ追加も継続しておこなわれる。さらに毎週、デベロッパーであるLavaflame2によるTwitch配信があり、投票、ギャンブル、アンケートなどの企画も催されるので、しばらくお祭り騒ぎとなる。筆者も毎回これらを楽しんでおり、今は新規追加されたSpelunkingスキルを育てている。前作『Idle Skilling』にもあった同名スキルのブラッシュアップ版のようで面白い。

通常クリッカーにおいては、起動放置してたまにアップグレードを買うだけで誰でも同じようにゲームが進行するし、累計時間や課金が物を言う。だが本作では、各ワールドの施設の仕様やミニゲーム、アップグレードに伴う変更、上限撤廃など、すべてのメカニズムをよく把握することが、課金よりも意義を持つのだ。だから新要素や変更が加わると頭フル回転でゲームに取り組むことになり、脳が歓喜の悲鳴を上げる。

最序盤のワールド1にすらエンドコンテンツが存在し、その後の各ワールドにもそれぞれ底なし沼みたいな施設が大量にある中、大規模アップデートによる上限の撤廃やブレイクスルーが起こって元あった沼がますます深くなった。2026年にはワールド7の拡張、新スキル、新クラスの実装も控えているため、あと数万時間は目が離せなくなりそうだ。
by. Kei Aiuchi

「SCalって書かれると南カリフォルニアみたいですよね」

Terraria
開発元・販売元:Re-Logic
対応機種:PC/PS4/Xbox One/Nintendo Switch/iOS/Android
プレイ時間:120時間

今年、とにかく時間をかけたゲームとなるといろいろと候補自体はあったのだが、プレイ時間が嵩むことが当然な対戦ゲームや放置ゲーム、あとは他の作業をしながら裏で起動しっぱなしなことが多いパズルゲームなどをあげるのは個人的にちょっと違う気もしていた。まあ昨年の同企画では対戦ゲームを選んだので今更ではあるのだが……。

ともあれ、Calamity Modである。『Terraria』に膨大な量の高難易度コンテンツを追加するMODであり、おそらくSteamのワークショップコンテンツ全体で見ても、もっとも有名なものの一つではないだろうか。以前からやりたいとは思っていたがいまいち機会を掴めず、その旨迂闊にも『Terraria』狂人の友人に漏らしてしまった結果、首根っこを掴まれめでたくその日のうちに開始する運びとなった。毎度のことながら積みゲーというのは起動するまでが一番大変なので、この調子であらゆるゲームで無理矢理起動まで手を引っ張ってくれる行動力の化身たる友人が欲しいものである。閑話休題。

いざ始まってしまえば『Terraria』を前に人はあまりにも無力であり、可処分時間のおよそすべてをつぎ込む形での攻略が始まった。完全クリアの目安ともなるボスラッシュ制覇までにかかった時間は120時間ほど、実時間での攻略期間は約2週間半であった。経験者が多かったことと、やや強力すぎるきらいもあるQoL系MODの助けもあり、これはおそらく比較的速い方である。そもそも『Terraria』界における120時間というのが非常に「可愛らしい」プレイ時間に過ぎない。そういう世界、そういうゲームである。とはいえさすがに1日平均7時間プレイしていたこともあり、クリア後にはなかなかの疲労感と達成感。同じメンバーで『Minecraft』の巨大Mod Packに挑む話も出たのだが、一旦立ち消えとなった。『Minecraft』担当の行動力の化身さん、いるならひとまず来年までは待ってほしい。
by. Mizuki Kashiwagi

「買い切り価格で無限に遊べる、実質無料」

Elin
開発元・販売元:Lafrontier
対応機種:PC
プレイ時間:約400時間

弊誌の週1コーナーNow Gamingをよくお読みの方はお気づきかもしれないが、私は『Elin』の大ファンである。なるべく新しいゲームに触れようと思いつつ、手はついつい『Elin』のアイコンに向かってしまう。そんなわけで「この人またやってる」と呆れられてしまうかもと思いながらも、何度も『Elin』のことを書いてしまった。

『Elin』は何度プレイしても味がする作品である。伝統的ローグライクに近いシステムをベースとしながら、クラフトシステムやハウジング要素が充実。重厚な物語が展開されるメインストーリーと、どこかほのぼのとしたサイドストーリーの両面で世界が彩られ、そんな中でお気に入りのNPCの好感度を上げても良いし、その辺の農民を労働力のため攫っても良い。そのほかにもいろいろあるが、楽しめる要素について書き出すには文字数がとても足りない。

ただでさえ1つのデータでやり込めるのに、種族を変えれば生き方も変わり、同じ種族であっても戦闘スタイルによって景色が変わるからリプレイ性も非常に高い。その上、今年は開発者の趣味でワンブロックモードまで加わった。種族と戦闘スタイルのかけ算にゲームモードのかけ算まで加わったわけだ。1年間で約400時間というプレイ時間は『Elin』を堪能するには到底足りず、ほんの浅瀬といった趣がある。こんなペースでは、遊び尽くしたと言える日が来ることはなさそうだ。

現在はバランスの良い能力でアップデート内容を確認しやすいジューア、クセ強めの新種族である吸血鬼、それとたまにワンブロックモードの3つのデータを中心に遊んでいる。ほかにもつまみ食いをいっぱいしているので、セーブデータは日々増殖している。私のフォルダの裏側ではセーブデータが産卵して増えているのかもしれない。まぁ『Elin』ではゴミ箱も産卵するのだから、セーブデータが産卵するのは自然な流れというものだ。
by. Naoto Morooka

「優良アプデが多すぎた」

Victoria 3
開発元:Paradox Development Studio
販売元:Paradox Interactive
対応機種:PC
プレイ時間:約350時間

今年も『Victoria 3』をたくさん遊んでしまった。この企画で本作について書くのも3回目である。しかし今年の『Vic3』は良いアップデートが多かった。特に貿易と外交システムのオーバーホールは素晴らしかった。細々とした操作の手間が減りつつ、ゲームプレイにさらなる深みも加わり、非常に遊び心地がよくなった。以前とはほとんど別物である。やはり『Vic3』で楽しいのは内政なので、その方面が強化されたのはとても嬉しい。

大型アップデートがあるたびに、日本などお気に入りの国々で再プレイし、新要素をひと通り堪能している。そしてひとしきり遊んだら、SteamワークショップでModを探し、味変をエンジョイ。そうこうしているうちにまたアップデートが配信され、最初に戻る。このループから抜け出せないでいる。この12月にも、イベリア半島の国に新コンテンツを導入するDLC「Iberian Twilight」が発売されたばかり。同DLCはまだほとんど遊べていないが、スペインで中南米を再征服したりできるようで、なかなか楽しげである。

今年は『Vic3』が熱かったが、もっというとParadoxが全体的に熱かった。『CK3』『HoI4』では念願の日本テーマのDLCが登場したし、なにより新作『EU5』が発売された。合算すると、どうも2025年はパラドゲーだけで1000時間以上使ったようだ。昨年末に立てた抱負「来年は新作も遊ぶ」の達成状況は非常にあやしいが、『EU5』はしっかり遊んだので、抱負は守ったということにしたい。
by. Akihiro Sakurai

「あまりに日常に溶け込み過ぎた」

ゼンレスゾーンゼロ
開発元: miHoYo
運営元: COGNOSPHERE
対応機種: PC/PS5/Xbox Series X|S/iOS/Android
プレイ時間:推計200時間

筆者は当初、100時間ほどプレイした『Upload Labs』か『Desktop Defender』を挙げる予定だった。しかし両作とも基本は放置ゲーム。そのうえプレイ時間も放置ゲームにしてはインパクトに欠けると思い、原稿提出直前まで、よりふさわしいタイトルがないかを探していた。

そうして思い至ったのが『ゼンレスゾーンゼロ』だ。筆者の傾向として、ライブサービスゲームは長続きしなかったのだが、振り返ると本作はサービス開始から毎日ログインをしている。デイリーを仮に20分として、ウィークリー、期間限定イベント、Ver.1.5「輝きのモーメント」から現Ver.2.4「遥かなる深淵に挑めども」まで9シナリオをそれぞれ数時間……などと計算していけば、おそらく200時間には届くのではなかろうか。あまりにも日常に染みつき過ぎて、今の今まで存在を意識していなかったのである。

今年の『ゼンレスゾーンゼロ』は、個人的な実感として“成長”を目にする機会が多かったように思う。ストーリー面での各キャラの成長はいうまでもなく、Ver.2.0からは澄輝坪、適当観にメインの舞台が移ったことで、パエトーンの能力面での成長もあった。それだけでなく、本作そのものの演出や語り口の成長も感じるところがあった。陣営紹介などに終始していた印象のVer.1.xに比し、TOPSや軍が中心となることで、より政治的なやりとりが印象的になり、ストーリーにおける戦闘や探索面での演出も洗練されていった。イゾルデ、そして防衛軍を巡った物語の展開と一騎討ちの演出は、特に心に染み入るものがあった。

Ver.2.xで“成長”を迎えた本作。そしてVer.2.5が告知され、さらに歩みを進めていく。今筆者は本作がどのような成長を遂げ、進化していくかに立ち会いたいとすら感じている。ただ『ゼンレスゾーンゼロ』を遊び楽しむだけではない付き合いは、今後も続いていきそうだ。
by. Kosuke Takenaka

「玉石混交」

モンスターハンターワイルズ
開発元・販売元:カプコン
対応機種:PC/PS5/Xbox Series X|S
プレイ時間:約200時間

筆者はまさに『モンスターハンター』シリーズと共に育ってきた世代で、ほぼすべてのシリーズ作品をプレイしてきた。いつまでたっても上達しないが、下手の横好きでシリーズ作品が出るたびに胸を躍らせている。

『モンスターハンターワイルズ』についても体験版のプレイなどを通して心待ちにしていた作品だ。新システムである「集中モードと傷破壊」は専用ゲージやクールダウンの管理などが必要なく、モンスターをよく見て戦うという流れに自然に組み込まれたシステムになっており、これがかなり好みであった。没頭するうちにストーリーを終え、アーティア武器の厳選にも手を出した。アップデート展開もある程度追いかけてきたため、忙しい1年でプレイ時間を重ねたゲームが少ない中でも、本作のプレイ時間は群を抜いている。

とはいえエンドコンテンツには今ひとつ熱中できず、ほかのシリーズ過去作と比べればプレイ時間は伸び悩んでいる。というのも本作ではさまざまな部分が簡略化・自動化されている反面、ことエンドコンテンツにおいては面倒な部分が際立っている。たとえば、せっかくクエスト後に帰還せず連続して狩猟可能なシステムになったにもかかわらず、消耗の大きい高難度クエスト後にはアイテム補充のために結局都度キャンプに戻ることになったり、そもそも調査クエストなどを周回する都合上、クエストと帰還を繰り返すサイクルは変わっていなかったり。アーティア武器厳選時にも煩雑なUI操作を何度もおこなうことになったりと、遊びにくさや洗練されていない部分が目立つ。

そうした小さなストレスの積み重ねはあれど、先述したように新システムを交えた狩猟そのものは楽しく、結果的には本作は今年一番長く遊んだゲームとなった。玉石混交で噛み合わない部分もあったがゆえに、もどかしさを抱えながらプレイを続けた作品だった。
by. Hideaki Fujiwara

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